2016/05/28

 『あなたなんかに何ができるのか!』から10年 発達障害者支援法改正案が成立 生物学的精神医学モデルから社会モデルへ

●発達障害者支援法改正案が成立 「治療」という文言が削除される


5月26日、某団体から、一通のメールが送られてきた。


発達障害者支援法改正案が成立がしたそうだ。その団体は、発達障害者の支援が名ばかりで、精神医療へ安易につなげられていることを危惧し、長い間政治に働きかけてきた。


今回の法改正が画期的だったのは、「治療」という文言が削除されたことにあるという


その一方で、新たに加えられたのが、社会的障壁という概念だ。つまり、発達障害者支援は医学モデルから社会モデルへと移行するということだ。当事者の権利利益の擁護が強化され社会参加の機会確保や共生が強調されている点も素晴らしい。


●求めているのは医療的支援ではなく、教育的支援


精神医療を批判すると必ず言われるのが「反精神医学」という批判だった。


けれど今の子ども達を取り巻く環境はどこかおかしい。例えば、算数ができないと「1度病院にいってみてもらえば?」などと言われるからだ。息子のような超低出生体重児はまだいい。「小さく生まれたから、発達が遅れているんです」と母親の私が言えば、理解してもらえるからだ。


算数ができないのだから、どうすれば算数ができるようになるかを、一緒に考えるとか、算数を子どもに教えてくれればいいのに。どうして、治療を受けないといけないのか私にはさっぱり理解できなかった。


仕方がないから、今は私が勉強をみているけれど、ほらこの通り!塾の先生も「がんばっています」と書いてくれている。こういう手間暇をかけないと理解できない子ども達がいるということなのだ。


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グレーゾーンの子ども達の中には、息子と同じように、支援級などでは伸びなくなる子がいるはずだ。大人は子どもを変えようと躍起になるけれど、変わらないといけないのは、むしろ大人達じゃないの。日本の教育現場に、精神的・時間的余裕がないことのほうが問題だと常々思っていた。だって、海外の学校はもっと自由だもの。それに年齢も国籍もバラバラな子ども達が集まっていたりする。


でも、ひとまずホッとした。相変わらず超低出生体重児の子育ての苦労は続いているけれど、これまでの苦労が少しは報われた気がする。


● 『小児がん専門委員会』の議事録に残る牧本敦医師の業績 


今、牧本敦医師の患者さんのご家族に教えていただいて、『小児がん専門委員会の議事録』を読んでいる。


牧本医師の発言を読んで少し驚いた。お金の問題から、治療体制、子ども達の教育問題、そして薬のことまで、幅広く発言しているからだ。忙しい仕事の合間には、なんと!サルコーマの患者さんからの電話相談にもこたえていたそうだ。診療だけでなく、NPOなどで活動した経験があるから、患者や家族が何を求めているのかがよくわかっている。だから提言が的確なのだろう。


牧本医師は、私が国立成育医療研究センターの児童精神科医に訴えたようなことを、形にしようと活動してくれていたんだ・・・。


2007年(平成19年)、私は、児童精神科医と言い合いになって、「あなたなんかに何ができるのか!私達がやるから、あなたは黙っていて。迷惑だから出ていって」と障害名までつけられて追い出された。


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そういう不条理で、辛い経験が私を本気にさせたのだ。何ができるの!と言われたけれど、この10年で、どちらの主張が世の中に受け入れられたのだろう?


次回から牧本敦医師の議事録の発言を、引用させていただこうと思う。私は超低出生体重児の親であると同時に被害者でもある。ここまで患者や家族のために活動してくれた医師を、素通りできない。したらいけないと思う。




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