2016/05/30

『どんなことがあっても息子の主治医は牧本先生』 小児がん専門委員会議事録を読む その2

様々なメディアで一方的にバッシングされた牧本医師。報道が真実なのか検証していきます。

●2011年1月11日 第1回小児がん専門委員会議事録 厚生労働省 健康局総務課がん対策推進室  

牧本敦医師の発言を一部引用

○議題
1.がん対策推進協議会小児がん専門委員会運営規程(案)について
2.小児がんの今後の検討課題について

○議事
 出席委員:垣添会長、檜山委員長、天野委員、小俣専門委員、原専門委員、堀部専門委員、牧本専門委員、馬上専門委員、森専門委員

◆  ◆  ◆


(※ 牧本敦医師がご自身の経歴をはじめ、小児腫瘍科で治療にあたる小児科医が、 なぜ社会に働きかけるかについてお話していらっしゃいます)


○牧本専門委員

 国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科長をしております牧本です。

 私は、大学を卒業した後、数年の研修を経て1998年から2000年まで米国のテキサス大学MDアンダーソンがんセンターで小児血液腫瘍のクリニカルフェロー、臨床研修を行ってまいりました。その間、隣のテキサス小児病院で遺伝子治療の研究なども行いましたが、その中でやはり我が国の体制と、もちろん米国の体制というのはかなり規模が違う体制ですけれども、差に愕然とした経験がございます。その後、本日ご出席の垣添先生が院長をされていた国立がんセンター中央病院のほうに医員として勤務いたしまして、ことし11年目となります。現在は小児腫瘍科の科長として独立行政法人国立がん研究センターの中央病院で小児腫瘍を考える立場でおります。


 臨床的には国立がん研究センター中央病院ですから、全てのがん腫を扱うべきですけれども、先ほど来議論にあります特に当院では15歳から20歳までの患者さんも全て小児腫瘍科で治療しておりますので、特にその辺で多い、それこそ造血器腫瘍でその年齢で発症した方とか、ユーイング肉腫や横紋筋肉腫、骨肉腫等のいわゆる整形外科あるいは他の外科領域との境界領域で治療がしにくい患者さん、それから我々と一緒に眼腫瘍科、目の腫瘍ですね。網膜芽腫の患者さんも眼腫瘍科を中心としてたくさん見ております。


 研究分野といたしましては、先ほどもちょっと発言いたしましたけれども、他施設内、医師少数施設での治療開発を行うための臨床試験、体制整備も含めて厚生労働科学研究の補助金もいただきまして、もうこれも9年来行ってまいっております。その間適用外薬問題とか未承認薬問題に関しては、情報収集による解決、抗がん剤併用療法検討委員会による解決とか、あと医師主導治験も手がけたことがございますし、この分野に関してはある程度経験と知識を持ったものとして考えております。


それに伴いまして、学会活動でも例えば小児血液学会の保険診療委員会の委員長を拝命しておるとか、どうしてもそこの薬事法的なところに重きが置かれていますが、一方で一応臨床医として勤務しておりますので、全てのがんに関して何が標準治療で何が試験的な治療かというところの切り分けは、自分ではできているつもりでございます。


 また、先ほど留学中に遺伝子治療をやっていたという話もありますが、厚生科学審議界の遺伝子治療専門委員も拝命しておりますし、当院でもいわゆる先端医療をこれから進めていくという目標もございますので、小児の分野でもそういう先端医療を臨床試験としてですけれども、届けることができるような活動というところにも手がけておりますのと、もう一つ特徴的なのは、やはりそういう研究とか診療の延長だけではなかなか救われない部分、馬上委員からも強いお言葉がありましたけれども、実際小児患者を人間としてとらえた場合には、やはり社会全体で守っていくという姿勢が必要だと思いますので、そういうことから研究だけではなくて社会活動として小児を支援していこうということで、NPO法人小児がん治療開発サポートなどのNPO法人に積極的に協力をして、社会活動として小児がんの子供たちを救おうという活動もしております。


 そのようなバックグラウンドから取りまとめた図がこのお配りの資料の中の16ページにひとまとめにしてございますが、この図で言いたいことは、今までがん対策推進基本計画の中で述べられてきた成人を中心としたがん対策と、この小児が抱える問題点というのは多少ずれがあるということをこの図で示したかったんですね。その一番根本にあるのは、もう既に原委員、堀部委員が触れられたように、これは医療施設、医療体制の問題であると。


 つまりがん対策基本法等が述べたがん拠点病院を中心とするがんのネットワークというのは必ずしも小児がんをちゃんとこれまで歴史上、きちっと治療してきたと自負する施設群ネットワークと重ならないので、それがやはり国がつまり拠点病院に予算を投じて整備をしようとしているところと小児がんの医療体制の整備が合わなかったということの根本だと思いますので、これが先ほど来私が申し上げている治療の開発にしても治療のレベル、つまり専門医の教育も含めて医師の能力や経験、治療のレベルにしても、その周囲にある支持療法や長期フォローアップも含めて、そういうふうなものが全てちょっと小児のところでなぜか立ち遅れているという原因だと思っております。


○牧本専門委員

 そういうものもありますが、結局何十年も前に治療を受けてということもありますが、治療自体もやはりどんどん進歩していますので、原先生なんかがおっしゃるように、必要な放射線量だって下がってくる。ただ、それを例えば20年前の治療をずっとしている先生がいらっしゃったら、その晩期障害は減らないわけですよね。


ですから、とにかく今できる、今これから発生してくるあるいは再発してくる患者さんに最善を尽くすことで恐らくそういう生活の保護、それから長期フォローアップにかけるコスト、そういうものも恐らく下がっていくだろうと予想されるので、やはり重点的な課題としては一応この質の高い医療をどう提供するかということをまず議論いただきたいなというのが1つです。


続く



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