2016/05/30

『どんなことがあっても息子の主治医は牧本先生』 小児がん専門委員会議事録を読む その3

様々なメディアで一方的にバッシングされた牧本医師。牧本医師の講演を文字におこし、報道が真実なのか検証していきます。

●2011年2月9日 第2回小児がん専門委員会議事録 厚生労働省 健康局総務課がん対策推進室

牧本敦医師の発言を一部引用


○議題

【参考人意見聴取】
1 小児がん緩和ケアのシステムについて
2 医療における子どもの権利等について

【協議事項】
  小児がんの診療体制について


◆  ◆  ◆


(※ がんの疑いのあるお子さん達を、どうしたら、素早く治療に結びつけられるか、についてお話していらっしゃいます)


○牧本専門委員

 多分一般のクリニックとかであればやはりそのまま、じゃあCT撮りましょうとできないですよね、つまりCTがないので。より高次病院に紹介をすると。高次病院に行ったときに、多分元に戻っちゃうんですね。子供がそんな重病するのはまれであるからもうちょっと様子を見ましょうと、そうやって結局引き伸ばし。恐らく医者の心理、一般医の心理、私も若いとき一般医でしたから、としては本当にやはり元気な子供がそういう重病するということは非常にまれであるというのがまず1点。


 頭痛とか吐き気とかというのはやはり頻度からするとほかの理由のほうがよほど多いわけですから、僕らはそういう訓練を受けて、頻度からまずナンバー1が感染症でとかそういうふうな患児でカンベ診断行っていって、検査をできるだけセレクトするように頭を働かせてしまうので、それが専門家というものなので。そこをちょっと経験というものがあればそれを打ち破ることができるんですけれども、そこのところをどう打ち破るかというところで、天野委員は連携パスという話を出してこられたんですが。やはり地域でそれはつくらないといけないし、地域にそれだけの専門家がいらっしゃるのかという話になると、その方法が難しいということだろうと思うんですね。


 だから、今なぜ撮らないのかというかなぜそうなるのかという話を説明したわけなんですけれども。そうなると、本当に腫瘍を疑って撮るという、もし腫瘍じゃなかったら腫瘍じゃなかった、よかったねと言ってあげられるような施設が幾つあるかという問題になってきて、それはもうほとんどがんを専門と自負しているような人が言わないといけないと思うし、そういう人の役割だと思うんですね。そうなるとがん専門病院あるいは地域の小児医療センター、あるいはもう地域のコア病院であってもそういう専門を自負する先生がいらっしゃるところというところにリーチするしかなくなるので。そこの閾値をどこまで低くするかという議論になってきます。


 一方、低くしすぎると何でもかんでも頭のCTということになって、医療のリソースの無駄使いになるので。その辺は、もちろん議論で決めることでは絶対ないんですけれども、一つは小児科全体の、一次医療圏の先生も含めた人への教育、あるいは情報の公開であって、それは恐らく患者さんへの情報公開と同じようなレベルで行わないといけないんだろうと思いますし、そこはベースとして。


 もう一つはやはり高次病院がそこの二次医療圏まで下りてくるかということを私さっき申し上げたんですけれども。例えば、アメリカの私も行ってましたが、MDアンダーソンがんセンターなんかではもうコールセンターがあるんですね、小児がんの。だから、小児がんかもしれない、私の子供小児がんかもしれませんと、もう熱が長引いていますだけでも構わないんですね、コールセンターにコールを送れればそういう相談にのっていただける。そこまで言うんだったらもうCTを撮りましょうかとCTを撮る。


ただ、じゃあ、変な話、国立がんセンターでそれをやったら今どうなるかというと、やはり特定機能病院という問題があって、加算が取られちゃうんですね。
もしそれで、お金の問題ではないとおっしゃるかもしれないけれども、普通の病院以上に敷居が高い病院というのは何個か存在していて、恐らく成育医療センターなんかでも飛び込みで行ったら同じようなことが起こるんじゃないかと思いますが。


 だから、その医療体制自体に例外をつくるべきではないかということをさっきから僕は申し上げていて。それは二つしかないんです。地域連携の中でうまく底上げをして対処するか、高次病院と言われて高く止まっているのではなくて、高次病院でそういう疑い例まで受け入れるような体制をつくっていくか、どちらか、両方すると思うんですが、両方しないと多分そういう問題は解決していかないと思うので。


 だから、今の現状ではちょっとそこの求められるところは無理で、対策はその二つと思っています。


○牧本専門委員

 私の個人の意見の資料の中、資料4の18ページに私がずっと申し上げているようなことが書いてあるんですが。一つ、全然申し上げてないことが、やはり小児科医の能力というものですね、総合小児科医ですよ、小児がんの医者ではなくて。あらゆる、僕らが小児科ストレート研修をしているころは大学病院に根ざした研修でしたけれども、あらゆる難病を症例を経験していくんですね。一方で、今の初期研修生度ですと、やはり初期研修のうちに小児科を学ぶ期間というのは長くても多分半年、特殊な病院では1年とかあると思うんですが。その中でとても最初の2年間でがんを見られる機会はほとんどないと思うんですね。


 一方で、米国だと最初の3年間はもう1年目から小児科系と内科系に内科系が分かれてしまう。つまり、成人を見るか小児を見るかを決めてしまうので。小児科の中で総合研修の中でがんセンターに行ったり。小児がんを学ぶ期間が必ず一定期間あるんですね。これはもちろん病院とかのシステムの違いの問題がありますけれども、やはり小児医療というのは、小児科の専門医というのは短期間であってもそういう経験を積めるような、システムの中で教育されるべきじゃないかなと思うので、今は2年行った後、後期研修で小児科にまた行ってしまうので、すごく時間がかかってしまうためにまた専門医が遠のくという状況にありますから。


 僕はここでもうちょっと各国の教育状況というものを見て、厚生労働省から外れていきますけれども、文部科学省のほうにも検討いただいたほうがいいんじゃないかなと思ったりはします。


○牧本専門委員

 最善の治療とおっしゃったのと、標準の治療が必ずしも最善の治療ではないというのががんの一般論なんですね。やはり標準治療というのは多数を対象として、しかもある程度状態のいい患者さんを対象として行われた臨床試験結果に基づいて定められるもので、原先生がガイドラインとおっしゃったのは、そういう幾つものそういうデータに基づいていろいろなバイヤスとかを排除した結果、こういうものがいいだろう、例えば手術をして術後化学療法4コースするのがいいだろうとか、この薬は何を含まないといけないとか、そういう割と粗いところで決める線がガイドラインなんですね。

 
ただ、ガイドラインのとおりやったら必ずしも最善かというと、やはり固形がんの場合は例えば部位が微妙に異なる部位に出ていたり、あるいはある人は簡単に取れたけれども、ある人は取れないとか、脳腫瘍も同じだと思うんですけれども。あるいは、やはり進行しすぎていて手術が不能であるとかいうことで、必ずしも標準治療の道筋に乗れない患者さんもたくさんいらっしゃるので、ガイドラインとか標準治療というのはある程度幅を持たせていくということがもう前提になってくるので、そこの幅をここの患者さんに最適化するのは医師の能力、専門医の能力にほかならないと思っています。


 ですから、何か紙ベースでポンと決めたから、それで全部がうまくいくという考えではもちろんないと、もちろんお分かりだと思うんですけれども。そこの個人の医師のベースをどこまで上げていくかということが多分課題なんだろうと思っています。


◆  ◆  ◆


続く


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