2016/05/31

『どんなことがあっても息子の主治医は牧本先生』 小児がん専門委員会議事録を読む その5

様々なメディアで一方的にバッシングされた牧本医師。報道が真実なのか検証していきます。

●2011年6月29日 第4回小児がん専門委員会議事録 厚生労働省 健康局総務課がん対策推進室

牧本敦医師の発言を一部引用


○議題

【協議事項】
1 小児がん診療体制の今後の在り方等について
2 小児がんの患者支援、長期フォローアップ等の集中審議


◆  ◆  ◆


(※ 国立がんセンターに設置された、サルコーマセンターで電話相談を受けていたのは牧本敦医師だそうです。ご自身が受け持つ患者さんだけでなく、全国の患者さんの不安に寄り添っていらしたようです。こうした経験があるから、牧本医師は、教育の問題から、交通費の問題まで、患者さんやご家族が、何に困っているかをご存じなのでしょう)


○牧本委員

私はサルコーマのコールセンターをやっておりますので、どういう状況になるかよくわかっております。国立がん研究センターのホームページに載っているサルコーマのホットラインは、ほとんど私が受けていますから、どういう状況になるかというと、広報が行き渡ると物すごい数がきます。行き渡らないと、全く忘れ去られます。


 国が主導でやられることであれば、一定の質を確保して、一定のサービスを提供できるとは思うんですけれども、相談内容の幅がすごくあって、単に不安だから電話してきた方から、すごく高度な疑問をお持ちの方までいらっしゃるので、コールセンターをやるときに、どういうタイプのコールセンターであって、もし一定以上のレベルの質問がきた場合にはどこにどう回すかというところまで全部考えないといけない。


コールセンターという名前はすごく受け入れやすいし、利用しやすそうに見えるんですが、逆に非常に事務的な質問をされたときに、私は医師なので、事務手続きについては事務の方にもう一度かけ直してくださいと言った場合には、かなりクレームが出ます。そういうこともあるので、コールセンターというのは、簡単なようですごく難しいことだという実感を持っています。


 セカンドオピニオン体制のコンサルテーションシステムというのは、ある程度そういうところで網というか、振り分けをした上で、どうしても学問的、医学的に専門的なことをコンサルテーションするためのシステムということで書いております。


○牧本委員

私がコンサルテーションシステムと書いたものは、実はセカンドオピニオンとは違うんです。特にホットラインをやっていての話なんですけれども、今、診てもらっている先生の紹介状は必要ですかと必ず聞かれます。特に若い親御さんなどはお悩みになっていると馬上委員からも聞いています。


つまり、今、確立している医師との関係が崩れるのではないかということを心配されている方がいっぱいいらっしゃって、勿論情報があった方が正確に答えられるので、そうしてくださいと答えるんですけれども、だから、コールセンターとセカンドオピニオンの間ぐらいの位置づけを考えて、そういうシステムがあればいいと思って書いた次第です。


○牧本委員

前回も話題になったんですけれども、いわゆる複籍です。堀部委員の考え方がもし実現できればベストだと思うんですけれども、実際には籍を置いていない学校での教育が教育として認められるかというところがあるようです。だから、転校して籍を移さないといけないという議論になっているみたいなんです。これが現実です。


 今、その間の橋渡しとしては、複籍といって2つ籍を持つ。原籍校と特別支援学校のようなところの2つの籍を持って、両方の単位を認めてもらう。1週単位で行き来をしても、両方認めてくれるんだったらそれでいいのではないかという考えがあって、勿論堀部先生が言われるみたいに、籍を移す必要がないというのがもっといい、煩雑な手続を必要としないベターな方法だとは思います。


 今、東京都が病弱児教育でそういう動きをされているのは御存じのとおりだと思うんですけれども、そういうことがモデルになって、複籍というものが実用化されていけばいいのではないかと、今のステップとしては思っています。これが現状です。


○牧本委員

国に全部頼ると難しい部分があって、あと不平等性が生まれる。言う人はリクエストするけれども、言わない人、美徳として言いにくい人などがいらっしゃると思うので、言わない人には保障されないということでは話になりませんし、制度化するのは非常に難しい可能性があると思います。多分民間の財団法人とか、こちらにもいらっしゃるようですけれども、少額ではありますが、そういう交通費補助を出している団体もあります。


 それから、例えば航空会社とかJRなどに呼びかけてそういうことをするには、国から呼びかけるわけにはいかないと思うので、民間の力、産官連携をしていくというのは1つの模索方法だとは思います。だから、こういう協議会がそういうところに呼びかけていく、社会活動みたいなものも多少必要になるのではないかと思います。


 産官連携のもう一つなんですけれども、民間の保険として、例えば医療費以外の部分をカバーするような商品開発などを考えていただいてもいいと思います。国の予算の範囲内でできることと、できないことがあると思うので、何とかみんなで共同して、小児がんのみんなを救いましょうという活動ができればいいと思っています。


○牧本委員

原委員長と森委員の中間的意見になると思うんですけれども、先ほどの2-1にも関連するんですが、専門職を置いた方がいいという話の中で、多分最も身近な専門職は看護師なんです。ですから、ナースプラクティショナーという制度はまだないですけれども、例えばがん専門看護師あるいは小児専門看護師というのは両方あるんです。小児がん専門看護師というのは要らないのかという話は出してもいいと思いますけれども、いずれかの看護師が長期フォローアップのようなものに関わっていくというビジョンはあってもいいと思います。


 もう一つ言うと、いわゆるフィジシャンアシスタント、PAと呼ばれる職種もナースプラクティショナーと並行して、我々臨床医の仕事をかなり肩代わりしてくださる役割として有用だと思います。私が米国の医療機関に行って、どうしたら日本の医療がよくなるだろうという質問をしたときに、そういう職種を導入しろというのがダイレクトなアドバイスとして出るんです。認定看護師制度はどんどん発達していると思うので、そういうところを進めていただくと同時に、それをこの分野でどう運用していくかということを考えていただくのがいいと思います。


◆  ◆  ◆


続く




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