2016/05/31

『どんなことがあっても息子の主治医は牧本先生』 小児がん専門委員会議事録を読む その7

様々なメディアで一方的にバッシングされた牧本医師。報道が真実なのか検証していきます。


●2011年7月26日 第6回小児がん専門委員会議事録 厚生労働省 健康局総務課がん対策推進室


牧本敦医師の発言を一部引用 

○議題

1 第5回小児がん専門委員会の報告
2 小児がんにおける難治がん、研究、教育・研修等の審議
3 小児がん対策についてのまとめの審議
4 その他


◆  ◆  ◆

(※ 牧本敦医師が、ドラッグ・ラグの深刻な現状を訴えていらっしゃいます)


○牧本委員

全体的に医師がする研究の範囲内の治療開発ということと、企業がされる治験ということと、あと、政策という3つのファクターが書かれているので、そのように分けて考えていただければいいと思います。医師は患者さんの診断・治療に注力すべきであって、企業がやるべき新薬の小児への適応をどうするかとか、そういうところまで介入していくのは本来の業務ではないということはさっき指摘されましたけれども、もう一つは法整備ですね、欧米に比べると日本はほとんど認識されていない。


特に小児がんを対象とした場合の法整備の重要さは認識されていないというところを言いたかったんですけれど。この資料の中でその結果は、最後のA3の紙に書いてあるように、必要とされそうなお薬でも小児適応が取れているお薬が一部しかない。そして、それに対する対策としては、医師主導治験などかなり医師に負担がかかる解決策しか示されていないのが現状ですので、これに対して法的にどう対処するのか、あるいはそれを介して企業にどう対処していただくのかというところをやっていただきたいというのが趣旨だと思っています。


 そして、もう一つ、原先生が説明された中で1行あえて飛ばしたのだと思いますが、4ページの表の一番下の「治験関連」と書いてあるところで、On site monitoringとCentral monitoring、臨床試験のデータの品質を管理するために第三者的にモニタリングというものを入れるんですけれども、日本では治験において必ず第三者が医療機関に行ってチェックしないといけないという規制がかかっています。そうすると、交通費やいろいろなものを含めて非常にお金がかかるのが現状で、そのために治験を行うのに足踏みをする。これは企業にとっても、医師主導治験の医師にとっても同じなんですが、お金がかかるし、手間もかかるし、時間もかかるという状況になっています。


 一方で、欧米では法的にそこは規制しておらず、中央のデータセンターから問い合わせを中心とするモニタリングで対応が可能であるということがありますので、これは勿論、臨床研究の専門委員会で検討されるべきことだとは思うんですが、ここのところは企業にせよ、医師主導にせよ、新薬の開発を行っていく上で非常に足かせになっているということは確かだと思います。
 以上です。


○牧本委員

天野委員から医療上必要性の高い未承認薬・適用外薬の話が出ましたので、先週の7月22日が締め切りで各学会等々から要望が出されたところだと思いますが、小児の方も小児血液学会、小児がん学会の評議員を中心にアンケートをしましたが、候補薬剤に上げるところのハードルが非常に高いんですね。


つまり、成人がんでドラッグラグが生じる、つまり最先端のお薬で、例えば、アメリカとかヨーロッパで承認されているけれども、日本では開発予定の段階で早期承認を求めるようなお薬はリストに挙げることができるんですが、一方で、原委員長が4ページの保険制度のところで説明されたんですけれども、つまり、公に欧州、米国で保険はきいていても添付文書に書いていないとか、あるいは公的保険はあからさまには認めていないというお薬のレベルでは、あの検討会に要望することができない規則だったんです。


実は、そのレベルのお薬が小児の難治がんの方が非常に欲しているお薬であって、現在の行政的な解決策では、小児がんの困っているところは救えないという結論です。でも、そういうリストに挙がらないとわかっていながら10薬剤ほど挙げさせていただきました。恐らくはそれらはワーキンググループの一番最初のところで、これらは基準に合っていないのでだめですと切り落とされるのが関の山なのですけれども、それでも一応、現実を知らせるためにリストアップさせていただいています。それをまたホームページ等々でチェックしていただければと思います。



○牧本委員

簡単に言いますと、ヨーロッパはコンパッショネートユースと言って、つまり、どうしても必要とする未承認薬があった場合に、企業等々で開発中の薬剤でも使っていいという法律があるんですね。つまり、法的整備がなされていてコンパッショネートユース法みたいなものがあると。米国は、そういうお薬に関してはやはり臨床試験薬のような位置づけでやるべきということで、IND(Investigational New Drugの略)、すなわち研究用新薬として扱われているので、やや研究寄りの扱いではありますが、それで使っていい、つまり臨床試験の亜型みたいな形での扱いになるということです。


しかし、どちらの国もそういう未承認薬を法的にこういう場合には使ってよろしいという要件が定められていてできるということです。
 一方で、日本はオーファン制度ありとは書いてありますけれども、結局のところは患者ないし担当医が個人輸入をするということが実際の解決策なので、そういうことでは将来につながっていかないし、実際にはやりにくくてやれない施設も多いと思います。


○牧本委員

情報センターと拠点病院とすごく大きい枠の議論が二つあるんですけれども、もう既に要望で皆さん書かれているんですが、やはり地域ネットワークがなければ、特に長期フォローアップは成り立たないので、当然、拠点病院を中心とするネットワークというソフトの部分が必要で、予算化とはまた別だと思いますが、拠点病院と情報センターがあれば全部うまくいくということではないということは含みを持たせた方がいいと思います。


◆  ◆  ◆

続く


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