2016/06/02

『牧本事件』とメディア戦略 その2

●『研究不正改訂案』というワード文書 


こちらのワードで作成された『研究不正改訂案』を見つけたのは偶然だった。私がこれまで書かなかったあるキーワードと『牧本事件』で検索をした時だった。なんでこんなに詳しい情報が書いてあるんだろう?と不思議に思って、たどり着いた。

(※『1) 日本版NIHの強化 ・ 安倍総理主導で、メッセージを出す。』で検索すると出てきます)


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ダウンロードする。


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◆  ◆  ◆
1) 日本版NIHの強化
・ 安倍総理主導で、メッセージを出す。
 「科学技術は、我が国の成長戦略の根幹。公正な競争が必要であり、不正は許さない」

・ 論文不正に関する有識者会議を立ち上げる。
 世論が盛り上がれば、調査・処罰権限を有する組織の立ち上げ(米国の政府機関に倣う。研究公正局(ORI)といいます)も念頭に置く。

・ 科研費改革
 論文捏造に対する対応次第で、研究機関・大学には信賞必罰を明確にする。捏造論文に対しては科研費の返還、応募制限など罰則を課す。
 研究者と官僚の癒着が目立つ領域に対するガバナンスの強化

2) 文科省
・ 既に問題となっている不正への対応を促す
 論文不正の疑いがある大学(東京大学、東北大学など旧帝大が大きい)に、期限を切って詳細な調査内容を公表するように指示する。

3) 厚労省
・ 製薬企業の臨床研究への関与の透明化をはかる
 バルサルタン事件では、製薬企業の社員が自社に有利な研究結果を捏造したことが疑われている。社員の転職などにより一企業のみでは調査に限界があり、公的権力の介入を要する。

・製薬企業の過剰な販売促進に対する罰則を設ける、キイタム制度導入の検討
 米国では製薬企業による違法な販売促進により、政府が罰金を課す事例が既に多発しており、キイタム訴訟(下記参照)制度が活用されている。日本でも製薬企業に対し何らかのペナルティを設ける仕組みが必要。 

4) 追記 今後、表面化する可能性が高い問題

・ 文科省:お粗末な内部調査
 研究不正について、各大学はだらだらと内部調査をやっています。この間に日本人が海外メディアに告発を続け、ブランドイメージが低下につながっています。このようなもたれ合いになるのは、一部の有識者が科研費を分配すると同時に、日本医学会などの業界幹部を独占するからです。

・ 厚労省:バルサルタン事件での「保険料詐欺」
 バルサルタン(ARBという降圧剤)の不正疑惑について、ノバルティス社は情報開示が弱い。バルサルタンの売上は年間1000億円。武田・三共などと併せ、ARB製剤は年間5000億円。世界の売上の40%を占める(医薬品全体では日本は世界の8%)。

 不正な研究を用いて、販促した可能性がある。事実であれば、年間数千億円、過去に数兆円の保険金・税金が不正に使われていたことになる。ところが、この事実究明は、厚労省の仕事。現在、何もやっていない。厚労省が自主的に判断するでしょうが、ARB製剤の薬価を切り下げることで、来年の診療報酬改定は一気に楽になります。

 ちなみに、米国ではキータム制度があり、製薬企業の不正な販売促進に対する懲罰として機能しています。昨年はGSK社が30億ドルの和解金を米国政府に支払うなど、グローバルファーマによる不正事件が多発しています。キータム訴訟制度では、政府と契約している企業等の不正が見つかった場合、その告発者自身が民事訴訟を起こすことが可能で、さらに勝訴した場合、和解・賠償額の最大30%まで米国司法省から報償として受け取ることができるという、いかにも米国らしいダイナミックな仕組みで、公益通報を促進しています。

・ 厚労省: 一部研究者と技官の癒着
 今年二月、国立がん研究センターの牧本敦・小児科医長が科研費の流用で懲戒解雇されました。複数の愛人や家族に家電製品を買っていました。国がんを巻き込む組織的な問題の筈ですが、厚労省・国がんは第三者委員会も設置せず、刑事告発もしていません。牧本医師は流用した金を返し、普通に働いています。

 彼は、医師主導治験として公的研究費も貰っています。この治験を用いて、滋賀県の大原薬品が承認申請予定です。両者は接待漬けです。捜査二課は、ここで立件しようと考えていました。今年の春です。最近の状況は知りません。警視庁記者クラブに出入りする知人の話では、「検察が二の足を踏んでいる」とか。

・ 財務省
 ARBの薬価は、新たな財源として、既に関心をもっています。キーパーソンは丹呉さん。厚労担当の新川主計官にも、関心を持っています。ここに切り込むことで、「社会保障も聖域ではない」というメッセージを出すことが可能です。

◆  ◆  ◆


内容もさることながら、作成者が知りたくなる。


そこでいつものようにプロパティを調べる。まずはじめにワードのファイルの概要を開く。作成者の覧は『alice』と記入されており、特定ができない。


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やっぱりダメか、諦めかけつつ一応、詳細情報を確かめる。


●作成日は2013年6月19日 修正者は『KAMI』


すると!なんということだろう。修正者に『KAMI』と記入されている。作成日は2013年6月19日。


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それでは、2013年には何があったのだろうか?現代ビジネスの『医療詐欺』をもう一度引用させていただく。


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医学会には薬の宣伝をする「御用学者」がいる---上昌広『医療詐欺』第1章より 2014年08月17日(日) 現代ビジネス

2013年2月26日、国立がん研究センター中央病院の小児腫瘍科長、牧本敦医師(当時四五歳)が国の研究費約2,570万円を不正にプールし、一部を家電製品の購入などに私的流用したとして懲戒解雇されました。

牧本医師は2007~08年度、厚生労働省から計約2億2,000万円の研究費を受け取っていましたが、物品納入業者に架空発注して代金を過大に払い、その分を不正にプールする「預け」という手法で裏金をつくり、少なくとも五百数十万円を私物のエアコンやテレビなどの代金に充てていたという話です。

国立がん研究センターの記者会見では、牧本医師本人がプールしていたという説明がされましたが、そんなことはあり得ません。出入り業者が一人の医師のためだけにリスクを負うなんてことは考えにくいからです。

そうなるとひとつの可能性が浮かびます。

牧本医師は、国立がん研究センターで代々おこなわれていた裏金づくりのスキームで、私的流用をした――。国立がん研究センター関係者によれば、事情は以下のような感じです。

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●『研究不正改訂案』に書いてあることは、真実なのか


再び『研究不正改訂案』を読む。ああ、なるほど。冒頭に「世論が盛り上がれば」とある。『福島県立大野病院事件』と同じように世論を盛り上げるために今回は『牧本事件』ということだったのだろうか。


『医療崩壊』と『メディア戦略』 世の中を動かすには『ワイドショーに出ないといけない!』その1


しかし『牧本事件』の主人公、牧本敦医師の言い分もきいてみないとわからない。私には牧本医師が『牧本事件』と非難され小児がん治療の最前線から永久追放されるほど、悪い人だと思えない。それに、国がんが情報開示しないのは隠蔽体質だからではなく、『愛人』をかばっているのかもしれないでしょう?


名指しされた大原薬品工業株式会社について調べてみると、牧本医師が講演で紹介していた『STAND UP』というフリーペーパーを支援していることがわかる。私には、若年性のがんの患者さん達を、長い間、支援してきた会社のように思えるけれど・・・。患者さん達はどう思っているだろうか?


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若年性がん患者支援団体「STAND UP!!」への活動支援 社会との関わり 大原薬品工業株式会社

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若年性がん患者支援団体「STAND UP!!」への活動支援

若年性がん患者の精神的支援活動の一環として、若年性がん患者のための情報マガジン「STAND UP!!」(フリーペーパー第1弾)を発刊されました。
大原薬品は若年性がんの患者さまがこの支援団体の活動をより多く知っていただけるよう、現在その冊子を大学病院、地域がん拠点病院、小児がん専門病院等への設置活動に対するお手伝いをさせていただいております。冊子の内容は、若年性がん患者が病気とどのように向き合っていくかの経験談を掲載した情報誌で、大変感動的な内容となっており大原薬品は今後もこの活動を継続的に支援していきます。

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コメントをありがとうございます。

『集中』という雑誌は一般には出回りません。また、ブログには基本的に誰もがアクセスできる情報だけを掲載するようにしてきました。

しかしネットが普及すると、会員制の雑誌であっても、断片的に内容がわかるんですね。

当時書かれていた内容を知り、私も少なからずショックを受けました。かなり早い時期に「愛人」という言葉が出ていたからです。

あとこれらの情報を読んで、重要なことを思い出しました。私の手元にあるものは、もしかしたらあることを証明してくれるはずです。

それにしても、牧本先生はよく心が折れなかっですね。