2016/06/21

『牧本事件』と国の戦略 その2

●牧本医師が撰ばれた理由


そういえば、上昌広医師は、政治的な後ろ盾があるから、研究業績が乏しい牧本医師が億という巨額の研究費を手にできたんだ、と批判していらした。


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2013.3 研究費流用問題_19I3.docx
http://ow.ly/d/19I3

牧本医師は、垣添元総長が「間接的」に抜擢したようなものだ。垣添氏は1997年、徳島大学小児科講師を「大抜擢」し、国がんに幹細胞療法室を立ち上げた(この医師は嘉山孝正・前理事長時代に依願退職。嘉山改革の象徴的人事と言わた)。牧本医師は、この医師の徳島大の医局の後輩だ。米国のMDアンダーソンがんセンター留学中に、国がんに呼ばれた。地元徳島では「大抜擢」が話題となった。その後、垣添氏の支援のもと、30歳代半ばで厚労省の研究班の班長となる。当時、「史上、最年少」と言われた。牧本医師は、こうやって厚労科研を獲得していく。研究業績が乏しい牧本医師が恒常的に研究費を獲得できたのは、強い後ろ盾がいたからだ。


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しかし私は秦氏の経歴を拝見し違和感を覚える。上医師の解説では説明がつかないというか、しっくりこないのだ。「秦順一の中学生の知識でわかる 私たちの身体の不思議」というWebサイトに、秦氏の自己紹介が掲載されている。生い立ちが書かれた文章を読んだ時に違和感がどこからくるのかわかる気がした。


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秦順一の中学生の知識でわかる 私たちの身体の不思議 自己紹介


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またスウェーデンには大学の医学部が七つありますが、学生の平均年齢は四〇歳程度です。これは医学部に入学する資格の一つに、会社などに勤務して社会生活を送った経験があることが含まれているためで、医者になるためには通常の大学を出て就業し、社会人としての経験を積んでからでないと、医学部への入学もできないわけです。

この資格制度には、若者が医学部に入ることを阻害しているという意見もありましたが、客観的に見れば、やはり非常に合理的な制度だと思います。確かに長時間の外科的手術を行う場合など、若い方が体力的に有利な分野もありますが、患者さんが老若男女それぞれいて、性格も病気も症状もそれぞれ違うのですから、医者にも若い人、熟年の人、さまざまな経験を積んだ人間がいるべきです。医学には臨床も研究もあり、また病気そのものの研究ばかりでなく疫学的な研究も、その病気を俯瞰的に考えるためにはとても大切なのですから。

留学したカロリンスカ研究所病理学部門では、それまで日本でやっていた研究とは少し分野の異なる、「免疫病理学」という分野の研究に加わりました。当時は、リンパ球には色々な種類があるのだ、ということが解明され始めたところで、実際に行っていたのは電子顕微鏡を使ってリンパ球の微細構造を形態学的に解析する仕事です。


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「研究に妥協は許さない」という厳しさが伝わってくるのだ。秦氏のような研究者が、社会活動とはいえ、実力のない医師と一緒に活動するだろうか?


私は牧本医師が国立がんセンターに抜擢された理由は、専門にあったのではないかと推察する。患者さんのご家族が書いてくださったように固形腫瘍が専門の小児科医だったからーーーーー


実績がないというけれど、若い才能を見いだし育てることもまた、大切な使命だと思う。そこで、厚生労働省のサイトで、牧本医師が獲得した研究費について調べてみることにした。


続く




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