2016/07/01

報道と人権 私が『牧本事件』に注目した理由 その2

●注目を集め、クリックさせれば、どんな嫌な気持ちにさせてもいいのだろうか


ところで、冒頭で紹介したのは、史上最大のスキャンダルを生き延びたとして、今再び注目されているモニカ・ルインスキーさん。彼女が訴えているのは、まさに今回の山本一郎さんの書いたようなブログのことじゃないかと思う。




https://www.ted.com/talks/monica_lewinsky_the_price_of_shame/transcript?language=ja
恥の値段には 被害者の苦痛は含まれていないのです。(中略)

他人を侵害することが原料となり、それが効率的かつ冷酷に採集され 、装され販売されて利益があがります。公然と辱められることが商品になり 恥が産業になる ― そんな市場が生まれているのです。どうやって儲けるのか? 答は「クリック」です。

恥を公開すれば クリックが増え クリック数が増えれば より多くの広告料が手に入ります。私たちは危険なサイクルに陥っています このようなゴシップを クリックすればするほど ゴシップの背後にある人々の暮らしには鈍感になり鈍感になるにつれてさらにクリックしていくのです。



面白おかしく炎上させて、その向こうで、私達がどんな気持ちで見つめているのか考えていない。注目を集め、クリックさせれば、どんな嫌な気持ちにさせても、いいのだろうかーーーーーーーーーーーーーーー


でも、そういう時代はそろそろ終わりに近づいているようだ。彼女の訴えが世界中で注目され、今もこうして拡散されているのだから。


●『牧本事件』とモニカ・ルインスキーさんの言葉


先日、ある方に、牧本医師ご本人が、私のブログを読んでくださっているようだ、と教えていただいた。


それを聞いて、やっとスタートラインに立てたような気がする。いくら私が『牧本事件』について書いても、ご本人を嫌な気持ちにさせたら・・・それが唯一の気がかりだった。


精神医療の闇は、およそ10年で、改善へと動き出した。もう私の出番はないだろう。今度は、『牧本事件』の本質を知ってもらうために、社会に訴えていきたいと思う。


8年ほど前私は法務局の人権相談窓口に訴えた。しかし「あなたは人権侵害を受けた被害者だけど、医療機関で起きた人権侵害は、ここでは救済できません。あなたは訴え出る勇気があるから、一人でも大丈夫。私達は応援していますから、がんばってください」と言われた。


あの時、一人でどうやってがんばればいいのか途方にくれた。きっと牧本医師は、あの時の私よりも、ずっと困難な状況だろう。


最後に、モニカ・ルインスキーさんの講演の最後の言葉を引用する。「あなたはなぜ、今になって発言するようになったのか?」という問いかけへの答えだそうだ。彼女の言葉が牧本医師に届けばいいと思う。


https://www.ted.com/talks/monica_lewinsky_the_price_of_shame/transcript?language=ja
自分の過去から こそこそ隠れるのを止め不名誉な人生を生きるのを止め自分の物語を取り戻す時が来たからです。自分自身を救うことだけが目的ではありません。恥や公然の侮辱に苦しむあらゆる人々に知って欲しいことがあるからです。


あなたは生き抜くことができます。つらいのはわかります。痛みもあるでしょう。すぐ簡単に消えるものでもないでしょう。でも 自分の物語に別の結末を求めてもいいのです。自分への思いやりを持ってください。誰もが思いやりを受ける資格があり、ネット上でも現実でも 思いやりのある 世界で生きる資格があるのだから。




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