2016/07/13

深刻化する『ネットいじめ』 どんな方法でも、どんな言葉を使ってもいいのか? その1

●問題提起することで、寝た子を起こすこともある かえってネガティブな情報へのアクセスを促すことになるかもしれない


今回は、ネットに書き込まれたネガティブな情報が、どこのように当事者の心を傷つけるかについて。


前回、Googleの順位について書いたら、また少し順位が入れ替わっていた。順位なんて、それほど気にしなくていいかもしれない。でも、私が気にするのには理由がある。ある時、ブログを読んだメディアの方に注意をされたのだ。


「あなたは、良かれと思っていても、人は、ネガティブな情報に興味をそそられる。あなたが問題提起のつもりで、過去の記事などを紹介しても、書かれた方にとったら、知られて欲しくない情報へのアクセスを促すことになるかもしれないんだよ。注意しないと」


興味を持ってもらわないと、問題の本質が社会にみえない。けれど、知ってもらうことにだって、負の側面がある。1度損なわれた名誉を回復するのは本当に難しい・・・・。ネットに1度出した情報はなかなか削除できないため、再び炎上する危険性もあるからだ。


●私もネットに書き込みに傷ついた過去がある・・・


ちなみに私自身、ネットに書き込みに傷ついた過去がある。ネットで無料公開された、ある本のインタビューに実名で答えた時に、医療者と思われる方々にこのような意見をたくさん頂戴したからだ。


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ただ、今から考えると、批判が多くなるというのは当然といえば当然なのかもしれない。この本を出版した会社が、そもそも、匿名でネットで活躍するような医師に支持され、成長したからだ。


今でも、当時の出来事を思い出すのは辛い。私が牧本事件に興味を持ったのは、このように私自身に苦い経験があるからだ。


●法務省が呼びかける「インターネットを悪用した人権侵害」について


すでに日本の学校現場でも、ネットの書き込みが深刻な社会問題になっている。中には死を選んだお子さんもいるそうだ。子どもは、大人以上に書き込みを深刻に受け止めるからだそうだ。


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SNSから「SOS」が…ネットいじめ、トラブルなぜ起きる 教育評論家 武田さち子 2016年03月16日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/ichiran/20160315-OYT8T50062.html?page_no=2

「うざい」「きもい」「死ね」などの言葉も、閉ざされたグループのなかで複数の人間に投げかけられると、1人の相手から言われるのとは比較にならないほど深く心に突き刺さります。すぐに消える話し言葉とは違い、文字にしたものは残るので、相手はそれを見るたびに傷つきます。消したくても消えない記憶になります。

ネットが介在すると、いじめの情報は急速に広がります。部活のいじめがクラスに波及したり、塾や習い事の人間関係にも影響を及ぼすことがあります。いじめが原因で不登校になったり、転校したりしても、悪いうわさがついて回ることがあります。被害者はネット上でも、現実世界でも、居場所を失います。

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こちらは以前にも紹介した法務省の「インターネットを悪用した人権侵害をなくしましょう」という啓発を呼びかけるページ。

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インターネットを悪用した人権侵害をなくしましょう 法務省
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken88.html

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インターネットによりコミュニケーションの輪が広がり便利になる一方で,インターネットを悪用した行為が増えており,他人への中傷や侮蔑,無責任なうわさ,特定の個人のプライバシーに関する情報の無断掲示,差別的な書き込みなど,人権やプライバシーの侵害につながる情報が流れています。
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法務省は啓発のために動画もつくっている。ブログに直接貼りつけることができないので、藤川大佑千葉大学教育学部准教授のお話の部分を、引用させていただく。

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インターネットの向こう側 法務省チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=YGTE_Q5P6dw


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藤川大佑 千葉大学教育学部(教育法法学・授業実践開発)准教授

ネットは非常に手軽なので、問題の深刻さに比べるとギャップがあります。(略)掲示板など、誰もが見られるところに、悪口が書かれていると、それは新聞や雑誌に悪口が載っている感覚に近いようです。ネットの文字での攻撃はかなり辛いものだと思います。


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ネットいじめは一般のいじめ以上に、深刻な人権侵害と言えます。ネットで公開された情報は、転載されて多くの場所に残ってしまうかもしれません。いつどこで自分が攻撃された痕跡が公開されるかもしれない。誰かに見られるかもしれない。その思いを被害者は、ずっと抱えて生きていきますよね。このように、被害がそのまま残るという点で深刻な人権侵害と言えます。
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続く

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