2016/07/15

再チャレンジできる社会へ その2

●小児がんの臨床試験は簡単に成果がでない


「業績が出ていない」と批判されているけれど、小児がんの臨床試験はそんな簡単に成果が出せない。牧本医師が講演でおっしゃっていたように、子どものがんはもともと症例が少ないからだ。成果が出るまで、長い月日がかかることは、私にも容易に想像できる。


どちらかというと「そろそろ論文に」という時期に『牧本事件』バッシングがはじまって、出せなくなったんじゃないだろうかーーー


●私に問い合わせることができないか?


そこで私は国立がん研究センターに問い合わせることが出来ないか考えた。論文になっていなくても、報告ぐらいあるかもしれない。患者さんのご家族に協力していただけば、問い合わせができるかもしれない。そう考えて患者さんのご家族に相談したら良いお返事をいただいた。上手くいくかもしれないーーーー


でもすぐに、難しいと気づく。不正があったことは事実だからだ。もしも論文になる前の報告があったとしても、国立がん研究センターは対応できないだろう。「お役所仕事だから」ではなく、これが「ルール」だからだ。


●私が考える『不正』


私にはブログで訴える以外、できることはないみたい。仕方がないから、私が考える『不正』の真相を書いてみよう。


はじめにプールした理由。


恐らく、着服するためではないだろう。「研究費を獲得しても、すぐに入金されない」ことや「年度末に予算を使い切らないといけなかった」というような現場の研究者なら、誰もが不便だと感じていた仕組みのせいじゃないかと思う。


例えば、文系の研究者は一昔前、年度末に残った予算を消化するために、神保町辺りの専門書店に行くと聞いたことがある。「(本棚を指さし)ここからここまで全部下さい」と大人買いをするためだ。今は、インターネットもあるし、こんな目立つ買い方をする人はあまりいないだろう。


そんなことを想像していたら、つい最近、報道関係者が私に教えてくれた。皮肉なことに『牧本事件』でこうした研究費を巡る負の側面が、少しばかり改善されたそうだ。


やっぱり想像した通りだ。『牧本事件』は、社会的インパクトに必要だったのだろう・・・。だったらなおのこと、研究者や医師の中から、牧本医師に手をさしのべてくれる方が現れてもいいのに。


●再チャレンジできるアメリカ社会の懐の大きさ


モニカ・ルインスキーさんの講演をみてつくづく思うのは、アメリカ社会の懐の大きさだ。真剣に反省し、立ち上がろうとした人には、再生への道を用意してくれるところだ。


https://www.ted.com/talks/monica_lewinsky_the_price_of_shame?language=ja
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最後は、スタンディングオベーションとなり、スタッフにステージの中央に戻るように促される。こんな風に再チャレンジできる社会だから、若い人達が大きな目標にチャレンジしようと思うのだ。


次回から、牧本医師が活動していたNPO法人の活動について触れていく。『牧本事件』が社会に問うていることは、いくつかある。私はその1つは「社会に貢献するためにはお金が必要」じゃないかと思う。人の命に関わる事業だからこそ、良い仕事をするためにはコストがかかる。お金を儲けることや集めることは、決して悪いことではない、ということだ。

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