2016/07/19

子どものための『臨床試験』 治療法を選ぶことができない子ども達に、選択肢を広げてあげたい その1

●『ガウディ計画』 日本の子ども達に合う人工弁を開発し、身体への負担を軽減してあげたい

昨年末TBSで放送された『下町ロケット』の予告動画。ドラマの後半は『ガウディ計画』という「日本の心臓病の子ども達に、国産の人工弁を開発しよう」というストーリーだった。臨床試験をテーマにしたドラマは珍しいから、私は引き込まれていった。





この時技術者や医師が、なぜ「国産」にこだわったかというと、現在流通している人工弁は外国製がほとんどで、日本の子ども達に合わないからだった。成長期の子どもは身体が成長するたびに、何度も人工弁を取り替えなければならず、身体への負担が大きい。「日本の子ども達に合う人工弁を開発し、身体への負担を軽減してあげたい」ということだった。


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薬と医療機器の違いがあるにせよ、この予告動画は臨床試験を知るにはわかりやすいと思う。「元々の治療法が限られているので、選ぶことができない子ども達に、選択肢を広げてあげたい」と願って活動していらっしゃる小児がんの研究者と想いは同じだろう。


ドラマでは、様々な問題が起こるものの、ピンチのたびに切り抜け、ハッピーな結末がまっている。そこはやはりドラマだ。こんなに上手くいくはずはない・・・。


●小児がん 我が国は基礎分野での研究体制が極めて貧弱 日本の大学には小児がんを専門とする講座が存在しない


それでは、牧本医師が実際に直面したのは、どんな難問だったのだろう。次回、厚生労働省の小児がん専門委員会議事録の、大阪市立総合医療センター副院長、原純一医師のご発言を引用させていただく。原医師の以下のご発言は我が国の小児がん治療の厳しい現状を象徴している。


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2011年1月11日 第1回小児がん専門委員会議事録 厚生労働省健康局総務課がん対策推進室 平成23年1月11日
○原専門委員

小児がんの特に基礎分野での研究体制が極めて貧弱であります。これは日本の大学には小児がんを専門とする講座が存在しない。これは東南アジア等の発展途上国ですらそういった講座は設けられております。我が国にはそういうものがないということが大きな理由であろうというふうに思います。

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私が原医師のご発言に注目したのは、上昌広医師が牧本医師への批判の中で「金額が大きすぎる」と批判していらっしゃるからだ。

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2013.3 研究費流用問題.docx (23.7 KB) KamiMasahiro
一億円の研究費を託す人材ではない。研究費の審査に関与した厚労省、審査委員には説明責任がある。

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原医師は会議の中で、どんなことに、どれだけお金が必要なのか説明していらっしゃる。小児の臨床試験だからこそ直面しなくてはならない難問がある、と気づかされる。


続く

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