2016/07/22

『医師主導治験は税金の無駄使い』は本当か? 難治性ネフローゼ症候群に対する新たな治療法の開発に成功! その1

●なぜ『私的に流用』するようになったのか 


『牧本事件』とは、牧本敦医師が、国の研究費約2,570万円を不正にプールし、一部を家電製品の購入などに私的流用したとして懲戒解雇された事件のことだ。しかしこれまで調べたように、「不正にプール」をしなくてはいけなかった理由はわからなくもない。


それではなぜ、牧本医師は「私的に流用」するようになってしまったのだろう?


牧本医師が挨拶をするユーチューブにアップされた『シュウさん応援団』という動画をみた時に直感した。もし不正だと認識していたら、にこやかに挨拶をするだろうか?何かがおかしい。私には、牧本医師が確信犯だとは、どうしても思えない。


『牧本事件』と『ロハス・メディカル』 その6
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私は動画の中に牧本医師を見つけた時から、鍵を握るのは、牧本医師が関わっていたNPOの活動にあるのではないかと考えてきた。


●医療技術実用化総合研究経費 (臨床研究推進研究経費)とNPO


そこでもう1度、牧本医師の研究費について振り返ることにする。


牧本敦医師が研究費をはじめて主任研究者に撰ばれたのは、以前書いたように平成14年(2002年)度のようだ。調べてみると、この医療技術の確立推進臨床研究事業という補助金は、この頃新設されたことがわかる。


◇  ◇  ◇
平成14年(2002年)度 厚生労働科学研究費補助金の概要
http://www.mhlw.go.jp/wp/kenkyu/gaiyo02/index.html

2. 各研究事業の概要
http://www.mhlw.go.jp/wp/kenkyu/gaiyo02/2.html

6 効果的医療技術の確立推進臨床研究経費
がん、心筋梗塞、脳卒中、痴呆、小児疾患等について、より効果的な保健医療技術の確立を目指した臨床研究を推進し、根拠に基づく医療の推進を図ることを目的とする研究

効果的医療技術の確立推進臨床研究事業(小児疾患分野)採択課題一覧
http://www.mhlw.go.jp/wp/kenkyu/gaiyo02/kenkyu/14.html


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厚生労働科学研究費補助金研究事業の概要
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/05/s0509-6c11.html

研究事業の目的
根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine)の推進を図るため、がん、心筋梗塞・脳卒中等の生活習慣病、痴呆・骨折、小児疾患に関して、より効果的な保健医療技術の確立を目指し、研究体制の整備を図りつつ、日本人の特性や小児における安全性に留意した質の高い大規模な臨床研究を実施することを目的とする。

<平成14年度新規採択方針>
がん、心筋梗塞、脳卒中、その他の生活習慣病、小児疾患について、より効果的かつ効率的な予防、診断、治療等を確立するための質の高い臨床研究

◇  ◇  ◇

牧本医師は、もう1つ、医療技術実用化総合研究経費 (臨床研究推進研究経費)という研究費を獲得している。この研究費と、牧本医師が活動していたNPO法人には密接なつながりがあるようだ。

◇  ◇  ◇
平成22年度 厚生労働科学研究費補助金の概要
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkyuujigyou/hojokin-koubo16/gaiyo.html
医療技術実用化総合研究経費 (臨床研究推進研究経費)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkyuujigyou/hojokin-koubo16/

基礎研究の成果を、臨床現場に迅速かつ効率的に提供するために必要な技術開発及び探索的な臨床研究の推進、倫理性及び科学性が十分に担保されうる質の高い臨床試験を実施し、根拠に基づく医療の推進を図るための臨床研究の推進、複数の医療機関による大規模な治験ネットワークの構築、医療上必要な医薬品等の開発の推進、我が国で実施する臨床研究の質の向上を目的とする医療機関、教育機関等における臨床研究支援者の育成及び臨床疫学の基礎となる分野別の大規模コホートのデータベースの構築等を目的とする研究

◇  ◇  ◇

そこで、文字に起こした牧本医師の講演を調べてみる。思った通りだ。「私的流用」につながると思われる興味深い発言が残されている。

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『牧本事件』を追う その2 牧本敦医師の講演「すべては小児がんの子ども達のために」⑧

●子どものお薬 承認をとれるようにするには、国からのお金では足りない NPO法人・寄付などの助けが必要


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私は国立がん研究センターに勤めていると同時に、NPO法人特定非営利活動法人サクセスこども総合基金(SUCCESS)の理事もやっています。NPO法人SUCCESSはいくつか役割を持っています。レモネードスタンド等々、支援をしていますけれども、その崎にある、治療開発を助ける、まさに治療開発サポートですね。と、その役割ですね。


で、何をやっているかというと、研究者のグループと協力をして厚労省から得た研究費をちょっと委託費としてまわしてもらって、こちらの人がお手伝いをしているんですね。お手伝いというのに、先ほど何億といっていたんですが、本当は製薬会社は何億もかかるというような仕事をやらないといけないということなんです。


できるだけ無駄のない形でやって、データを『規制当局』というんですけれども、に、まわして、承認をとれるようにするということです。もちろん、厚労省からのお金だけじゃなかなか難しいので、一般企業さん、キャンサーネットジャパンさんのような他のNPOや市民の皆様から寄付や支援をいただきながら、やっていくということです。

◇  ◇  ◇


足りないお金を集めないといけないから、公と私を混同しやすいというか、難しい舵取りが迫られる研究活動だったようだ。


続く

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