2016/07/25

『オプジーボ』の副作用報道と『牧本事件』 その2

●『現場からの医療改革推進協議会第4回シンポジウム』 医師主導治験の研究費は全面的に見直すべき


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患者と医療関係者の協同作業を目指して 上昌広 医療ガバナンス学会 by MRIC 2009年11月29日
http://medg.jp/mt/?p=754

11月7、8日の2日間にわたって、東京大学医科学研究所で現場からの医療改革推進協議会第4回シンポジウムが開催されました(http://expres.umin.jp/genba/index.html#p8)。


この会は、2006年の福島県立大野病院事件をきっかけに、医療崩壊に問題意識をもった有志が始めたものです。発起人には、医師・看護師・患者家族・メディア関係者・政治家が名を連ねています。舛添要一氏(前厚労大臣)、足立信也氏(厚労大臣政務官)、仙谷由人氏(行政刷新担当大臣)、鈴木寛氏(文科副大臣)なども参加しており、2007年以降の活躍はご存じの通りです。ちなみに、私は、この会の事務局長を務めています。
(中略)

【薬事法に固執する限り、問題は解決しない】

この問題についても、小野(俊介)氏の発言は圧巻でした。「当面、ドラッグ・ラグはなくならない。現行の薬事法に固執する限り、未承認薬問題は解決しない。この問題の本質は、いかに安全に個人輸入薬を使うかだ」と言ったのです。これは、中島さんをはじめ、参加者には衝撃でした。


これまで、私たちは「ドラッグ・ラグは悪で、未承認薬は無くさなければならない」という前提で議論してきました。しかしながら、我が国は新薬の薬価が安いため、外資系製薬企業は日本で新薬を開発しようとはしません。民主党の議論を見ていても、我が国の製薬業界冬の時代は続きそうです。厚労省が、外資系製薬企業に「日本で治験をしてください」と頼んでも、経済的インセンティブがない限り、当面は今の状態が続くでしょう。


苦肉の策の医師主導治験も、絵に描いた餅です。あまりにも多くの問題が指摘されています。例えば、アナキンラの場合、たとえ研究費がついたとしても、多くの国民がその恩恵に預かることはできませんでした。アナキンラは定期的に点滴しなければなりません。一方、治験を行うのは、もっぱら大病院で、都会に住む患者しか参加できません。全ての患者に平等に治療機会を提供できません。


私たちは、ドラッグ・ラグとの付きあい方を見直す時期にきているようです。そろそろ、現状を直視して、「ドラッグ・ラグはなくならないから、上手く付き合おう」と発想転換することが必要そうです。そうなれば、如何に安全に未承認薬の個人輸入体制を構築するかが、争点となります。所謂、「コンパッショネート・ユース制度」の確立が必要になります。


そうすれば、未承認薬の情報を、医療関係者や国民に十分に公開し、全国の医療機関で投与可能にすると同時に、副作用情報の収集に尽力することが必要になります。医療界とメディア、さらに行政の協同作業です。さらに、医師主導治験の研究費は全面的に見直すべきです。むしろ、未承認薬の個人輸入費用に振り替え、患者負担の軽減をはかるべきでしょう。厚労省の研究は、所謂、補助金。役所と御用学者の利権と化しています。


しかしながら、このような改革は、現行の薬事法では対応困難。議会での法改正が必要です。小野氏は、「薬事法は法律に過ぎない。時代に合わなければ変えればいい」と主張しました。至極妥当な考え方です。今回のシンポを傍聴した議員、そしてメディアにはどう映ったのでしょうか?

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上医師がおっしゃるように医師主導治験が無駄なのかどうか、私にはわからない。特に子どもの場合は、すぐに薬が認可されればいい、というわけにはいかない。子どもは小さな大人ではないからだ。晩期合併症のリスクを軽減するためには、慎重さも求められるはずだ。


それに前回書いたように、難治性ネフローゼ症候群に対する新たな治療法の開発に成功したのは、医師主導治験の賜かもしれない。


●行政刷新会議 規制仕分けの「仕分け人」に、シンポジウムの登壇者


今回私は上医師がMRICに投稿したシンポジウムの感想を読んで、あることを思い出した。この時シンポジウムに参加した方が、この会場には、外資系製薬企業の担当者がきていて、名刺交換をしたんだと私に教えてくれたのだ。


そういえば、翌年の平成22年(2010年)、政権交代後の民主党政権下で行われた行政刷新会議。上医師のシンポジウムの登壇者が仕分け人に撰ばれているのは、なぜなんだろう?『牧本事件』が注目される理由は、行政刷新会議とも関係があるのだろうか?


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内閣府 規制・制度改革に関する分科会(第4回)議事次第 平成22年10月21日(木)
http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/meeting/2010/subcommittee/1021/agenda.html


規制・制度改革に関する分科会・WG構成員名簿(平成22年10月20日第12回行政刷新会議資料)
http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/meeting/2010/subcommittee/1021/item10_04_01.pdf

規制・制度改革に関する分科会 構成員
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ライフイノベーションWG 構成員
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規制・制度改革に関する分科会 議事次第 内閣府
http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/meeting/2011/subcommittee/120118/agenda.html


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規制・制度改革に関する分科会 議事次第
平成24年1月18日(水)
15時30分~17時00分
永田町合同庁舎第1共用会議室
1 開会
2 規制全般の見直しに向けた考え方について
3 フォローアップ調査の状況について
4 有識者ヒアリング
5 小野 俊介 東京大学大学院薬学系研究科准教授
閉会

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