2016/08/06

国立成育医療研究センターに誕生した子どもホスピス『もみじの家』と クローズアップ現代『幼い命を守れ 小児在宅ケア・地域の挑戦』 その4

●子どもサマーフェスティバル2016 『僕たち、私たちの未来計画』


ずいぶん前置きが長くなってしまった。外来の看護師さんに誘っていただいた、ワークショップは、1階にある講堂で1時半から行われた。「子どもサマーフェスティバル2016 『僕たち、私たちの未来計画』」というタイトルだった。こちらは当日配布された保護者向けの資料。


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ワークショップときいて、私が思い浮かべたのは工作などをする遊びの活動だった。夏休みだし、自由研究にちょうどいいし、お楽しみ会みたいな感じなのかと思っていた。


でも、講堂の中に入ると、想像していた雰囲気と違う。看護師さんだけでなく、医師や病院の職員の方などが、おおぜい集まっていたからだ。参加している子どもと保護者よりも、病院関係者の方が多いみたい。どちらかというと、シンポジウムか学会の一般向けの講演会のようだ。


●登壇者が豪華でびっくり


つまり、成育が力を入ている大きなプロジェクトがはじまる、ということなのだろう。こちらが当日のプログラム

◇  ◇  ◇
前半
  • 始まりの挨拶
  • アイスブレイク
  • 『皆で話をきこう!』(専門家のお話 60分))
  1. 食べるってどんなこと? 栄養士
  2. 薬を自分で管理できるように 薬剤師
  3. 医療保険のお話 医療ソーシャルワーカー
  4. 心と体のコントロール 医師


後半

(保護者は会議室にうつる)
  • 講義(保護者向け 70分)
  1. テーマ 慢性疾患の子どもへの心理的影響と自立をはぐぐむための関わり方 副院長 心の診療部長 奥山真紀子医師
  2. テーマ 総合診療部長 窪田満医師

◇  ◇  ◇


●ワークショップのテーマは『トランジション医療』


後半の講演をきき、今回のワークショップの趣旨がはじめて理解できた。資料の表紙に主催が「移行期委員会」と記載されていたように、テーマは『トランジション医療』。トランジション医療とは、疾患を抱えながら大人になる患者さんを成人診療科につなげるために橋渡しをすることだそうだ。


成育は子どものためのナショナルセンターだ。設立された当初は、大人になった患者さんを他の医療機関に振り分けずに、いつまでも診ていこう、という考えだったそうだ。しかし現実問題として、医療機器などは大人を想定し完備されていないそうだ。何年か議論を重ねた結果、大人に成長した慢性疾患の患者は、やはり大人のための医療機関に橋渡ししたほうがいいという結論に達したそうだ。


成育のWebサイトに詳しい解説がある。


◇  ◇  ◇
成人に達する(達した)患者さんへ 成人診療に関する考え方  国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/information/transition.html

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「成人診療に関する考え方」を公表するに至った背景について

当センターは、「ずっと診て行きます」から「最もよい診療をともに考え、他の医療機関への紹介・連携を含めて医療の選択肢を提供します」に変わります。
成人診療を主に行う他の医療機関で診療を受けることになった場合には、患者さん本人や家族の準備が必要なこともあります。また、時間をかけることも必要ですので、そのように対応します。
当センターでは、「トランジション外来」という外来を設けて、さまざまな相談をお受けし、成人にふさわしく診療を受けるための支援を行っています。ご希望やご質問のある方は担当医に相談ください。

◇  ◇  ◇

●『トランジション医療』を円滑にすすめるには、社会の理解が必要


もちろん中には重度の障害や病気を、1つではなく、複数抱えている患者さんもいる。そういう方は、移りたくても、簡単に受け入れる医療機関はないし、社会的な支援も必要だ。療育先1つとっても、まだまだ足りない。だからトランジション医療がご専門の窪田医師は「社会の理解が必要」とおっしゃっていた。成育のトランジット外来は、ほとんどボランティアで行っているそうだ。


後半の講演をきいて、成育はずいぶんと変わったんだな、とびっくりした。これまでの政策医療は、密室で決められ、患者の要望とどんなに乖離していても、軌道修正はしない。そういう感じだと思ってきたからだ。


続く

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