2016/08/31

全国中学生人権作文コンテスト 『報道と人権』 私達のすぐ近くにある戦場に、気づいて欲しい

●夏休みの宿題 法務省が募集をよびかける「人権作文」


せっかくの夏休みだというのに、息子は宿題がとても多い。私達の頃と比べて夏休みも少なくなった。部活も忙しいし、日本の中学生は会社員みたいで、自由な時間があまりない。


勉強ができるほうじゃないから、夏休みは、苦手なことろを復習する時間にあてたかったのに、そうもいかない。通信簿には「復習をしっかりしましょう」などとコメントがついたりするけれど、いったいいつやるんだろう?


私はずっと思ってきた。超低出生体重児を、日本の教育システムに合わせることって、虐待をすることと、紙一重じゃないのかな。


でも私が「学校に無理に行く必要もないし、嫌だったらやめてもいいんだよ」と言っても、息子は首を縦に振らない。学校が好きなのだそう。


夏休みは憂鬱だ。結局私が教えないといけないからだ。何のために学校があるのだろう?時々わからなくなる。でも、出された宿題のリストを見ていたらあることに気づいた。「人権作文」ーーーー


法務省 全国中学生人権作文コンテスト
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息子に、「宿題が多いと思わない?友だちにからかわれたりして、嫌だと思わない?」ときいてみたら「うん」と頷く。「だったら、そういうことを書いてみたらいいんだよ」とすすめた。でも、まだ一人で言いたいことを原稿用紙に上手くまとめ、書く力はない。私が指導することに。


●小児の在宅医療の問題 テレビが取り上げるのに、一体、何年かかったのだろう


人権といっても、テーマは前回書いたことだ。超低出生体重児について、切々と訴えたところで、いつものことだ。「そうなんですか」で終わる。だから「一人の患者さんの意見ばかり取りあげないで」をもっと具体的にわかりやすく伝えてみることに。


海外で起きたテロや戦争などは、テレビや新聞がこのように大きく報道する。



私は国立成育医療研究センター子どもホスピス「もみじの家」をつくるきっかけとなった、NHKのクローズアップ現代の特集が今でも忘れられない。


退院後の、重い障害や病気を抱えたお子さん達への支援がないために、お母さん達がつきっきりでお世話をしている様子を紹介したからだ。こちらのお子さんは、3歳だというのに、心臓病を抱えているために、外出できないという。

NHKクローズアップ現代 幼い命を守れ ~小児在宅ケア・地域の挑戦~ 2013年5月28日
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テレビが小児の在宅医療の問題を、真正面から取り上げるのに、一体、何年かかったのだろうか?私は苦しくなり、番組をとても最後までみることができなかった。


本当に「人権」という言葉がふさわしい人達は、公の場所に出ていって活動することなんてできない。虐待されて亡くなっていった子ども達の中には、言葉が話せない赤ちゃんもいる。医療者は今でこそ「子どもの人権」にも目を向けてくれるようになった。けれど、私が訴えた時には、医療者と思われる人達から「文句をいうな。死んでも知ったことではない」などという書き込みまでされ、バッシングされた。


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●法務省の相談員も真剣に捉えてくれなかった


遠い国で起きたテロ事件も、祖父が勤めていた会社に関係する事件だ。息子にとったらテレビの向こうの特別な出来事ではない。


でも息子には教えた。戦場は、見えないだけで、私達のすぐ近くにもあるのだ。


一人の患者さんを私達の代表としてメディアに取り上げてもらえば、改善することもあるだろう。否定はしない。でも、だからといっていつも一人の人ばかりに光を当てないで欲しい。その後ろにいる、助けを求めている人達が社会に見えなくなるからだ。



作文を募集している法務省の人権相談員だって、私が相談したら深刻に捉えてくれなかった。「あなたは一人でがんばれるから、私達、応援しています」と言ったのは法務省の相談員だ。


すぐ側にある戦場に、多くの人に気づいて欲しい。

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