2016/10/18

新潟知事選挙に初当選した米山隆一氏はどんな人? 週刊文春2013年12月5日号と米山氏 その3

●患者さんが死亡したのは、医療リテラシーがなく運が悪いからなのか?


こちらのブログに、当時の新聞やテレビの報道の記録が残されている。私は当初、単に運が悪いだけのように感じた。


子宮外妊娠破裂による出血性ショックの事案で,遺族が救急診療所,医師と東京都を提訴(報道) 弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ  2013-12-03


ところが、週刊文春の記事には、死亡に至るまでの壮絶な記録が残されていた。文春を読むと、「ヤフー!知恵袋」の質問で、訴えた側を批判している方々の論点は、違うんじゃない、と思ってしまう。そもそも、行政に動いてもらうといっても、要望書を出したぐらいでは行政や役所は改善に動かない。裁判など、注目されるようなアクションを起こさなければ、無視されてしまう。


実際に何があったか、記事を引用する。


●医師が診察したのはたったの5分 明け方には苦しむ患者をおいて看護師も帰宅

◇  ◇  ◇
「2階の病室に運ばれ、医師の診察自体は5分ほどで終わりました。触診で腹部を触られると妻は特に痛がっていましたが、医師は『様子を見ましょう』と言って自宅に帰っていきました。これが午前1時前後のことです。


その後は、何度か看護師が見回りにきました。妻は痛みが治まらず、額に脂汗を浮かべて、うめき声をあげていました。トイレに行きたいと言うので身体を起こしたところ、激痛で気絶したほどです。看護師が痛み止めを打ち、『産婦人科系の原因かもしれない』と言っていたので、私は『今から他の病院に変えることはできないか』と尋ねたのですが、『先生が判断しないと、何とも言えません』という返事が返ってきただけでした」


その後、貴子さんは、若林さんに「(その日、遊びにいく約束だった)友達に電話しておいて」と話している。本人も、病室に夫と二人で残された自分が死の淵にいるとは、まさか思いもよらなかったことだろう。


———そして、これが最後の会話となった。


「朝六時すぎには、『9時日勤の看護師がきますから、なにかあれば、院長につながります』と言い残して、看護師も帰ってしまいました。病院がもぬけの殻になった7時ぐらいには、それまで痛みでうなされていた妻が急に静になった。ようやく鎮痛剤が効いたのかと思っていましたが、ふと気付くと妻が呼吸をしていなかった。慌てて7時40分ごろに電話をしたところ、10分ほどで医師がやってきましたが、あまり急いでいる様子がなくイライラしました。心臓マッサージや点滴などを行いましたが、およそ1時間後に死亡を知らされました」

◇  ◇  ◇

観察医が行った行政解剖により、貴子さんの死因が判明する。子宮外妊娠によって卵管が破裂、実に2.7リットルもの腹腔内出血があり、その出血多量で亡くなったという。


●救急医療の専門家が首をかしげる、杜撰な治療体制


記者さん達が入手したカルテをみた、東京大学医学部付属病院救急部・集中治療部教授のコメントが怖い。ここで治療を受けるなら、ヤル気のある偽医者のほうが安心できるかもしれない。

◇  ◇  ◇
「まず、当然やるべき妊娠検査をしていない点が不可解です。簡単な検査ですから、普通はルーチンとして行う。研究医にも教えている、救急医療の “ イロハのイ”です。その後も、臨床の基本である患者さんの経過を追っておらず、したがって重症度を確認できていない。そもそも、医師が診察したのは、最初だけですよね。ここで手術できなくても、早い段階で上級病院に搬送すれば助かったはずです。


午前5時に血圧が低下して50を切っていますが、これは医学的には完全にショック状態です。このままでは心臓が止まってしまう厳しい状況なのですが、ショック状態を離脱させるための輸液や酸素投与といった措置をせずに鎮痛剤を投与していますが、痛みで血圧を維持できているので、逆に血圧を下げてしまう恐れがあります」

◇  ◇  ◇

最後に、看護師が苦しむ患者さんを置いて、帰宅したことも、理解できないとおっしゃっている。


ちなみに私が駅前の産婦人科に入院していた時、出血が止まらなくなったのも同じような時間帯だった。寝ていた先生はすぐに飛び起きて、あわてて飛んできてくれた。いつもは、冗談ばかりいって、患者さん達には「まじめじゃない」なんて言われていたけれど、真剣な顔で私を心配していた。


それが『救急医療』というものだと思っていた。


続く

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