2016/10/31

お手軽なコンビニ診療で高山病予防薬を処方してもらったら・・・ コンビニ診療の盲点 厳しさが人を育てる

●駅ビルのコンビニ診療 手軽で便利だけれど・・・


先日、「早く、安い」新型出生前診断を行う医療機関についてブログに書いたところ、アクセスが急激に増えた。世間の関心が高いようだ。そこであの時何があったのか、もう少し詳しく書いてみる。もしかしたら、新型出生前診断を、安易に受ける人が減るかもしれないからだ。


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これはその時私が、処方した医師に書いた手紙の一部だ。

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私が、2011年8月2日に、A医師に書いた手紙

約1年半前、私は知りあいがキリマンジャロに行くというので、先生を紹介しました。先生がトラベルクリニックを標榜されているので、渡航前にワクチンを打つようにすすめたのです。しかし帰国後彼女は、なぜか私には何も報告してくれませんでした。言いにくそうに切り出したのは、数ヶ月が経過してからだったと思います。その時に私はあることを聞かされて驚きました。実はワクチンを打ってもらっただけではなく、高山病予防のために薬を処方してもらったのだそうです。ところが、処方された薬が強すぎて、トレーニング中に転倒しかけたと言うのです。


キリマンジャロのような高山に登るには、たとえツアーであっても参加者には、自己調整が求められます。高山病の予防には、地道な訓練が一番の近道だからです。幸いにも彼女には、経験抱負な登山仲間がいます。仲間の助言で、ミウラドルフィンズのトレーニング施設で訓練を受けることにしたそうです。
 

処方薬による体調の変化は、はじめての低酸素室での訓練中に起きました。先生から指示された量の薬を服用したところ、激しい睡魔に襲われ事故を起こしそうになったそうです。あわてたミウラドルフィンズのスタッフが調べたところ、原因が先生の処方した薬であることがわかりました。通常女性には、先生が処方した半分から投与をはじめるそうです。「登山家や臨床経験の長い医師ならば、当たり前に知っている」と言われたそうです。


彼女は私が先生と親しいことを知っていて、私には言い出せずにいたそうです。しかし、専門医による処方薬で、事故をおこしかけたという不信感と、恐怖心は大きく30分ほど、不満を口にしていました。


そこで私は彼女の話が終わった後、「●先生は、トラベルクリニックを標榜していても、もともと●が専門だから、高山病のことはよく知らないはず」と言いました。(以下略)

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●タコ焼きにタコではなく消しゴムを入れたよりひどい話 僕らの病院では半殺しの刑になります

なんで私がこんな手紙を書いたかというと、友人の医師に相談したらこのように言われたからだ。「早く知らせないと、大変だ!」と思ったのだ。


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それはタコ焼きにタコではなく消しゴムを入れたより ひどい話ちゃいますかーー 

例えになっていないですが、薬のメカニズムをちゃんと理解せずに単なる対症薬として処方したのでしょうね。あとは服用する人の責任だと思っているのだと思います。僕らの病院では、半殺しの刑になりますが、それはむしろ幸福なことで、個人経営のクリニックは、ある意味不幸で危険です。僕らの病院で行っているような、3科が集まってのカンファレンスで議論し尽くして出てくる診断治療方針と単独医師の判断とではずいぶん違います。誰にも間違いを指摘されずにいれば、何が間違っているのか分からなくなると思います。

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●一流の登山家が、厳しい理由

こちらは数年前、八甲田山に行った時にとったイッテQ登山部の写真だ。


青森県八甲田山へ その2 イモトアヤコさんとイッテQ登山部!
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写真をとったのは、ブログで八甲田山の朝のロープウェー乗り場の様子を紹介するためだった。八甲田山に来る人達は、やっぱり装備が違うんだと思って、たまたま写真をとったのだ。この時も、上空にヘリが旋回しており、遭難者を一日探していた。後日ニュースでそのうちのお一人が亡くなったことを知った。


夫の仲間の教員には、野外教育のプロフェッショナルが多い。知りあいには冒険家や登山家もいる。そういったプロフェッショナルも皆、イモトアヤコさんには感心していて、活躍を楽しみにしているそうだ。


イモトさんはもう、プロの登山家と同じレベルの達人と思っていたけれど、夫が言っていた。「イモトさんにはもちろん才能があるけれど、周りで支えているプロの人達が凄いんだよ」。一流の登山家とは、そういうことができる人達なのだそうだ。


ミウラドルフィンズのスタッフは、妹にもっと厳しいことを言ったそうだ。


私はイモトさんの活躍をテレビでみるたびに、高山病予防薬のことを思い出す。彼らが厳しいのは、登山が危険だからだ。一瞬の気の緩みが、死に直結するからもしれない。


医師も登山家も同じなんだ。


たぶん私も妹もコンビニ診療には、2度とお世話にならないだろう・・・。

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