2016/12/04

超低出生体重児の中学生活 全国中学生人権作文 「身近にある戦場」 

●「日本死ね」への違和感 私が言葉は大切だと思う理由

今日、12月4日から人権週間がはじまる。今年の夏休みの宿題に出された「人権作文」を少し変えて、掲載しよう。


今年の流行語大賞のトップ10に「保育園落ちた日本死ね」が撰ばれ、炎上している。私は超低出生体重児の問題を10年以上訴えてきたけれど、「死ね」なんていう言葉を、どうしても使う気にはならない。私達は今の日本だから生きていると思うし、超低出生体重児の中には、虐待されて亡くなった子ども達も多いからだ。


仮に注目され予算がついたとしても、そこに『心』があるのだろうか?私はお金よりも、人よりも、『心』があるかないかのほうが大切だと思う。気持ちがある人達が集まらないと、本当の意味で『支援』にはならないことを痛感してきた。だから言葉は大切だと思う。

◇  ◇  ◇
 全国中学生人権作文 「身近にある戦場」 
●僕は超低出生体重児(ちょうていしゅっせいたいじゅうじ)

僕は千グラム未満で産まれた、超低出生体重児(ちょうていしゅっせいたいじゅうじ)です。普通の赤ちゃんはだいたい40週で産まれるのに、僕はその半分で産まれてしまいました。だから僕は新生児集中治療室(NICU)に4ヶ月間も入院していたそうです。小さい頃は体が弱く、救急車で2度も産まれた病院に運ばれたそうです。


今、僕は元気に中学校に通っています。クラブは大変だけれど■部を撰びました。体験入部の時に、顧問の先生や先輩がやさしくし接してくれたからです。でも2年生になった今でも体は小さく、走るのも得意じゃないからレギュラーにはなれません。勉強も出来ないから、友だちにからかわれることもあります。皆のように上手くできないのは、僕だけのせいだけじゃありません。時々嫌になることがあります。


●今の日本だから、2人とも生きている

でも母が教えてくれました。僕はいろいろと大変だけれど、幸せなんだと言われました。僕と母が生きているのは、今の時代だからだそうです。もしも、何十年も前だったら、2人とも生きていないかもしれないそうです。


母はもっと驚くことを教えてくれました。僕と同じように小さく産まれた子ども達の中に、重い障害が残った子ども達がいるそうです。日本の支援制度が十分ではないことや皆の理解がないために、そういった子ども達のお世話を、お母さん達が家でつきっきりでしなくてはいけないそうです。


◇  ◇  ◇
NHKクローズアップ現代 幼い命を守れ ~小児在宅ケア・地域の挑戦~ 2013年5月28日
2016-8-31.jpg
心臓病を抱えた3歳の男の子 ほとんど外出することができない
◇  ◇  ◇

僕も普通の赤ちゃんと違って、体が弱く育てるのが大変だったそうです。だから僕のように小さく産まれた子ども達の中には、虐待され、死んでしまう子どもがいるそうです。


●祖父の働いていた会社がテロに巻き込まれ、新聞やテレビで大きく報道された

数年前、祖父が働いていた会社がテロ事件に巻き込まれました。毎日、新聞やニュースで報道されたので、大勢の人達が悲しんでくれました。



●国内にも、見えないだけで戦場がある

でも母は僕に言いました。海外で起きた戦争やテロは大きく報道されるから皆が悲しんでくれるけれど、国内にも見えないだけで戦場があるのよ。皆の関心が少ないから、なかなか良くなっていかないの。


僕が産まれた病院は、国立成育医療研究センターという、日本のナショナルセンターです。僕が産まれたのはセンターが新規設立された年でした。僕は一番目に生まれた24週の超低出生体重児だそうです。だから母に「後に続く人達のために、がんばらないといけない」と言われました。まだ、僕のような小さく産まれた子ども達が、どうやって大きくなるのか、病院の先生達にもわからないからだそうです。


2016-12-4.jpg
産まれた時に、病室から撮った写真 研究所はまだ建設中


●重い病気や障害を持つ子どものために「もみじの家」ができた

今年の春、センターの近くに「もみじの家」という重い病気や障害を持つ子どものための医療型短期滞在施設ができたそうです。お母さん達がやっと少し楽になるかもしれないそうです。でも、お金が足りないから、寄付を集めているそうです。



母の話を聞いて僕は検診で成育に行く時には小銭を持って行きます。総合案内の横にある「くるくるコイン」に募金をするためです。


2016-12-10-1.jpg

僕の他にももっと多くの人達が、母が言っていた「身近にある戦場」に気づいて、寄付をしてくれたらいいと思います。

コメント

非公開コメント