2014/02/18

小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その6」 「あなたを一人にしない」という対照的なアメリカの運動

小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その5」 一人になった退院の日 の続き

[『あなたを一人にしない』というアメリカのピンクリボン運動]

若年性乳がんになっちゃった!―ペコの闘病日記若年性乳がんになっちゃった!―ペコの闘病日記
(2011/02)
藤谷 ペコ

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ある時、アメリカのピンクリボン運動について書かれた新聞記事を読んだ。私は羨ましくなった。告知の時に、「あなたを一人にしない」と言って、かばんにたくさんの情報誌をつめて渡すそうだ。これは大切なことだと思う。なぜなら、がんに限らず深刻な病を抱えた患者にとって正しい情報は命と同じだからだ。


一方、日本のピンクリボン運動は、患者のための活動といえるだろうか。いつの間にか、検診の重要性を訴えるキャンペーンにすり替わっているように感じてしまう。


キャンペーン期間中、街には「早期」「検診」「安心」などの文字が書かれた広告が並ぶ。その後には「私はがんでなくてよかった」と続くのだろうか。もし私ががんを告知されたばかりの患者だったたら、いたたまれない。これでは検診で早期発見できたとしても、その人はかえって社会で孤立していくのではないだろうか。誰のために、何のためにある運動なのだろう。


かつて世間を震撼させた、新興宗教団体の霊感商法があった。なぜ被害者は簡単に騙されて大金を差し出すのかずっと疑問に思ってきた。しかし自分が超低出生体重児の親になった時、悲しいことに騙される側の心理も理解できるようになった。

◇  ◇  ◇
1999年12月1日 「法の華」一斉捜査が行われた日 日テレDON!一部引用

「最高ですかー?」
 
東京・渋谷の街頭で叫ぶ白装束の集団。彼らは宗教法人「法の華」の信者たち。「法の華」は、その教祖福永法源が詐欺容疑で逮捕されるまでどのような活動をしてきたのか。950億円ともいわれる被害はどのようにして生まれたのか。

1999年のきょう、12月1日は、「法の華」一斉捜査が行われた日。

■法の華の活動

<アンケートによる勧誘>
 法の華が出す本にはさまれたアンケートを出すと、福永法源の講演会に参加しないかという電話がかかってくる。これが法の華に信者をよびこむ手口である。

<ターゲットは120の病院>
 アンケートによる勧誘以外にも、あたかも病が治るような嘘を病院の周りで吹聴し、信者を呼び込んでいた。

◇  ◇  ◇

彼らがターゲットにしていたのはがんなどの重い病を抱えた患者さんや家族だったからだ。いつの時代でも騙す者の方が一枚も二枚も上手だ。大きな病院に潜り込んで患者さんを見つけるのは容易に違いない。その後をつけ、敷地を出た所で偶然を装い本を渡し勧誘したそうだ。病院側が気づいても敷地外であれば咎めることは難しい。何から何まで、すべては計算ずくだ。私は胸が痛んだ。
 

息子がNICUを退院する時に「私は一人になった」。そう思うのは私だけではないはずだ。実際にNICUから出た後、事件の被害者や加害者になった母親は少なくない。せめてアメリカのピンクリボン運動のように「あなたを一人にしない」という活動があったらと思うのだ。


〜ここまでは2012年に書いた手記。ここから先は今回私がつけたしたもの〜


乳がんの患者さんだったペコさんのブログから引用させていただく。ペコさんは生前ピンクリボン運動に苦言を呈しておられた。私も乳がん撲滅のセミヌード広告にはムカムカしてしまった。セミヌードはどう考えても乳がんの患者さんへの配慮が足らないだろう。


活動するタレントさんやスポンサーの皆さんは気づいておられるだろうか。患者さんから様々なものを搾取しておられることを。御自身の好感度をアップするために患者さんがいるのではないのだ。私はあのセミヌード写真騒動以来、ピンクリボンのマークが入った商品は買わないようになった。友人の医師がいうように、日本の患者会の活動が治療研究に結びつかないのは、「日本のピンクリボン運動」をよしと思ってしまう私達市民に問題があるのだと思っている。


夫は大切な研究者仲間を乳がんで失った時、私に言っていたよ。「乳がんは『早期治療できてよかった』というような簡単な病じゃないんだな」と。

◇  ◇  ◇
若年性乳がんになっちゃった! 「治るのに」はどれだけ危険か

乳がん検診の際に「治るのに。」というポスターを見て検査して、
ステージ1で手術したら「治った!」って思っちゃうじゃないですか~。(中略)

何と、「ごく早期」の条件で計算しているにも関わらず、
10年で10%以上再発すると出ました(;・∀・)
思った以上に再発率が高くて私も((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルです。

これでも、「治るのに。」というポスターを
都の施設に貼ることができるのでしょうか?
95%が治癒します、って言えるのでしょうか?
その言葉を信じて、でも再発してしまった人に対しての配慮はないのでしょうか?

再発だって「早期発見、早期診断、早期治療」が必要なのに、
どうして「既に罹患してしまった人」には情報を提供しないのですか?

治療方法や日々の生活のヒントを提供するだけで、
「乳がんになっても、仮に再発してしまっても、
治療をしながら、長い時間、今までと同じ生活を維持できる」ということを
アピールできるのに、なぜそういう方向に向かわないのでしょうか?

◇  ◇  ◇


そしてもう一つ、腫瘍内科医の勝俣範之先生の記事から一部引用させていただく。私がインタビューに答えたのは2010年だった。この手記を書いたのは2012年だ。こうした意見が腫瘍内科医から出てくることはとても嬉しい。少しずつ啓発キャンペーンも変わっていくのだろうか。そうであるといいなぁ、と思う。ペコさんが天国で喜んでくれれば私も嬉しいんだけれど。


◇  ◇  ◇
ピンクリボンキャンペーンに思う-勝俣範之 投稿日: 2013年09月27日 12時20分 ハフィントンポスト日本版 より一部引用

海外のピンクリボンキャンペーンは、「乳がんに対して理解を深める」というキャンペーンであり、あまり「検診」について強調されていません。また、キャン ペーンで得られた寄付金は、乳がんの治療研究に主に使われます。「海外では検診は既に普及しているので、検診を訴える必要がないからだ」とお叱りを受けそ うですが、もちろん、日本では検診がすすんでいないので、まずは、検診を広めることが大事であると思います。


では、「検診を広めるためにはどうすればよいか?」、考えてみたいと思います。現在、日本で行われている検診を広めようという運動は、ほぼ啓蒙活動のみです。国民への啓蒙が一番大事なのでしょうか?確かに啓蒙は大事です。どのピンクリボンキャンペーンを見ても、「検診に行きましょう!」と皆が口々に唱えて います。


日本のピンクリボンキャンペーンが盛んになってきたのは、2000年代に入ってからです。2000年(平成12年)10月に「あけぼの会」が東京 タワーをピンク色にライトアップしたことがきっかけと言われています。その運動の規模は年を追うごとに急拡大しており、りそな銀行、アストラゼネカ、アテニア化粧品、エイボン・プロダクツ、東京海上日動あんしん生命、ワコール、オーティコンなど、協賛する企業、市民団体は多数存在するようになり、大変な盛り上がりを見せています。企業もキャンペーンを奨めることにより、イメージアップを図ることができるので、企業宣伝にもつなげられるということなのでしょうか。


では、その結果、検診を受ける人が飛躍的に増えたのでしょうか?乳がん検診率を見てみると、2006年から、2010年までに、13.41%から、22.86%と確かに増えてはいますが、目標とするがん検診50%以上までにはほど遠い状況です。

◇  ◇  ◇


続きはこちら↓

小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その7」 二度の救急搬送と赤ちゃんパンダの死因・・・



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