2017/01/26

私のブログの原点 「Ashley事件から生命倫理を考える」 医療不信を生み出すもの

●トランプ大統領はワクチンに懐疑的 ワクチン諮問委トップにケネディ元大統領の甥

トランプ新大統領はワクチンに懐疑的で知られていた。就任後、どうなるのか気になってニュースをチェックしていたら、1月 11日のロイターに、ワクチン諮問委トップにケネディ元大統領の甥という見出しを見つけた。

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ワクチン諮問委トップにケネディ元大統領の甥、トランプ氏が要請 ロイター 2017年 01月 11日

[シカゴ 10日 ロイター] - 暗殺された故ジョン・F・ケネディ元米大統領のおい、ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が10日、トランプ次期大統領の要請に基き、ワクチンの安全性を再検証する諮問委員会を率いることに同意したと明らかにした。

同氏は環境活動を手掛ける弁護士で、ワクチンに懐疑的な立場をとっている。このためワクチンの専門家らは、同氏が率いる諮問委の設置により、小児期のワクチン接種と自閉症に関連性があるとする説に信ぴょう性を与えてしまう恐れがあるとして強く批判している。

この説は1998年に医学誌ランセットに掲載されたが、その後に間違いと判明。ランセットは掲載を撤回し、後に多数の研究でワクチンの安全性が確認されている。

ケネディ氏は、ニューヨークでトランプ氏と会談した後、記者団に「トランプ次期大統領はワクチン政策に疑問を持っている」と語った。

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●FBIにCDCアメリカ疾病管理予防センターを捜査するように命じた?

さらに昨日トランプ氏が、FBIにCDCアメリカ疾病管理予防センターを捜査させたという情報をtwitterで見つけた。本当なんだろうか?


トランプは月曜日に、ワクチンと自閉症の因果関係を隠蔽しているとして、FBIにCDCアメリカ疾病管理予防センターを捜査するように命じました。

(※ 追記 ↑上記はフェイクニュースとの情報がありました)


●アメリカ国民の怒り 薬剤コストの削減は、昨年の大統領選の争点だった

もっとも、今はCDCだろうとどこにでも、メガ・ファーマ (Mega Pharma) の資金が多かれ少なかれ流入していると言われている。アメリカ国民は、私以上に怒りがあったのだろう。製薬業はアメリカを支える重要な産業にも拘わらず、薬剤コストの削減は、昨年の大統領選の争点にもなっていたからだ。トランプ氏とクリントン氏のどちらが当選しても、製薬業への締め付けは厳しくなると予想されていた。

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【米大統領選】クリントンvsトランプ、どちらが勝っても製薬業界は締め付けられる AnswersNews 製薬業界で話題のニュースがよくわかる 2016/06/22

トランプ氏 共和党としては異例の主張、クリントン氏はさらに強硬姿勢

共和党にとって製薬業界は主要な支持基盤の一つですので、共和党候補が薬剤コストの削減を訴えるのは異例です。トランプ氏は「製薬産業は民間部門だが、製薬企業は公共サービスを提供している」と主張。議会に対しても「特別な利害関係から離れ、アメリカにとって正しいことをする勇気が必要だ」と迫っています。

広告宣伝費の控除廃止、薬剤費の自己負担に上限

クリントン氏はさらに強硬な態度をとっており、製薬企業に対し、過剰な利益を得ることやマーケティングに多額の費用を投じるのをやめるよう要求。消費者向けの直接広告をやめるよう求め、製薬企業の広告宣伝費に対する税額控除を廃止する考えを示しています。

さらに、後発医薬品やバイオシミラーが早期に市場参入することを可能にすることで、市場競争を促す考えも表明。健康保険の加入者が負担する処方薬の費用に、月額250ドルの上限を設ける案も明らかにしています。

「いずれの政権下でも製薬企業は敗者に」

こうして見てみると、どちらが大統領に就任しても、製薬業界への圧力は強まりそうです。米「U.Sニューズ&ワールド・レポート」誌は、「製薬企業は、いずれの政権下でも敗者となる可能性がある」とする投資顧問会社のコメントを紹介する記事を掲載。米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、「クリントン氏の提案は、イノベーションの時計を元に戻すだろう」との声明を発表するなど、反発も広がっています。

クリントン氏、トランプ氏ともに、薬価の吊り上げを行う製薬企業に不信感を持っていることは確かでしょう。一方で、製薬業界に対する国民の批判を取り込んで支持を広げたいとの思惑も見え隠れしており、どの程度の実現性があるのかは、なかなか見通せません。

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トランプ氏が本当にCDCに捜査を命じたのなら、成り行きが非常に気になる。怪しい材料を見つけようと思えば見つけられるんじゃないのかな・・・。もしも必要なワクチンまでストップがかかったら、肺が弱い超低出生体重児はどうなるんだろう?


● 「Ashley事件から生命倫理を考える」が警鐘を鳴らしていた世界に、私はいつのまにか迷いこんでいた


ところで私のブログのテーマの1つは、メガ・ファーマの巧妙なマーケティング戦略だ。


私が尊敬しているブロガーに、児玉真美さんという方がいる。私がブログをはじめるずっと前から「Ashley事件から生命倫理を考える」を開設していらした。児玉さん御自身が障害を抱えたお子さんのお母様だ。親という立場から「Ashley事件」を扱うのはかなりの労力が必要だっただろう。ブログを開設した2007年頃から、当事者としての問題提起だけでなく、メガ・ファーマのプロモーションについても海外の記事を引用し、警鐘を鳴らしていた。

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児玉真美 | 著者 | SYNODOS -シノドス

児玉真美(こだま・まみ)ライター

1956年生まれ。京都大学文学部卒。カンザス大学教育学部でマスター・オブ・アーツ取得。2006年7月より月刊「介護保険情報」に「世界の介護と医療の情報を読む」を連載中。2007年5月よりブログ「Ashley事件から生命倫理を考える」を開設。著書に『私は私らしい障害児の親でいい』(ぶどう社・1998)、『アシュリー事件~メディカルコントロールと新・優生思想の時代』(生活書院・2011)、『新版 海のいる風景』(生活書院・2012)。「現代思想」2012年6月号「『ポスト・ヒポクラテス医療』が向かう先~カトリーナ“安楽死”事件・“死の自己決定権”・“無益な治療”論に“時代の力動”を探る」。

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私も児玉さんのように、給食アレルギー事故という社会問題から、患者会などの啓発活動に疑問を持つようになった。しかし児玉さんは私とは全くスケールが違う。京大卒の才媛ということもあるし、教員という経歴も関係するだろう。その批判は筋が通っていて鋭い刃物のようだ。


そういえば「子宮頸がんワクチン事件」の著者であるジャーナリストの斎藤貴男さんにお目にかかった時に、取材をはじめたきっかけの1つは児玉さんのブログだったと教えてくれた。


トランプ氏の就任演説をみて、久しぶりに児玉さんのブログを読み返している。振り返ってみると、私は、児玉さんが警鐘を鳴らしていた世界に、いつのまにか迷いこんでしまったみたい。


【児玉さんのブログ記事】
「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました 2010/7/5(月)  「Ashley事件から生命倫理を考える」

「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の影には、やっぱりゲイツ財団が…… 2009/11/20(金) 「Ashley事件から生命倫理を考える」

【私が書いた記事】
HPVワクチン『ロビー活動』から『薬害裁判』へ 市民を利用し『社会運動』をしてきたのは誰なのか? その1 


それにしても、事実は小説の上を行く。まさかトランプ氏のような方が、支持を集めるなんて思いもしなかった・・・。


先日NHKの新会長に経営委員の上田良一氏が選出されたという報道があった。上田氏は就任の挨拶で「公平公正、不偏不党貫く」とおっしゃっていた。こういう取材をする公共放送の記者さんには、児玉さんの「Ashley事件から生命倫理を考える」を読んでいただきたい。


私がブログをはじめた本当の理由 クローズアップ現代『“副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~』をみて その1


日本でも同じ現象が起きるかもしれないからね。

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