2017/02/15

ある裁判の傍聴 傍聴者が笑いをこらえる裁判にビックリ

2017年2月13日、『子宮頸がんワクチン訴訟』が、東京地裁で本格的にはじまった。





報道によれば、訴えられた製薬企業は「情報は適宜適切に提供してきた」と争う姿勢を見せたそうだ。『適宜適切』なんてよくいうなぁ。プロのロビイストが暗躍したり、影でいろいろしてきたのに。私も騙された一人だと思っている。例えばこの有名な女優の仁科亜季子さん親娘が、子宮頸がんの検診を呼びかけるCM。





震災直後、あまりにも盛んに流されたため、CMを製作したACジャパンには苦情が集中。ACは謝罪したほどだ。あの時は「仁科さん親娘は悪くないのに」と世間は同情的だったが、後にプロのロビイストやPR会社が関与していたことが明らかになっている。


●これは単なる啓発ではなく製薬企業の広告?どうして製薬企業の名前が書いてあるんだろう?


私が疑いはじめたのは、ちょうど5年前の今頃だった。押し入れを整理していて、偶然出てきたロハス・メディカル(主に首都圏の基幹病院に置かれている医療系のフリーペーパー)を手に取った時だった。


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周産期医療をテーマに医療関係者や患者家族のインタビューを収めた『救児の人々』という本の広告のすぐ横に、子宮頸がんの啓発広告がある。よくみると、ただの啓発ではないようだ。小さな文字でグラクソスミスクラインという外資系製薬企業の名前が書かれているからだ。もしかしたら子宮頸がんワクチンの『広告』じゃないのかーーーーー


これが始まりだった。


●裁判官の心証は関係ない?


昨日、『子宮頸がんワクチン訴訟』とは別の裁判を傍聴するため、東京地裁に行った。


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私の関心は、HPVワクチンを普及させるためのメディア戦略やプロモーションにある。どこからどこまでがメディア戦略なのかがどうしても知りたい。私は、昨日の裁判はまさに、メディア戦略が争点になっていると考えている。


そのため、昨年から傍聴を続けてきた。情報を収集するときには自分で確かめないとわからないことがたくさんあるからだ。実際に傍聴し、この裁判はその典型だと感じた。被告や被告側の弁護士の印象は、FBやツイッター、メディアを通して伝えられることと、ずいぶん違うようだ。


特徴的なのは、被告側の弁護士の主張がかなり変わっていること。少し離れた傍聴席からも、裁判長が驚いているのが手に取るようにわかるほどだ。


被告側の印象を一言でいうなら「私たちは正しいんだから、裁判官の心証なんてどうでもいい。私たちの正しさを理解しようとしないあなた達や社会が悪い」という感じ。


裁判長は、進学校の生徒会長のような知的で、穏やかな感じの男性。その人が被告側の弁護士の主張に「えっ!」というような顔をして、何度か同じ質問をする。呆れながらも、感情を出さないように注意しながら、諭すように納得させようとしている。


●裁判官も大変だなぁ


被告側と裁判長のやり取りをみているうちに、ある光景が浮かんだ。


息子に勉強を教えている私の姿。


「いい!英語は日本語とは違うの!主語が3人称単数現在の時には、動詞に『s』をつけないとダメなの!」

息子 「僕、『3人称』がまだよくわからないよ」

「なに〜!今頃そんなこと言ってるの!私とあなた以外、彼女や彼、彼ら。犬やバス、学校も『3人称』っていうんだよ。単数は、1人や1つしかないこと!いいかげん覚えなさい!」



「キレちゃダメ!」と自分に言い聞かせながら、何度も何度も繰り返し教えないといけない。でも教えても、教えても、息子は忘れるーーーああ、嫌になっちゃうなぁ〜。


私には見学する人なんていないけれど、裁判所はそうはいかない。裁判長も、私と同じなんだなぁ、と親しみを感じた。


それにしても冷静でいなければならない裁判官が「えっ!」という顔をして驚く姿はおかしい。裁判長の横に座っている若い男性(裁判官?)は明らかにイライラしているようだ。


私は笑を堪えるのに必死だったけれど、他の傍聴者も失笑していた。


こんなに笑える裁判ははじめてだ!

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