2014/02/19

超低出生体重児と虐待

※ (2018.6) アクセスが集中しているので、続きを書きました
超低出生体重児の退院後の支援と訴訟リスク 『医療観察法国賠訴訟』を傍聴しに東京地裁へ

成育の『育児心理科』は、なぜ『ベゲタミン』や『エリミン』を外来患者に処方できたのか? 私の副作用報告を握り潰したのは誰なのか? その1

超低出生体重児の就学(教育)問題  『障害名』をつけるのは最後の手段にするべき 教育問題は、教育の専門家で議論して欲しい その1

超低出生体重児と虐待 『東京・目黒区、5歳の女児の虐待』というニュースをみて

超低出生体重児と虐待 超低出生体重児はすべての家庭に育てられるのか? 

超低出生体重児と虐待 元主治医、成育の初代育児心理科医長は国の専門委員だった!? 前編

超出生体重児の長期予後 親の経済力は子どもの学力だけでなく、健康も左右するのでは?

超低出生体重児と虐待 成育の奥山眞紀子氏は、虐待防止のためにこれまで何をしてきたのか? 前編

超低出生体重児と虐待  ”保育器にいた時間が長いから愛情が薄くなる”のエビデンスはあるのか?

超低出生体重児と虐待 私が警察と連携した方が良いと思う理由 あなたには『偽善』が見抜けますか? 前編


今日は手記をお休みして書いた理由について触れてみたいと思う。どうして手記を書いたのか大まかな理由だ。


ブラックジャックによろしく 3ブラックジャックによろしく 3
(2013/02/28)
佐藤 秀峰

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内容紹介

「NICU、そこでは正義と現実が命を巡ってせめぎあう。」

病院に戻ってきた斉藤を待ち受けていたのは、
同僚の医師たちからの冷たい視線だった。
そんな中、新生児集中治療室(NICU:別名ベビーER)での研修が始まる。
わずか900gで生まれた双子の未熟児を担当する斉藤が目にしたもの。

それは、不妊治療、未熟児医療、障害、追い詰められていく両親・・・
新生児科医の日常は、医者と両親の苦悩と矛盾の日々だった。
社会的大反響を巻き起こす衝撃の医療ドラマ第3巻。
[開業医の誇り編]、[ベビーER編①]を収録!

「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰/漫画 on Web




超低出生体重児の母親は、虐待するリスクが高くなると言われている。「言われている」というのは一体どのような調査が行われ、そうされているのかがよくわからないからだ。


医療従事者による報告書なら沢山あるが、調査対象が誰なのかがはっきりしないのだ。福島県のサイトに虐待を予防するための支援について書かれている。これがよくある考え方なのだ。



(3) 虐待を予防するために ハイリスク児への支援 福島県

ハイリスク児への支援

虐待の発生には、子ども自身の要因が関係している場合もあると考えられます。いわゆるハイリスク児と呼ばれるのは、次のような子どもたちのことです。


第一は、「手のかかる子」「育てにくい子」と言われる子どもです。子育てが大変なのは親のせいばかりではないことを明らかにし、親を責めないように配慮しながら周りで支えたり、市町村保健センターなどの身近な施設で助言を受けることを勧めてあげましょう。


第二は、未熟児(低体重児)です。未熟児で生まれると、数か月間は子どもだけ病院に入院して親子の生活ができません。我が子という実感が持てず、愛情を感じにくくなる場合もあります。また心身の成長への不安も大きいものです。入院中に親子関係を形成できるような援助が重要です。保健所では医療機関と連携し、入院中から未熟児の親子と関わっていきます。未熟児で出生した場合は保健所に相談するよう伝えましょう。


第三は、障害のある子どもです。子どもに障害がある場合、それを受容し、子どもと生きていく心構えが持てるようになることは大変なことで、時間がかかります。母親を支え、父親の理解を促す援助が必要になります。理解しがたい行動をする子どもと生活することで、いらだちや怒りが生じるとき、周囲の人が、揺れ動く親の気持ちをしっかり受け止めることが大切になります。家族、保健婦、地域の人々の応援が必要となります。


これらの条件を持った子どもは、虐待を受ける割合が高いと言われており、関係者からのよりきめの細かい支援が必要となります。




医療従事者が「お母さんがんばらなくてもいいですよ」というのは「母親を責めないため」とされているからだろう。しかし私はいつも疑問に思ってきた。


「昼間預かってあげるからちょっと息抜きでもしてきたらどうですか」などに続く言葉だったら「がんばらなくてもいいですよ」と言われても納得できるのだけど、と。「がんばらなくても」と言われても預ける人もいないわけだし・・・。


そして超低出生体重児が産まれると別々に暮らさなくてはいけないから、母として実感が持てない、だから母性が育たない、というのも私にはピンとこない。


私の場合は、愛情があろうとなかろうとわが子なら育てるのが親の責任だと思うからだ。いくら疲れたからと言って、子供を家に1人にして出かけたりしたら無責任だ。それぐらいの自覚はあるし、親になるとは自分のためだけに生きることじゃないと思っていた。


かわいいとかかわいくないなどと考えている余裕などなかったけれどなぁ。


「心身の成長が不安」とわかっているなら、正しい情報を教えてくれるといいんだけれど、NICUで働いたことがなければ小児科医だってよくわからない。かかりつけの先生はNICUのある基幹病院の元小児科医長だったけれど、それでも24週はよくわからないみたい。


市から派遣されてくる保健師さんには「勉強しにきた」と言われたよ。


これは2007年4月16日、NHKの福祉ネットワーク「超低出生体重児 母親の悩みにどう応えるか?」で放送された内容だ。


NHKの福祉ネットワーク「超低出生体重児 母親の悩みにどう応えるか?」

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かつては生まれてきた命が救えるかどうか危ぶまれたのですが、医学の進歩により、ここ10年ほどで超低出生体重児の約8割が助かるようになりました。


しかし、NICUを出ると超低出生体重児の親には大きな苦労が待ち受けています。思うように進まない成長、いつ病気になるかわからない不安。しかし、一般的な体重の赤ちゃんと違い、超低出生体重児のデータはまだ少なく、医師もこの先どのように成長するか見通しを示す事が出来ません。普通の子どもなら「ささやかなこと」で片付けられることも、「命にかかわること」になるのではと、気の休まるときはありません。




番組では超低出生体重児の男の子と女の子の双子の日常が紹介される。お母さんは女の子が食事を食べてくれないから大変そうだ。


酸素の管をのどに入れていた違和感からか、食べ物をほとんど口にしようとしないのだ。調理師の免許を持つお母さんは料理の工夫を重ねる。この日は沢山の野菜を細かく刻んでハンバーグに混ぜている。しかしいくらがんばっても食べてくれるのは男の子だけ。女の子はいつも食事の途中で逃げ出してしまうのだ。


お母さんは食事のたびに格闘をしていて、毎食1時間半もかけていた。思うように進まない成長。いつ病気になるかわからない不安。2歳近くなる今でもお母さんは眠れない日々が続いている。手をあげたくなる衝動を抑えるためトイレに駆け込むこともあったそうだ。


この番組の最後は、ある病院の母親の会が出てきた。皆で育児の不安を話し合うことで解消するのだ。でもこの時私は思ったのだ。女の子はあのままでいいんだろうか。私にはお母さんががんばればがんばるほど、子供が食べないように思えてしまったからだ。


お母さん同士で話しあうとお母さんの不安は解消できるかもしれない。でも、「がんばっているよね。うちも食べてくれなかったんだよ〜。」となるだろう。それで本当にいいんだろうか。


その反対に「1時間半もかけて食べさせなくても大丈夫だよ〜」と言うお母さんもいるだろう。その場合も、栄養がとれない状態が長く続くのはいいのかわからない。


私が相談されたら無責任な返事はできないからなんて言っていいかわからないよ。母親の不安を解消することと、それが医学的に正しいかは必ずしも一致するとは限らないと思うのだ。


だからこの番組をみて、お母さんだけで集まって解決することに限界を感じた。超低出生体重児の健康と心にとって何がベストなのか、専門家を集めてもう少し考えていかないといけないんじゃないかと思ったのだ。


ダウン症のお子さんが身近にいる友人も「ダウン症といっても、体の状態もそれぞれ皆違うし、家庭環境も経済的な状態も違う。だから教育の考え方一つとっても、何をよしとするかは皆それぞれ違うよ」と言っていたよ。


給食アレルギー対策にもいえるんだけど、「これをしなさい」と上から通達を出しても現場はそれぞれ違う。医学的に正しい知識や情報は皆必要でも、支援とは一律でなく個別に行わないと「絵に描いた餅」なんじゃないだろうか・・・


ある政治家の方に「超低出生体重児を育てるのは大変だ。予算をつけてあげらえるかもしれないから、訴えてみて」とすすめていただいたことがあった。大変嬉しく有り難く思った。けれどその時思ったのだ。私のような母親に特別な予算が必要なんだろうかと。


私はちょっとしんどいけれど、まあがんばればなんとかなる。「ゆっくり育つ」と理解してもらえばそれでいい。だから一体何に予算をつけたらいいのかわからなくなった。予算を必要としているのは「がんばれない」「訴えることができない」お母さんじゃないだろうか。


そもそも、障害のある子供が産まれた時に、すべての家庭と親に育てられる経済的、精神的余裕があるんだろうか。私が「ブラックジャックによろしく」という漫画を読んで今ひとつ感情移入できなかったのは、新生児科医や看護師が障害のある子供を、とにかく受け入れされることが「善」だと信じているからだ。


すべてがそれで丸く収まるんだろうか、と思ってしまったのだ。


いくら一生懸命まわりが支えても、中には育てたくない、あるいは育てきれない親だっているんじゃないだろうか。例えば、肺が弱い超低出生体重児の親がタバコを吸っていたら子供がかわいそうだな、と私は思ってしまうのだ。


虐待するお母さんは病院のお話し会に参加するんだろうか・・・できないから虐待するんじゃないだろうか。


「きれい事だけでは命は守れない」という前提じゃないと私は虐待が防げるとは思えないのだ。


「女児かわいくない」と62度の熱湯かける 堺・虐待で母親 起訴 2010.6.1


大阪府堺市南区で4月、長女(1)が熱湯をかけられる虐待を受けたとされる事件で、傷害 容疑で逮捕された母親の無職、井上夢麻容疑者(23)が「未熟児で手がかかり、産後からかわいいと思えなかった」と供述していることが分かった。

井上容疑者が「シャワーのノブを最高温度に回して(熱湯を)かけた」と供述していることも 判明。給湯システムの性能から熱湯は約62度だったとみられる。堺支部は同日、傷害罪で 起訴した。

起訴状によると、井上被告は4月9日午後8時半ごろ、府営住宅の自宅浴室で、長女の尻や右太ももにシャワーで熱湯をかけ、皮膚がめくれる重傷を負わせたとしている。




22歳母親、生後5カ月の乳児を虐待殺  2000.12.2

広島県警福山東署は2日、生後5カ月の長男に虐待を繰り返し死亡させたとして、同県福山市東深 津町6、主婦・合木春美容疑者(22)を傷害致死の疑いで逮捕。

合木容疑者は今年6月21日に殺害した長男を出産。未熟児だったため保育器で約3カ月間育てた後病院を退院したが、育児に疲れ、10月上旬ごろから龍太ちゃんの頭や体を平手でたたいたり板張りの床に落とすなどの虐待を繰り返し、今月1日、硬膜下血腫による水頭症で死亡させた疑い。合木容疑者は1日午後5時ごろ、長男が死亡していることに気付き119。搬送先のの病院が警察に通報 した。龍太ちゃんの胸腹部と背中には十数カ所の引っかき傷やつねった跡等、虐待の痕跡が見られた という。

容疑者は「子供が泣きやまず、夜も眠れなくていらいらが募って暴力を振るってしまった。かわいそうなことをした」と容疑を認めた。土木作業員の夫(22)と3人暮らしだが、夫は「別室で寝る などし、虐待は知らなかった」としている。

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