2017/04/13

『うつを治したければ医者を疑え! 』と小学生の摂食障害 摂食障害を回復させたもの 3

●以前と変わらない元気な姿に!


季節が変わり春がやってきた。


先日、バスから降りて歩道を歩いていると、私を呼び止める声がする。


振り向くと、友人が手を振っていた。「あっちを見て」と彼女が指差す方向をみると、お嬢さんがニコニコして立っていた。私は目を疑った。今までと変わらない姿だったからだ。


咄嗟のことで私は驚いて気の利いた言葉が出てこなかった。人間は心底嬉しかったり、悲しかったりすると言葉が出ないものだ。こうしてブログを書いている今になり、嬉しさがこみ上げてくる。


あとできいたらお嬢さんが通院したのは、やはりあの病院。私が本を渡したのは、この病院をよく知っていたからだ。一昨年、精神医療の人権問題を扱う団体が抗議声明を出したことをよく覚えていたのだ。


彼女が「通院しようか考えている」と言った時、私は正直に伝えた。「抗議声明が出た後、政治家の答弁に、『子供には、薬を使わないよう努力する』と答えたそうだけど、実際はどうだかわからないよ」


彼女は、その病院に行った時に、薬には抵抗があることや、入院はしなくないということをハッキリ伝えたそうだ。


●「入院させないで、本当にいいのか」と大きな議論に


彼女の方針に医師はかなり動揺したようだ。カンファレンスでも「入院させないで、このまま帰宅させて本当にいいのか」と大きな議論になったそうだ。


彼女は通院する以外にも、様々な努力をしていた。学校に通えないお嬢さんのために、フリースクールのような施設を探し送迎したり、食事に気をつけたり…いざとなったら「学校をやめさせる」とも言っていた。


●子供の摂食障害は社会の問題


お嬢さんが摂食障害になった理由、そして回復した理由を、私はいろいろ考えている。まだ小学生のお嬢さんが挫折感を感じた理由は、例えば過熱する中学受験などとも関係するのだろう。

◇  ◇  ◇
「稼げる大人」になる!? 過熱する受験競争 2017年2月15日 NHKクローズアップ現代

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スタイルアクト 沖有人代表取締役
「これは1都2県、小学校別の年収のランキングになります。」

2か月前に公表された、首都圏の公立小学校ごとのランキングです。国勢調査や住宅・土地統計調査の数字などを組み合わせて算出した推計値ですが、公表直後から、ネットなどで話題になっています。

スタイルアクト 沖有人代表取締役
「年収が高い人ほど親の学歴が高い。学歴が高い人ほど、教育熱心ということも分っていまして、直接的に小学校のレベル感を表している。」

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これは超低出生体重児の親が就学問題と悩む理由でもある。子供は大人や私たちの社会を写す鏡だもの。私は小学生や思春期の摂食障害もまた、社会の問題じゃないかと思う。


●一つの症例が出るまでには、様々な人たちの努力と連携があった


しかし、私たちの社会がそのような歪んだ一面を持っていても、彼女を回復させたのもまた私たちの社会であることを忘れてはいけない。


2010年3月の終わり、私は小さな新聞記事に掲載された、精神医療の裁判のニュースをみつけご遺族の男性に声をかけた。そして7月、その男性の手記を医療系メルマガに掲載していただくことに。それが、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏の目にとまり、翌年の10月、小学館のサピオで連載が始まった。フジテレビの『とくダネ!』もこの問題を放送してくれた。


はじめはネットで医療者や精神科ユーザーが一斉に反発したが、その頃から学会などで本格的に議論がはじまり、被害者団体ができ、様々な改善への働きかけがなされていった。



こちらは先月国が出した、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性についての注意喚起。元主治医には、症状が悪化するのは「あなたの人格の問題」「病気が悪化したせい」などと言われたが常用量でも依存することを国がついに認めてくれた!!

https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf
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彼女がお嬢さんを連れていった病院にも、人権団体や被害者団体、政治家の働きかけがあった。


私は友人のお嬢さんが元気になって本当に嬉しくて、伝えた。お嬢さんにいつか知って欲しいからだ。人は一人で生きているわけじゃない。症例発表される時には「回復した一例」かもしれないけれど、様々な立場の人たちが真剣に考え、連携し、改善した結果なのだ。何よりも、児童精神科医がとてもがんばってくれたみたいだし!


そのことを知って欲しい。

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