2017/04/17

超低出生体重児の育児とは、10年たたないと花が咲かない球根を育てるようなもの

●22~24週の超早産児、生存率が向上 神経発達障害の増加は見られず、米調査


先日、22~24週の超早産児の発達について、アメリカの調査結果が出たそうだ。神経発達障害の増加は見られないという。

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22~24週の超早産児、生存率が向上 神経発達障害の増加は見られず、米調査 2017年03月17日 06:00 公開 あなたの健康百科
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母親の胎内で37~42週を過ごし、正期といわれる週数で生まれてきた赤ちゃんでさえもその存在は小さく、頼りない。何らかの理由で妊娠22~24週の極めて早期に生まれた赤ちゃんは、なおさらだ。

22~24週で超早期に生まれてきた児はその後の生存が難しく、生存してもさまざまな神経発達障害が残る場合が多いというが、このたび、米国の研究グループらが2000~11年に米国の11施設で22~24週で出生した児4,000人超のデータを分析。

その結果、実際に産まれた日ではなく、出産予定日を基準にした月齢である修正月齢18~22カ月時における生存率が向上していただけでなく、神経発達障害を伴わずに生存している割合も増加していることが明らかになったと医学誌「New England Journal Medicine」(2017年2月16日オンライン版)に発表した。

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報道にあるように、22~24週の超早産児がどのように育つかは、まだわからない。しかし神経発達障害を伴わずに生存している割合も増加していることはわかってきているようだ。ということは「超低出生体重児は発達障害のリスクが高くなる」ということだって、まだわからないだろう。


●子供の人権に関わる問題は、みえるように議論して欲しい


私は国立成育医療研究センターに手紙を書いた時に、資料を添付した。


私と同じ超低出生体重児のお母さんの意見と、ある医師から送られてきたメールだ。私が喜ぶからという理由で「あなたのお子さんには、軽度の障害があるんじゃないですか?」と転送メールを送ってきた医師とのやりとりだ。


超低出生体重児のフォローアップ ある発達小児科医の転送メール 『専門家』の気遣いが、かえって私たちを追い込むこともある

超低出生体重児のフォローアップ 「あんまり間にうけなくていい」程度のことが、子どもの将来を決めてしまうかもしれない その2


メールに書かれている内容は、超低出生体重児の長期予後に関することだ。私は子供の人権に関わる議論は、皆にみえる形でするべきだと思う。


●毎日の努力の成果が、やっと現れはじめる


今年、息子のスキーはぐ〜んと上達した。夫が「あと数年すれば、1級もなんとかいけそうだ」と言ったので私はビックリした。上達するスピードが速くなっているからだ。スピードが上がっているのはスキーだけじゃない。数学や英語のテストの結果も、少しずつ良くなってきている。わからない問題は先生に自分から質問しに行き、諦めず最後までがんばろうとする。


夫は息子が小学生の頃から、学校に行く前のわずかな時間を使い、算数を教えてきた。「(15分から30分という短い時間だけれど)実はこれが効果があるんだよ。10年近くたってやっと効果が出てきたんだ」と言っていた。


NICUを退院後、不安で一杯の時、私が知りたかったのは、こういう情報だった。



そこで、これまで育ててきた「超低出生体重児の発達」のイメージを図で表現してみた。小さな段差の階段を、ゆっくりゆっくり登っていくようなものだと思う。


超低出生体重児の発達のイメージ
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先ほどの図に普通に産まれたお子さんの発達のイメージを重ねてみる。超低出生体重児の育児とは、10年たたないと花が咲かない球根を育てるようなもの。どんなに親ががんばって刺激を与えても、すぐには追いつかない。


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私が医師とのやり取りを添付した理由は、もう一つある。超低出生体重児の成長は、第二次性徴期に入ると変化をみせるからだ。図で表現するとこんな感じ。


第二次性徴期の発達のイメージ
「くやしい」「負けたくない」という気持ちが、「がんばろう」という意欲を引き出すようだ

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中学生になると人間関係がぐんと広がる。自我も芽生える。これまで皆の後からついていくのが当たり前だった息子が変わりはじめた。「勉強ができるようになりたい」と言うようになった。


●医師とのやり取りを添付した理由


この頃までに、親子の信頼関係できていると、少しくらい厳しい指導をしても結果が出せるようになる。例えば、教科書にない英単語を覚えたり、数学の発展問題も頑張ればできるようになる。


医師が転送メールを送ってきたのは、息子が小学生に入った頃だった。小学校の低学年はまだ先が長い。私たちは子供の「心」だって育てていかないといけない。だから私たちの心を折るようなことを言わないで欲しい。


超低出生体重児の成長は、刺激をとにかく与えればいいというものじゃないと思う。「療育先があればいい」という単純なものでもないだろう。夫はわずかな時間でも、毎日、息子がわかるまで根気強く教えてきた。どうしても理解させたい時には、遅刻させた。そこまでするのは夫自身が教員だからだ。学校を信用していないのではなく、今の教育の限界というか、学校の先生が、自分ほど丁寧な指導をしない(できない)ことを良く知っているのだ。


本当は、療育や教育の『質』だって大切なんだと思う。

コメント

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最近はコメントしていませんが、ブログは拝見しています。23週生まれの息子の入院が長期化し、毎日の面会も(付き添い入院ではないですが)疲れが溜まるようになってきました。なので、コメントしたいなと思いつつ、ブログを拝見するだけにしていました。
こちらのブログを見させて頂くと、本当に参考になります。
未熟児の発達や成長がゆっくりなところは、親が一番理解してあげないといけないんだなと思いました。でも未だに、周りと比べて焦る毎日ですが…。
うちの場合、呼吸器感染症で喘息様の症状が出やすく、体調の良い時がほとんどありません。
だから、いかに短時間で効果的なアプローチ(発達段階に沿った遊びなど)を出来るか考えています。
意味があるかは分からないですが、意識して遊んだりすることで、少しでも本人の成長に繋がって欲しいと考えています。
ゆっくりな成長に親が疲労困憊になる場合もあるでしょう。知っている理学療法士さんは、リハビリを受ける子どもの親は、理学療法士が言ったことで一喜一憂するため、言動には特に気をつけていると話していました。
それくらい、周りの言動は、未熟児を育てる親の原動力にもなり、逆に追い詰める要素にもなり得るなと感じました。
なかなか成長が見られない我が子にイライラしてしまったり、どう対応したらいいか迷う親もいるでしょう。でも、それを相談しても、発達障害では?とか様子を見ましょう。では何の解決にもならないです。
未熟児が増加しているなら、等しい療育や教育を受けれるように環境が整って欲しいですね…。

Re: タイトルなし

もりかさんこんにちは。もりかさんが下さったコメントを使わせていただいたので、お礼を言わないといけないと思っていました。いろいろと書き込んでくださってありがとうございました。たぶん、小児病棟のつきそいで毎日大変なんだろうな、と思っていました。

私も家に閉じこもりきりで、たまの外出は病院(発達検診)だけという日々が何年も続きました。でも、そこではいつも「遅れている」としか言われず、本当に気分が滅入りました。しかも3ヶ月程度の遅れなので療育などありません。ないとわかっているのだから「どこかでできないか一緒に考えましょう」なら行く意味があると思うのです。

でも、まるでマウスを観察しているようで、息子も、怯えて泣くようになりました。

息子が一歳ぐらいの頃、病院からアンケートが送られてきたので、回答とは別に、文書を作成し添付したんです。「家でできる療育のようなものを教えて欲しい」と書きました。一歳ぐらいの時期の療育は遊び程度のもの、ちょっとした工夫でいいんだそうです。夫がやっていたのは、息子のお気に入りのピーちゃん(ニワトリのぬいぐるみ)を、ほんの少し高い場所に置き、背伸びさせ取らせる、というようなものでした。これをほんの数回やらせるだけです。

それだけでも、不安でいっぱいの母親には何もしないよりは良いと思うので、何か紹介して欲しいと書いたのです。

結局返事も何もありませんでした。 病院が作成したアンケートには答えさせるのに、こちらが望むことには答えないって、どういうことなんでしょう。私たちの支援なんだなんて、おかしいと思います。

療育について、どうしてお願いしたかというと、その頃、同じ時期にNICUを退院したお子さんのお母さんがブログを書いていたんです。(今はありません)お子さんがちょうど一歳半ぐらいの時に「軽度の脳性麻痺」と診断されたんです。やっぱりその方も発達検診のあり方に疑問を持って、「診断が確定しないと療育先を紹介してもらえないけれど、施設が少ないから、今度はリハビリの予約を取るのが大変」と綴っていました。 評判の良い療育施設は、半年待ちなのは当たり前だそうです。

転送メールには診断名がつくと、ホッとする方もいるとありましたが、皆さんがホッとするわけではないと思います。そのお母さんのように「これまで何もしてあげられなかった」と自分を責めてしまう方だっているんですよね。 まして発達障害は、脳性麻痺とは違い、本当かどうかもわかりません。。

私は発達障害であろうとなかろうと、発達が遅れているのだから、皆で遊ぶような施設があればいいと思うのです。障害があるかないかというよりも「療育先がない」ということが問題のような気がします。だからあの時、国に不足しているんだと、提言だけでもしてくれればよかったのに、と、今でも思い出します。

これは私がブログに引用した「ルポ 児童虐待」 (朝日新書)一部です。双子の未熟児を育てる母親が、虐待事件を起こすまでが詳細に書かれています。はじめて読んだ時に「わかる」と思いました。息子が産まれたから何度も虐待事件がありましたが、変わったといえるのかな〜といつも思います。そろそろ具体策を考えた方がいいでしょうね。

http://sakura4747.blog.fc2.com/blog-entry-76.html

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第一章「殺人鬼」と呼ばれた夫婦 より一部引用

4歳ーー徐々に家に閉じこもり始める

この頃から洋子さんは家に閉じこもりがちになっていく。双子を連れて外に出るたびに「子どもさん、小さいね」と言われることが苦痛だった。佳奈ちゃんと陸君は生まれた頃からミルクをあまり飲まなかった。離乳食がはじまると洋子さんはできるだけ食材を細かくして食べさせようとした。それでも身長、体重はいつも標準以下だった。

・・・

検診や予防接種で病院に行くたびに「食が細くて食べてくれないんです」と医師にも相談した。「お母さん気にしすぎ。お母さんこんなに元気なんだから心配いりません。小さく生まれてきたんだから、ほかの子と比べちゃだめ」看護師はそういうけれど、洋子さんにとっては深刻な問題だった。
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