2017/04/28

超低出生体重児のキャッチアップ こども小説『ちびまるこちゃん』から新田次郎著『八甲田山死の彷徨』へ その1

●僕、新田次郎著『八甲田山死の彷徨』を読んでみたい

先日息子がお母さんの本を読みたいから貸してと私に言った。





私は耳を疑った。息子がせがんだのは新田次郎著『八甲田山死の彷徨』だからだ。


大人が読むような小説を読んでわかるの?どうしてまた『八甲田山死の彷徨』なの!?はじめは冗談かと思ったら、小説の内容に興味があるという。私は余計わからなくなった。なぜなら息子が私に「この本をどこかにしまって」とお願いしたからだ。


●後藤房之助伍長の銅像 発見された時は仮死状態


あれは2年前の春だった。私たち家族は青森県にある八甲田山へスキーに出かけた。


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八甲田山に出かけたのは2度目。1度目は息子がまだ幼稚園に通っていた頃だった。八甲田山ロープウェイの乗ってハイキングをした帰り、車で山の中を走っている時だ。小さな売店をたまたまみつけ立ち寄った。


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売店にはなぜか小さな資料館が併設されていた。私は案内板をみて驚いた。その売店がある場所は、小説や映画で有名な、あの『雪中行軍』の遭難者がはじめて発見された場所だったと記されていたからだ。



『雪中行軍』とは我が国の山岳遭難事故史上、最悪といわれる遭難事故だ。それまでほとんど興味のなかった『雪中行軍』に私が心を奪われたのは、その資料館で、生還した方がおられたことを知ったからだ。

◇  ◇  ◇
八甲田雪中行軍遭難事件 wikipedia
八甲田雪中行軍遭難事件(はっこうだせっちゅうこうぐんそうなんじけん)は、1902年(明治35年)1月に日本陸軍第8師団の歩兵第5連隊が青森市街から八甲田山の田代新湯に向かう雪中行軍の途中で遭難した事件。訓練への参加者210名中199名が死亡(うち6名は救出後死亡)するという日本の冬季軍事訓練における最も多くの死傷者が発生した事故であるとともに、近代の登山史における世界最大級の山岳遭難事故である。



八甲田山死の彷徨 wikipedia
『八甲田山死の彷徨』(はっこうださんしのほうこう)は、世界山岳史上最大とも言われる犠牲者が発生した、青森県八甲田山における山岳遭難事故(八甲田雪中行軍遭難事件)を題材として新田次郎が執筆した山岳小説である。1971年(昭和46年)9月、新潮社より書き下ろしで刊行された。1978年(昭和53年)2月、新潮文庫版が刊行された。1977年(昭和52年)、『八甲田山』のタイトルで映画化された(高倉健、三國連太郎、北大路欣也主演)。

◇  ◇  ◇

特に資料館の奥にある、兵士の銅像にまつわるエピソードには心を奪われた。よくある記念像ではない。


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猛吹雪の中、自ら目印となり、仲間のために立ち続けておられた後藤房之助伍長という実在の兵士の姿を再現したそうだ。発見された時には仮死状態だったという。


●雪中行軍 生と死を分けたものは何なのか?


雪中行軍は大勢の死亡者を出しているが、生と死を分けたものは何だったんだろう?夫もカナダ軍の施設にお世話になったことから興味を持ったようだ。


その資料館の方に、青森市内には『八甲田山雪中行軍遭難資料館』というもっと大きな資料館があると教えてもらった。


夫がもう一度八甲田山に行くと言った時に、私は行ってみたいと欲しいとお願いした。


幸畑墓苑・『八甲田山雪中行軍遭難資料館』 悲劇の記録 その1


●高倉健主演の映画『八甲田山』を息子にみせたら 「夜中にトイレに行くと怖いから本を隠して欲しい」


息子は資料館に行き、遭難事故があったことを知ったようだが、あまりピンときていないようだった。


ところが八甲田山から帰宅した翌日だった。夫が高倉健主演の映画『八甲田山』を皆でみようと言った。旅行の前にDVDを購入したそうだが、映画をみたら怖がるだろうと、帰宅してからみせようと思っていたそうだ。


息子は映画をみてはじめて、事故の全貌がわかったようだ。夫が心配した通り、怖くて一人で眠れないと半泣き状態になった。それどころか、私の『八甲田山死の彷徨』を指差し、「見えないところに隠して」とお願いする。夜中にトイレに行くと、本の表紙がどうしても目に入ってしまうそうだ。


私はがっかりした。


怖がるのは何も息子だけじゃない。『八甲田山』といえば『雪中行軍』といわれるぐらい有名だ。でも映画が公開された頃と今とでは、受け取る側の気持ちが少し違うようだ。今では息子のように怖がる人もいるからだ。私が事件をはじめて知ったのも確か『心霊スポット』特集だったと思う。


私は兵隊さんたちが気の毒になり、こう説得した。


「もし幽霊が本当にいたとしても、兵隊さんたちは好きで死んでいったわけじゃないよ。私たちを怖がらせるようなことをしないと思う。私は亡くなった人よりも、生きている人間のほうがよっぽど怖いと思う。育児心理科というところでびっくりするような経験をしたから、今は幽霊なんて怖くないよ」


しかし息子の怖いという気持ちはなくならないようだ。


仕方がないから押入れにしまうことに。


まあ、いまだに『ドラえもん』や『こども小説ちびまるこちゃん』が好きな息子に、いくら言っても通じないか…。


続く

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