2014/02/21

虐待事件 あと何人死んだら変わるのか

学校給食の食物アレルギー対策は再発防止に向け前進している。学校の先生方があれだけがんばっておられるのは、一人の命というものがいかに重いか、ということでもあるだろう。


翻って、NICUを退院して実の母親に虐待され死んでいった子ども達の命はどうなんだろう。何人も死んでいったはずだ。私は昨日学校から帰ってきて考えちゃったよ。「天国に届くといいなぁ」というのなら、そういう子ども達のことも忘れずにいないといけないんだよね。

◇  ◇  ◇
生後8か月の男児死亡、21歳の母親逮捕 MSNニュース

2014-2-21-1.jpg

おととし、800グラムで産まれた次男が
ミルクを飲んでも泣き止まず
イライラが募っていった
「『心肺停止』という救急隊員の声が聞こえました」

◇  ◇  ◇

またこんな事件があったんだと胸がつぶれる思いで見た。この子は何のために産まれてきたんだろうか。本当はアレルギー死亡事故のように、一つの命が失われた時に、様々な立場の人が集まって考えなくてはいけないはずなのに・・・。


事件化し、裁判になると議論が違う方向にいくようで。なぜなら母親には弁護士がつくけれど、この世を去った子どもにはいないからだ。本当はどんな思いでこの世を去っていったんだろうか。もし言葉が話せたら何を言いたかったんだろうか。


声なき声にこそ耳を傾けなければ、きっと変わっていかない。


この前参加した議員会館の集会で、薬害オンブズパースン会議の水口弁護士の話にはっとした。子どもは一人では生きていけないから母親を支援する、という考え方は間違ってはいない。でも、殺された子どもの人権は誰が守るんだろうかと考えたからだ。

◇  ◇  ◇
児童憲章 wikipediaから一部引用

児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。
児童は、よい環境の中で育てられる。

◇  ◇  ◇

子どもの人権については母子手帳にだって、産まれた病院のサイトにも書いてある。でも日本では、医療をはじめ福祉や教育において子どもの人権にきちんと向き合ってきたんだろうか。「親が同意しても、被害を受けるのは子どもなんです」という言葉が胸に突き刺さるのだ。同じことが「母親のケア」にも言えると思うからだ。


なぜなら、精神医療の被害者の中には、実の母親との関係に悩む子ども達が大勢いたからだ。自分は本当に精神疾患なのか、精神障害なのかと悩んでいたのだ。親が良いと思うことが、子どもにとって必ずしもベストという訳ではないだろう。

◇  ◇  ◇
【薬害オンブズパーソン:水口真寿美】 子宮頸がんワクチン副反応検討部会の根本的な問題点

2014-2-21-2.jpg

被害が出るのは親ではないです。
そのお子さん達です。


◇ 

大切な10代を、薬で失った ソーシャルワーカー現場へ行く から一部引用

20歳間近になって、本人自身が、私たちの相談機関をようやく探してやってきた。こんな不幸なことがあるだろうか。

教育現場よ。子どもたちを手におえないからと、安易に医療につなぎ、それで終了していませんか。結局は児童相談所や学校も、18歳になれば、学校なら卒業してしまえば、中退してしまえば、それで終わり。

そんな子たちが18歳たらずで、子どもの支援機関から放り出され、私たちのところに、症状や副作用が改善しないまま、先のことがまったくわからず、援助者もいないまま、苦しんで、続々とやってきていますよ。ほとんど社会経験や、人とのやりとりを経験しないまま。何も出来ずに、大人になってしまいましたよ。

◇  ◇  ◇

「育児に悩む母親をケアする」というけれど、社会的支援がそもそも足りない。社会の理解も足りない。普通の子どもしか育てたことがないお母さん達の輪には入っていけない母親は多いだろう。でも、同じような母親同士で集まっても・・・。超低出生体重児の育児の不安なんて大きくならないと解消しない。自分の子どもが元気に成長したからといって「大丈夫だよ」などと個人の経験で語ってはいけない部分もあるんだよ。


ある有名な患者団体の代表の方が私に言っていた。「患者は医師の前では、良く思われたいから演技をするもの」と。超低出生体重児の母親は医療者にはお世話にならないから、不満や不安が正直にはき出せなかったりするんだよ。


ある心の専門家と言い合いになったことがあった。「一日でいいから、1時間でもいいです。超低出生体重児を育ててみればわかりますよ。実際に育てたこともないのに、わかったように思われることが一番辛いのです。支援が子どものほうではなく、支援者の方を向いているから事件がなくならないのです」。その気持ちは今でも変わらない。


夫に「日本の支援というものは、支援者のためにあるみたいだね」と言ったら「そうだなぁ」と笑っていたよ。


◇  ◇  ◇
【三重】 四日市の乳児虐待に周囲気付かず 状況把握難しく 2014年2月7日 中日新聞


生後八カ月の次男に暴行し、けがを負わせたとして傷害の疑いで四日市市札場町の食品販売員中河加純容疑者(21)が六日に逮捕された事件は、家庭訪問していた市職員も周囲も虐待の兆候に気付かず、育児に悩む母親をケアする難しさを浮き彫りにした。


 市は二〇一二年十二月二十日以降、亡くなる二週間前の一三年三月十四日までに計三回、保健師の資格を持つ女性職員が中河容疑者方を訪問していた。訪問はそれぞれ一時間ほどで、中河容疑者から育児の悩みを聞いたり、次男の様子を確認したりしていたが、虐待の疑いはなかったという。


 市担当者は「母親から育児の悩みをもっと引き出せていたら、何か兆候を見つけられたかもしれない」と悔やむ。市は訪問記録を見直し、対応が適切だったか検証する。


 中河容疑者の近所の男性(63)は「亡くなる前、赤ちゃんが特別、大きな声で泣いていたという覚えもない」と振り返る。子どもがいる二十代の女性は「上の子を抱いているのを見かけたことはあるが、下の子がいたことは、亡くなったときに救急車が来て初めて知った。近所の若いお母さんの輪にも入っておらず、育児の悩みがあったのかもしれない」と話した。


 八〇〇グラムで生まれた次男は、生後すぐ新生児集中治療室(NICU)に入り、十二月ごろまで入院していた。県子ども虐待対策監の中山恵里子さんは「母親の不安解消という点でも、在宅移行への支援は必要」と語る。


 逮捕の数日前に警察からの連絡で知ったという県児童相談センター(津市)と北勢児童相談所(四日市市)は、事件の概要を調査して再発防止に役立てる。センター担当者は「こちらから戸別訪問することはなく、家庭や市役所などからの通報がないと虐待を把握できない」と話す。


(佐野周平、井口健太、安藤孝憲)


◇ 


ルポ 児童虐待 (朝日新書)ルポ 児童虐待 (朝日新書)
(2008/07/11)
朝日新聞 大阪本社編集局

商品詳細を見る


第一章「殺人鬼」と呼ばれた夫婦 より一部引用

未熟児の双子を懸命に育てる、いいお母さん

出産から半年後、夫婦は保健師の家庭訪問を受けた。保健師は双子の身長と体重を測り、育児についての考え方を聞いた。「おうちもきれいにしているし、子どもさんもちゃんと育っている。あなたいいお母さんね」保健師が再び訪問することはなかった。

4歳ーー徐々に家に閉じこもり始める

この頃から洋子さんは家に閉じこもりがちになっていく。双子を連れて外に出るたびに「子どもさん、小さいね」と言われることが苦痛だった。佳奈ちゃんと陸君は生まれた頃からミルクをあまり飲まなかった。離乳食がはじまると洋子さんはできるだけ食材を細かくして食べさせようとした。それでも身長、体重はいつも標準以下だった。

・・・

検診や予防接種で病院に行くたびに
「食が細くて食べてくれないんです」と医師にも相談した。
「お母さん気にしすぎ。お母さんこんなに元気なんだから心配いりません。小さく生まれてきたんだから、ほかの子と比べちゃだめ」
看護師はそういうけれど、洋子さんにとっては深刻な問題だった。

◇  ◇  ◇





斜体文

コメント

非公開コメント