2017/05/18

超低出生体重児のフォローアップと『八甲田山死の彷徨』 私が抱えてきた不満 

●育児ブログにしなかった理由 専門家に考えて欲しいから

このブログは、「超低出生体重児」のいくつかの関連検索ワードで検索すると、(例えば「超低出生体重児 虐待」「超低出生体重児 フォローアップ」「超低出生体重児 就学」)上位に表示される。


私のブログが上位に表示されるのは、超低出生体重児の退院後の支援のあり方に疑問を持つ人たちが少なからずいるからだと思っている。


もともと私が育児ブログではなく、こういう形(社会問題を取り上げる)にしたのは、専門家だという人たちに考えて欲しいからだった。


先週、息子の『八甲田山死の彷徨』(新田次郎著)の感想文が完成した。


昨年の夏休みの人権作文はほとんど私が書いた。あの頃は作文を書く力がなかったからだ。ところが1年も経たないうちに息子は『八甲田山死の彷徨』を自分から読みたいと言い出し、その感想を原稿用紙二枚にまとめた。母親の私も想像できない成長だ。


●『八甲田山死の彷徨』のストーリーは、超低出生体重児の退院後の支援に似ている…

連休中、家族で久しぶりに映画をみた。私は『八甲田山死の彷徨』のストーリーが、なんだか超低出生体重児の退院後の支援に似ていると思ってしまった。





●高倉健さん(徳島大尉) 上官に「生きて帰って来れないだろうから 自ら志願した若い兵士を集めたのです」と言い返す

『八甲田山死の彷徨』は、1902年( 明治35年)に実際におきた、世界山岳史上最大といわれる事故を元にした小説だ。映画では、高倉健さん演じる徳島大尉の31連隊と、北大路欣也さんが演じる神田大尉の第5連隊の2部隊が、競い合いながら冬の八甲田山を目指す。


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小説や映画が多くの人たちの心を捉えたのは、この2部隊が、対照的な運命をたどるからだ。


高倉健さん演じる徳島大尉は時間をかけて綿密な調査を行い、死者が出ることも覚悟し準備をすすめた。地元出身者を中心とした少数精鋭で隊を編成し、現地の方に案内人を頼み、無理な移動ははじめから予定していなかった。映画の中で、「どうしてこんなに少ない人数なんだ?これでは中隊どころか小隊ともいえないじゃないか!」と上官に厳しく問われると、「生きて帰って来れないだろうから 自ら志願した若い兵士を集めたのです」と堂々と言い返す。


一方北大路欣也さんが演じる神田大尉は総勢210名という大部隊を率いた。大量の食料などの荷物をソリに乗せ、運搬するという計画だった。スキーに行ったことが一度でもあれば、この計画の無謀さがわかるだろう。ただ北大路欣也さん(神田大尉)もそれほど愚かな指揮官ではなかったようだ。高倉健さん(徳島大尉)と同じように下調べもしたし、現地の案内人も頼む予定だったが、彼は上官に立ち向かえなかった。「日本軍たるもの、民間人の力など必要ない!」と却下されてしまうのだ。


◇  ◇  ◇ 
幸畑墓苑・『八甲田山雪中行軍遭難資料館』 悲劇の記録 その3

二隊のルート


青森第5連隊行軍経路(神文吉大尉 遭難) 

弘前第31連隊行軍経路(福島泰蔵大尉 無事帰還)


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第五連隊は八甲田山の北側を南下して田代新湯に向かう一泊行軍、第三十一連隊は弘前から十和田湖の南湖畔をかすめながら三本木(現・十和田市)に出て、さらに西進北上して八甲田山(田代方面)を声、青森に出た後に弘前へ戻るという、十一泊の長距離行軍でした。


二隊の編成の違い



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(無事帰還した弘前第31連隊)
◇  ◇  ◇

これは高倉健さん(徳島大尉)が上官に、冬の八甲田の厳しさを訴えるセリフだ。


調査をすればするほど恐ろしい。日本海と太平洋の風が直接ぶつかり、冬の山岳としてはこれ以上はいない、最悪な地帯です。おそらく今後、30年、50年、いや、100年経っても、冬の八甲田はがんとして人を阻み、通ることを許さないかと思います。


私が、この映画が超低出生体重児の退院後の支援に似ていると思ったのは、このセリフだった。「(24週以下の)超低出生体重児の長期予後について、調べれば調べるほど恐ろしい」と言い換えることもできると思うからだ。先日紹介した「早産・低出生体重児のより良い発達を支援するために」を読んだら、そんな感じがした。


●違うと思うことには、違うと言いたい!

でも超低出生体重児がどのように成長するかは、まだわからない。いくら大勢の人たちが集まって支援を考えても、それが正しいとは限らないのだ。リーダーである専門家が道を迷ったら、多くの母子が遭難するだろう。


私は高倉健さんのように相手が専門家でも違うと思ったら違うと言いたい。これからも少数(精鋭)でがんばろうと思う。

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