2017/05/30

超低出生体重児の長期予後 微細運動や認知面での遅れは改善しないのか?

●中学3年生の超低出生体重児が書いた作文

少し古いけれど「超低出生体重児の長期予後 : 神経心理学的所見と神経学的微徴候」という報告書を読んだ。その中に気になる記述を見つけた。「超低出生体重児に限っては,幼児期早期の粗大運動の遅れはCatChupしうるが,逆に幼児期後期に微細運動の遅れや認知面での遅れや偏りがめだってくるような印象を受けた」と書いてあったのだ。


そこで今回、息子が『八甲田山死の彷徨』(新田次郎著)を読んで書いた作文を公開しようと思う。上記の「微細運動や認知面での遅れ」を、どのように改善したらいいのか、の1つの解決策になると思うからだ。


超低出生体重児のキャッチアップ こども小説『ちびまるこちゃん』から新田次郎著『八甲田山死の彷徨』へ その1

(私が添削した箇所を青字にしてあります)
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ただ公開するにあたり、私ははじめて悩んだ。


最近ブログへのアクセス数が急増しているからだ。息子のプライバシーを考えると公開することがいいことなのか即決できなかった。でも私たちはフォローアップで嫌な思いをしてきた。それを改善して欲しいと訴えれば、一度もあったことのない新生児科医師や小児科医にまで「障害があるんじゃないか」と言われ議論にすらならない。(そもそも、学会など公な場で議題として取り上げてももらえない!)


●長期予後の調査はそのほとんどが100人以下を対象とした小規模な調査 


私が受け入れることができなかったのは、今までの早期介入と早期支援が「善」だとされてきた「根拠」がよくわからないからだ。


超低出生体重児の長期予後に関する研究報告のほとんどは100人以下を対象とした小規模な調査。こちらの「エビデンスレベル分類・推奨グレード分類」という解説をみればわかるように、レベル1の規模に匹敵する報告はほとんどみたことがない。その上「それぞれの医療機関で行われる治療も同じではない。若干の違いがある」と教えてもらったことがある。


エビデンスレベル分類・推奨グレード分類
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小保方さんの研究への批判をみればわかるように、人々の関心の高い分野では同業者からの批判は当たり前だ。ところがこの分野では、研究のあり方そのものを問う、内向きの批判がほとんどなされてこなかったようだ。超低出生体重児自身が声をあげることがほぼ不可能ということもなんだか腑に落ちないし、納得できない。


いろいろな疑問はつきないが、とにかく私にはこれぐらいの根拠で「障害」だとはとても思えない。逆に「子どもの人生を、これだけの脆弱な根拠で決めていいのか」と疑問を持ち続けてきたよ。


ハイリスクフォローアップ研究研究会 第38回研究会 低出生体重児の発達フォローにおける発達行動観察ポイント
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このまま何も言わなければきっと改善されないだろう。


●思春期になって、つぶれてしまう子どももいるのでは?

息子が自分の力で完成させたこの作文は超低出生体重児の長期予後を考える上で、おそらく一石を投じるんじゃないだろうか?


専門家は早くから訓練をした方がいいというけれど、もしも子どもが思春期になった時に、疲れて息切れしたり、親に反発して親子の仲が上手くいかなくなったらどうするの?


子どもが自分ですすんでやりたいと言いだしたら、あっという間に取り戻せる『遅れ』もあるんだよ。もっと長期的な目で支援を考えて欲しい。



(昨年10月頃のテストの答案の文字)
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(現在の数学のノートの文字)
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●専門家でも「わからない」なら「わからない」と言うべき 中途ハンパなアドバイスなら、ないほうが良い

最後に、これだけはどうしても言いたい!


私は「発達アンバランス状況をいわゆる発達障害」だとする医療者の意見には大反対!!逆に、息子のような可能性を奪うこともあると思うからだ。


だってあの時、「軽度の学習障害」ということをすんなり受け入れたとして、じゃあ、どんな支援をしてくれたのだろう?


専門家のアドバイスって「毎日本を読み聞かせましょう」とか、「日記をつけましょう」とか、当たり障りのないことばかりじゃない。作文とは関係なくても、こうやって、小さい頃からスキーに連れて行き、


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手つかずの大自然に触れ合ったりしているから、雪中行軍遭難事件に興味を持ち、本を読み、みんなに教えてあげたいと思うようになったのだ。

(アメリカのヨセミテでとったクマと鹿の写真)
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専門家でも「わからない」なら「わからない」と言うべきだし、中途ハンパなアドバイスなら、はじめからないほうがいい。

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