2017/06/02

奥山眞紀子医師の講演をきいて 子どもの自立と自己決定権

●「私の患者データを、研究に使わないで」という書類に泣く泣くサインする

昨日までは私が「母親のこころのケア」とかフォローアップが信用できないし、嫌いになった理由について書いてきた。

あの後も、国立成育医療研究センターにカルテと診療記録の開示請求をしたし、「私患者個人のデータを、研究に使用しない欲しい」という念書にサインもした。


●分母が少ないから、誰のことかわかってしまう

なぜなら、社会学の学会で、私の被害事例を発表したジェンダーの研究者もおっしゃっいたが、私だと思われる患者のデータが、元主治医である育児心理科の医長名の論文に使用されているからだ。いくら個人のプライバシーに配慮したといっても、いかんせん分母が少ない研究だ。自分のデータが使われているんだろう、とわかってしまうのだ。


そもそも治療に同意したわけでもないのに私はなぜか「精神疾患」にされ、おかしいと声をあげたら「精神障害」扱いされてしまった。これ以上、私に不利な内容のものを発表されたら困るというか、もう黙っていられない!という感じだった。

(※ 月刊『母子保健』2008年1月号 「年頭座談会 妊娠中からはじめる母親のメンタルサポート」 ネットで不特定多数に向けて公開されていました)
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成育にはお世話になったと思っていたし、私たちを救命してもらった時に、莫大な公費が投入されているはず。私個人の患者のデータといえども、私だけのものでもない。できるなら医療の発展のために利用して欲しいと思っていた。


なんでこうなっちゃうんだろう。。


こんなトホホな理由でやめて欲しいとお願いする日が来るとは夢にも思わなかった。


さんざん悩んで出した結論だった。


●「不同意」する理由を説明したら、担当者の男性が絶句

ただ成育の担当者の方にはとても驚かれた。電話をかけて「不同意のサインをしたいから、書類を送付してください」とお願いしたら「何のことでしょうか?」という感じだった。(当時は成育のサイトで書類をダウンロードできなかった)


はじめは「えぇぇ〜不同意なんてきいたことはないです。そんな書類もないですよ」というので、「そんなことはありません。成育のサイトに書いてあるんですよ」と説明書きを電話口で朗読したら、担当者の男性は固まってしまった。今までそんなお願いする患者がいなかったからだろう。


でも私が育児心理科で嫌な目にあったんだと理由を説明したら「あぁ」と納得してくれたようだ。


そりゃそうだろう…何しろ答申書が3つもあるんだから。


2009年に要望書を出した時に、素早く対応していてくれていたら、と思わずにいられなかった。


まあ、でも、成育は官僚組織だ。きっと変わりたくても変われないだろう、と半ば諦めていた。


●奥山眞紀子医師は、私が思ってきたような悪いことをしている人なのか

ところが昨年の6月だった。ある日、成育から電話がかかってきた。


第3次救急から電話があると、私は緊張する。


「お子さんの容態が悪化したからすぐに来てください」というように、悪いことがあるに決まっているからだ。


ところがお話を伺うとワークショップのお誘いだった。


それだけでもびっくりだけれど、当日参加してもっと驚いたことがある。


プログラムにはあの、私の『天敵』のような奥山眞紀子医師(特命副院長 こころの診療部部長)の講演会があったからだ。(失礼を承知で書かせていただきました)


私は奥山医師のお名前を拝見しただけで、嫌な記憶が蘇る。正直、逃げ出したくなった。「トラウマ」とか「ケア」「心理」「精神」「こころ」という言葉じたい、私の心が拒否反応を示す。文字だけでも私にはトラウマだからだ。


でもせっかく外来の看護師さんたちが準備したワークショップだ。それに本当に悪いことをしているのか、この目で確かめないことには決め付けてはいけないと思い直し、講演会場に足を踏み入れた。


講演がはじまると私は引き込まれていった。


私が子どもを育てる上で、一番大切にしてきた「子どもをいかに自立させるか」ということがテーマだったからだ。


それに奥山医師は、具体的な症例を出して「このお子さんの場合はうつじゃないんですね」「子どものうつの診断は慎重にみていかないとわからないんです。若い医師や、経験不足だとそれがわからないみたいですね」などとおっしゃっていて、「なんでも発達障害」とは違うようだ。精神疾患などの診断は慎重にという姿勢のようで非常に好感が持てた。


その上、最後のスライドをみた時には目が点になってしまった。まるで私のことかと思ったからだ。


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●我が国の小児医療は大きく変わろうとしている

そうか、私にはわからないだけで、私が出した要望書などはちゃんと活かされているんじゃないかと思ったからだ。少なくともそう思える内容だった。


時代は、子どもをいかに自立させるかに移っているから、子どもの自己決定権を尊重しようという方向ができている。


今までブログを読んだくださった方は私がこころの専門家が大嫌いだと思っているかもしれないけれど、この日の奥山氏の講演はとても良かった。



我が国の小児医療は転換期のようだ。時代は大きく変わりつつある。

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