2017/06/13

超低出生体重児の長期予後 専門家の「『ちょっと気になるところ』に就学前に気づいてあげて必要な介入をしていくことが大切」を検証する

●専門家のアドバイスは本当に正しいのか?

先日ブログで公開した息子(中学3年生)の書いた作文の下書きを公開する。超低出生体重児の長期予後を解明する上で、貴重な記録になると思うからだ。


超低出生体重児のキャッチアップ こども小説『ちびまるこちゃん』から新田次郎著『八甲田山死の彷徨』へ その1

超低出生体重児の長期予後 微細運動や認知面での遅れは改善しないのか?


最後に2009年12月31日に私に送られてきたある新生児科医師からのメール(ある大学病院の発達小児科医の意見を転送)を再掲する。2つを読み比べてみて欲しい。


先日、息子が産まれた国立成育医療研究センターに手紙を書いたけれど、本心をいえば、もうあまり誰にも期待していない。この転送メールが突然送られてきた時に、 周産期医療の専門家を信じる気持ちがなくなってしまったからだ。変えて欲しいというよりも、無理に私たちを発達検診(フォローアップ)に行かせるようなことをしないで欲しい!!


●常に「正常」と比較されることが、子どもに良い影響を与えるのか?

そもそも私は発達検診(フォローアップ)に疑問を感じてきた。


小さく産まれたのは子どものせいではないし、すぐに追いつくはずもないのに、発達検診では「発達指数」で判断しようとするからだ。常に「正常」と比較されることが、子どもの心理形成に良い影響を与えるとも思えなかった。


今の時代に未熟児で産まれると本当に大変だ。


少し勉強ができないと「発達障害かもしれない」ーーーー
少し引っ込み思案だと「発達障害かもしれない」ーーーー


私が未熟児だったら「好きで小さく産まれたんじゃないんだから、いいかげんにしてよ!」と思うだろう!未熟児にも自己決定権があるはずなのに、ほとんど議論されていない。


私は発達検診のあり方がおかしいと思ってきたから、あれからずっと子どもの勉強をみてきたのだ。


ここにきて少しずつ結果が出てきた。ある程度、私の予想は当たっていたんじゃないかと思う。


まだ理解していない子どもに必要なのは、たくさんの問題を解くことでもなく、まして「暗記」で計算をすることでもない。一番必要なのは理解できるまでの時間。できない箇所を、できるまで何度も繰り返し、宿題を減らしてもらうなどの工夫こそが必要だ。


超低出生体重児の就学問題 算数の教え方と教員削減 「待つ時間」も大切です

超低出生体重児(未熟児)の就学問題 「10歳の壁」を乗り越える方法 その1


私が特に配慮が必要だと感じたのは幼稚園から小学校、小学校から中学校のように次のステップに進む時だった。生活に慣れるまで時間がかかるからだ。精神的な負担を減らすためにも、この時期は勉強のことは後まわしにしてもいいと思う。


私が塾を辞めさせたのも同じような理由からだった。塾への行き帰りの時間がもったいないと思ったからだ。中学生になれば部活もあるから疲れている。学校から帰って、それから塾となると帰宅は11時頃になってしまう。私が勉強をみれば、そのぶん早く寝られると思ったのだ。


●夏休みが10日だけの学校も!子どもを取り巻く環境が劇的に変化しているのに…

私たちの子ども時代に比べ、社会は劇的に変化している。例えば、今の子どもたちの夏休みはどんどん短くなっている。中には夏休みが10日間だけの学校もあるらしい…。その一方で宿題が増え、代行業者が話題になったりしている。


◇  ◇  ◇
なぜ夏休み“短縮化”?10日間の学校も 日本テレビ 6/7(水) 18:46配信

2017-6-13-1.png
小学6年生
毎年夏休みには家族でキャップに行ったりするので楽しみです

2017-6-13-2.png
小学6年生
夏休みが少し減っているので少しショック

2017-6-13-0.png
大分県市立金池小学校の校長先生
「文部科学省で決めた年間の総授業数を確保するための一つの方法というふうに理解しています」

◇  ◇  ◇

●私がずっと言いたかった言葉 『余計な御世話なんです』

これだけ子どもを取り巻く環境が変化しているのに、子ども「だけ」をみるっておかしくないの?


専門家は子どものために「早期発見・早期支援」が必要で「(発達障害という)レッテル貼り」をしたいわけじゃいないという。でもこのメールと作文の下書きを読み比べて、どう感じるだろう?少なくともこの医師のアドバイスは息子には役に立たなかった。私には「早期発見・早期支援」とは、「成績至上主義」みたいな価値観で子供を「異常」「正常」と振り分けているように思えるな。


メールが送られてきた時、本当は言いたくてたまらなかった一言があった。


あれから長い月日が経ち息子も成長した。ようやくこの一言が言える。


「余計な御世話なんです」という言葉だ。


◇  ◇  ◇ 
2009年12月31日にある新生児科医師から送られてきた転送メール

超低出生体重児のフォローアップ ある発達小児科医の転送メール 『専門家』の気遣いが、かえって私たちを追い込むこともある

(※青は、私の書いた手記の引用)
●●大学発達小児科の●●です。
(中略)
転載いただいた記事、普通見逃しやすい乳児胆石をものの数時間で診断できてしまうレベルの高さに感心したりついつい全部読んでしまいました。正書に載っている「NICU退院後の問題点」を読むのも大事ですがたったひとりの事例を具体的に読む方がよほど勉強になる面もありますよね。
 
私自身は今はNICU児には気管切開(〜人工呼吸)の児を在宅管理に持っていくというくらいしか関わってませんが、このメルマガで問題提起されている療育を含めた医療、福祉、教育の人的資源の不足感は私が関わっている小児神経学の領域でも私の地域では同じ問題点を感じています。 小児神経疾患であろうとNICU退院児であろうとその子が関わってくる医療福祉教育はその地域に共通のものなので。


手先の不器用さ、運動能力、読み書きなどには、若干の遅れがありました。特に困るのは、算数の授業です。数の概念が十分に身についておらず、一桁の計算がまだ完全ではありません。それに加え、日本語の理解不足から、言葉で説明している問題の意味が、よくわからない時があります。


この子はおそらく軽いLDなど発達障害が隠れているかも、と感じます。そういう子であれば、必要に応じて特別支援学級を利用していく手もありですが診断名がついてないと学校側はなかなか動かないですし、学校の先生ももしかするとそうした必要性を感じながら、「病院に行ってみて」と告知するタイミングを見計らっているのかもしれませんし、個人では必要と感じながらも予算や人的資源不足の関係で導入できない場合もあると思います。 


低学年の頃は「困り感」が目立たなくて高学年になってから支援が必要になる子もいますし。しかしすでにこの子は学習面で困っているようなので支援が必要な事例かもしれませんね。


発育発達検診へ行くのをやめました。体を大きく丈夫にすることを第一に考える私の方針と、問題点ばかりを指摘する担当医師の方針には、隔たりがあったからです。


このように、健診に行くのをやめた、というショッキングなことも書いてあります。そしてその理由にも反省させられました。果たして今まで自分はどうだったのか、と。健診に行かなくなったのも、学校でのもしかすると必要かもしれない支援の開始を遅らせている一因となっているのでしょうか。NICUを退院した一見問題ないように見える児の「ちょっと気になるところ」に就学前に気づいてあげて必要な介入をしていくことが大事だとこれを読んで思いを新たにしました。
◇  ◇  ◇ 

2017年5月 中学3年生になった息子が書いた作文の下書き原稿 (※ 原稿用紙のサイズは160㎜×240㎜。わかりやすいように、すぐ下に私がワードで打ち直したPDFを並べました。青文字は私が添削した箇所です)
2017-6-12-1.png
2017-6-12-2.png
2017-5-30-5.png

コメント

非公開コメント