2017/06/19

超低出生体重児の長期予後を決めるもの 親の経済力や学歴は関係しないのか

●子どもが健やかに育つには何が必要か

国立成育医療研究センターのチームがまとめた「乳幼児死亡率」の調査結果がYahoo!ニュースに掲載された。

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乳幼児死亡率、地域差が拡大=背景に貧困か―成育医療センター 6/19(月) 4:18配信 Yahoo!ニュース
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5歳未満の乳幼児が死亡する確率を都道府県ごとに調べたところ、2000年代に入って地域間の格差が拡大しているとの分析結果を国立成育医療研究センターのチームがまとめた。

医療体制に大きな地域差はないとみられ、背景には貧困などの社会問題がある可能性が考えられるという。研究チームは1899~2014年の人口動態統計を用いて、乳幼児の死亡率と都道府県格差を分析した。研究チームによると、5歳未満の死亡率は戦後下がり続けており、14年時点で出生1000人当たり2.9人だった。

一方、都道府県格差を表す指数は戦後、医療体制が良くなった都市部などと他の地域との差が開いて大きくなった。格差がない状態をゼロとすると、指数は1962年に最大の0.027になったが、61年の国民皆保険制度実現で全国の医療レベルが向上したことを背景に、その後縮小した。しかし2000年代に入ると再び拡大に転じ、14年には0.013になった。

14年の死亡率が高かったのは、栃木(出生1000人に4.7人)、鳥取(同4.6人)、徳島(同4人)、高知(同)など。都道府県の順位は毎年入れ替わるが、比較的高い死亡率が続く県もあった。

同センターの森臨太郎政策科学研究部長は「死亡率は低いが、格差は日本が先進国でなかった時代の値に近づきつつある」と指摘。医療そのものの差は小さく、貧困や自治体による支援策の違いなどが影響している可能性もあるとみて分析を進めている。 

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私にとったら、今頃『貧困』だなんて遅いなぁ、という感じだけれど、コメント欄には、「これだけじゃ、何が言いたいのかわからない」という意見が並んでいる。

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貧困の結果何が足りなくなって子供が死ぬのか?肝心な事が書いてない。何の意味もない記事だ。


死亡率の高い県に栃木と徳島がある一方で、低い県に群馬と香川がある。地域格差?貧困?群馬と栃木、香川と徳島でそんなに差があるのか。自治体のやる気格差だろう。背景に政治的貧困と言うなら否定しない。


困窮ってそもそも何?最近、無職の夫婦または、内縁の夫婦が、子供を犠牲にする事案が、目立つかが、その事を、死亡率と結んでいないよな?詳しく書いていないからよくわからんが?
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先日公開された成育のプレスリリースではこの調査の狙いや今後の課題について触れていた。Yahoo!ニュースは素早く情報を行き渡らせるのに役立つ反面、文字数が限られているから誤解を招く原因にもなっている気がする。

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子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性 国立成育医療研究センター

この研究成果をもとに、今後は、子どもの健康格差が本当に拡大しているのかを別の視点から検証するとともに、格差拡大が起こっている場合には、その要因について更なる研究が必要であると考えられます。
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●超低出世体重児の長期予後と親の学歴

とは言え私も、超低出生体重児の親にならなければこのニュースの裏側に隠されている深刻さがわからなかっただろう。


簡単に言えば「子どもは一人では生きて行けない」ということだと思う。子どもの健康は、育てる親の経済状態や健康状態などに左右されるということだ。


例えば私は大学を卒業しているがこのことも、息子のような超低出世体重児の予後に関係するかもしれないと夫は言っている。



なぜなら24週以下で産まれた未熟児は算数や国語が苦手な傾向にあるが、どのように育つかわかっていないため、教育支援が充実していないからだ。息子の場合本当に遅れがわずかで支援がない。


仕方がないから我が家では、私が勉強をみている。最近、確かに夫のいうとおりかもしれないと思う。


例えば英語。中学一年生の頃ならば誰にでも教えられると思うが、中学2年の2学期を過ぎれば教科書も長文になる。今年の都立高校の入試には、4ページの長文が出題されたそうだ。入試に向けた勉強となると、夫の言う「大学を卒業した人じゃないと教えるのは難しいだろう」は正しいように思う。


ただ例え両親が大卒であっても、仕事で忙しければ勉強など教えられないだろう。


●超低出生体重児と発達障害 「発達障害が多い」と結論付けるのは時期尚早 別の角度からの検証が必要

私が超低出生体重児の長期予後の研究報告を今ひとつ信頼できないのは、研究者が親の経済力や学歴に言及するのを避けているように思えるからだった。医療関係者にとったら一種のタブーなんだろうか?


そもそも超低出生体重児がどのように生まれてきたか(不妊治療を受けたかどうかなど)の情報も足りないと思うけれど、なんでこれだけの情報から「超低出生体重児には発達障害(特にASDが注目されている)が多いようだ」と結論付けようとするのが不思議でならない。先天性のものだとされているASDが、成長とともに改善されるのなら、もともと別の理由で発達が遅れているのかもしれない。似ているけれど原因が違っていたらどうするんだろう?子どもの一生が関係するんだから、成育のプレスリリースに書いてあったように別の角度からの検証も必要だろう。

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ハイリスク児フォローアップ研究会第38回勉強会で発表された発達行動観察ポイント
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まぁ、10年ほど前まで主流だった、育児支援が足りないことを「母親の心の問題」にすり替える考え方(支援)が、今度は、子どもの「発達障害」に置き換えられたような気もする。


●命を救命してもらっても、生きていけない

Yahoo!ニュースのコメントでは「これだけじゃ何が言いたいのかわからない」と書いてあるので以前いただいたメールの文章を少し変えて掲載しよう。子育てにあまり関心のない方にも届くかもしれないから。


私が、日本の周産期医療は一度立ち止まるべきだと考えるようになったのはこのような悲痛な患者家族の声が埋もれているからだ。


●納税者への説明責任もあるのでは?

これから日本は厳しい時代を迎える。当事者だけでなく税金を納める納税者の視点だって大切だ。だから本格的な厳しさが直撃する前に、きちんと大規模な調査し、その結果を私たち国民に公開するべきだと思う。子どもがどこでどんな治療を受けてきたのか、どんな風に育っているのか。命を救命されて困っている人がいるなら、社会に知らせることを恐れてはいけないと思う。すぐには改善できないなら、これから出産を考える若い世代が「選択」できるようにするべきだし、困っている人たちには逆に、知らせることが支援に繋がるんだから。


(※ メールをくださったのは、沖縄の離島に住む方でした。お子さんは、息子と同じような超低出生体重児で産まれましたが、超低出生体重児にはつきもののある症状が進行し障害が残ったそうです)

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私は沖縄の離島にすんでいます。沖縄にはもともと●症の専門医が少ないそうです。

子供の主治医は、子供の容態の説明もあまりしない人で、一方的に話し、こちらの話も聞き入れない人でした。

主治医からの細かい説明はありませんでした。いまだにどうして●がこんなに悪くなってしまったのか、対応にすごく疑問があります。

最近は私もショックで外も出られなくなりました、環境が悪い職場で働いていたのでこのまま退職になりそうです。夫は非正規社員でこのままでは生活できなくなるので、団地を応募しています。

家を持ちたいという夢は一辺しました。

こちらのブログを読んで同意することがあります。

すべて読んだわけではないのですが、超低体重出生児の項目です。

すべての超低体重出生児を育てられるわけではないという事です。

「子供を産んだら全てそれは親の責任」というのはやっぱりおかしいと思います。

酷だけどいのちの選択をする権利があってもいいのではと思いました。

離島に住んでいる私たちにとっては検査をしに行くのにも治療をするのにも大きな負担です。

たくさんの事を諦めなくてはいけません。

今の医療にものすごく疑問を感じています。

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コメント

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お久しぶりです。
出生病院では長期のリハビリが出来ないため、昨日、発達総合療育センターと併設するリハビリ病院を受診してきました。初めてお会いする小児科の先生でした。
第一印象はあまり…で、こんなものなのかぁ、という感じ。
療育手帳の話をしたら、1歳8カ月でこの状況なら手帳取れますね、と。それを肯定されるとなんだか落ち込みますが…。
療育手帳を使える制度を説明したかったのか?、先生がやたらショートステイの説明をするので、ショートステイさせた方がいいんですか?と聞いてしまいました。お父さんお母さんが何かあった時、体調が悪い時とかサッと預かってもらえますよ、と言われました。

(23週で生まれて)ここまで大きくなって、薬もこれだけしか飲んでないなんて、すごいですね、もっとたくさんの薬を飲んでいる方もいますよ、と。
フォローの言葉が薬の量ってなんだよ、と正直思ってしまいましたが、重症心身障がいなどの方もたくさんおられ、比較的に医療ケアの少ない我が子に対してのフォローの言葉だったのか?と色々考えました。

その病院へは3カ月に1回、リハビリへは2週間に1回行く予定ですが、リハビリ希望の曜日・時間から大体の担当PTが決まるようです。
電車や徒歩で1時間ちょっとかけて、その施設まで行くんですが、なんだか不安になってきました。
時間をかけてリハビリ施設まで通うのも、私にとっては結構負担です。
私が人混みでパニック発作が出るので(症状は軽くなりましたが)、電車は本当に気合いが入ります。
PTさんは知識の差?分野の違い?なのか結構求めているリハビリと違う場合もあります。
だから、長時間かけて必死にリハビリに行って、本当に効果?というかメリットの方が大きいのか?不安になりました。

初診の患者への問診もあり、首すわり何カ月、喃語何カ月…とか発達の経過を書くところがあり、なんだかまた落ち込みました。
普通に問診だから書くんでしょうけど、発達を気にする親としては現実を突きつけられたようで…。

出生病院にて発達外来を受けている小児科医の先生の方が、まだマシ…というかNICUでの治療も行ってもらっていた先生だから、まだ信頼感はある、と感じました。
最近、発達外来で診てもらったとき、息子の担当医は、最終地点が大事ですよ!と励ましてくれました。
化膿性股関節炎など予期せぬ問題もあり、未熟児に加え、たくさんの超えなければならない山があります。

私が諦めちゃだめなんだ!と必死に耐えています。
子どもの長期予後にはたくさんのものが関わっていると思います。親の子育て意識も学歴や知識から変化すると思います。
カンガルーケアの大切さを知っているか?子どもの発達に関心があるか?子どもの異常を早期に発見できるか?etc
やっぱり知識がなくて気付けないこともあります。
知識があるからこそ出来るアプローチもあると思います。

Re: タイトルなし

もりかさん、お久しぶりです。

最近、思うのですが、
ある程度成長してみないとわからない部分があると思うのです。

息子に行政の支援はありませんが、
夫も専門家の一人ですから
療育をやってきたと言えると思います。

超低出生体重児の幼い頃の成長は、確かに発達障害にすごく似ていると思います。ハイリスク児フォローアップ研究会で専門家があげていた「発達障害」の特徴に、ほとんど当てはまってしまいます。
発達が遅れているお子さんの中には、発達障害のお子さんもいることでしょう。私もそう思います。

ただ、息子のように、徐々に症状が消えていく子どもがいるのも事実です。症状が薄まると言うか、消えることを、「訓練の成果」や「効果」と言うのは、ちょっと違うと思います。そうではなくて、そもそも「障害」ではないんだと思います。

それから、実は私はカンガルーケアがあまり好きではありませんでした。

行動するのは好きなんですが(論文などを読んで、実際に良いと思う民間の訓練の教育施設などを見学するなど)カンガルーケアは最後まで好きになれませんでした。抱いていると子供が苦しそうな感じがして、ちっとも落ち着けませんでした。実際に、事故もあるようですし。

一方夫はカンガルーケアが大好きでした。仕事で帰宅する前に、夜でも病院に寄ってさせていただいたほどです。

「カンガルーケア」が子どもの成長に良かったと言えるのか、最近二人で話すのですが結局「よく分からない」という結論になりました。

それが正解なのかもしれません。

(これは私の考えなので、聞き流してください)
未熟児の長期予後についてですが、そもそも育児や教育にエビデンスがどこまで必要なのかという問題があります。
育ててみないと「障害」かどうかわからないのなら、
友人の医師が言うように、子どもの一生に関わる問題でもあるので、
「障害名をつけるのは最後の手段」にしたほうがいいんじゃないかと思います。

ところが今の専門家の考えでは、なるべく早く「障害」を見つけ出し、
訓練しないといけないという感じです。

この前、知り合いのお嬢さんが学校で暴れて、手を焼いたご両親が強制入院させてしまいました。訓練、訓練となると、将来、彼女にようになるかもしれません。親子関係がここまでこじれると、そう簡単には元に戻れません。今、彼女のようなお子さんは触れているそうです。

先が長いのですから、一番大切なのは、本当は親の心を折らないことや、親子の関係を壊さないことだと思います。必ずグレーゾーンがありますから、今の専門家の考え方はちょっと怖いです。

なぜなら、早期介入の不都合なこともあるんです。もしも障害じゃない場合、例えば、進学する時に、選択の幅が狭くなってしまうこともあるからです。特別支援学級や支援級も地域によってそれぞれで、本当は計算を教えてもらえばできるのに、絵本を読むだけの授業しかない、という場合もあるそうです。

人は必ず間違えますから、最悪の場合をあらかじめ想定しできるだけ回避したほうがいいでしょう。

何れにしても、専門家が集まる勉強会や学会に、当事者がほとんどいないのは問題だと思います。できれば、実際に未熟児を育てたことがある教育の専門家や、法律の専門家がいたらいいと思います。小児がんの場合には、そういう専門家が入って議論しているので羨ましいです。