2014/02/25

薬害オンブズパースン会議の記者会見を見て考える 日本の小児医療に足りないもの

薬害オンブズパースン会議がワクチン接種の中止を要望した。記者会見をみてはじめて知ったことがある。子宮頸がん予防ワクチン被害が社会問題化した原因は、厚労省が疫学調査を軽視してきからだそうだ。そもそも副作用を収集するシステムがないし、副反応は必ずでるとわかっているのに、これまで治療など全く考えてこなかったそうだ。


2月24日14時から、IWJCh4で中継された「HPVワクチンに関する厚労省審議会の検討結果を批判する意見書の公表」

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夜、意見書の内容について放送した報道ステーション

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国立精神・神経医療研究センター病院小児神経科部長
「私が診せて頂いた患者さんは
完全に治った人は誰もいない」



超低出生体重児の発達に関して、科学的に正しい情報はどうして出てこないんだとずっと不思議だった。例えば息子の総胆管結石という病気、実は同じ病院で産まれた超低出生体重児のお子さんもなったのだ。その他にも同様の症例をブログで見たことがある。だから科学的な分析のために、長期にわたるきちんとした調査報告をしないといけないんじゃないかと思っていたが・・・。


そもそも疫学調査という発想が厚労省にはないのか。


夫の知り合いには、お年寄りの健康について、長期にわたってデータを収集し分析している新開先生がいらっしゃる。だから子供にも当たり前に行われているのかと勘違いしていた。


「小児には可能性がある」と友人の小児科医に教えてもらった。しかし最近、小児がんでは晩期合併症が問題になっている。私は晩期合併症を扱った番組を見た時、立ち上がれないほどショックを受けて泣いたよ。超低出生体重児の母親は指針となるものがないから悩んでいる。超低出生体重児にも、そろそろきちんとした追跡調査が必要じゃないんだろうか。


お笑い芸人にまでなってがんばったのに、絶望し自ら命を絶った上野さん、どこか実の親に虐待され亡くなっていった子ども達とも重なって見える・・・。でも、実の親に殺されるんだから、上野さんのお父様のようなことを言ってはくれないよね。だから私は「お母さんが虐待する気持ちもわかる」だけじゃ子ども達が不憫でならないのだ。


がんをはじめとする、小児の深刻な病は、もっと社会で支えないといけないんじゃないのかな。もちろん重い食物アレルギーも副反応被害も一緒だと思う。


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晩期合併症に苦しみ自ら命を絶った正人さん
「僕は夢を追ったら必ず病気が襲ってくる」
お父さんの言葉
「産まれてきてよかったと思ったことが
なかったんじゃないのかな」



小児がん 新たなリスク クローズアップ現代

推計10万人といわれる小児がん経験者。厚生労働省が行った初の調査で、およそ半数が晩期合併症に苦しんでいる事が分かった。しかし、日本には、そうした患者を、医療的にフォローしていく態勢はない

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晩期合併症(Late effects)と長期フォローアップ 小児がん情報ステーション

晩期合併症(Late effects)とは?

がんに対する治療が終了して、数か月、あるいは数年が経過してから生じる健康上の問題を晩期合併症と呼びます。英語での「late effects」という表現が、晩期障害と和訳されることもあります。

なぜ、治療から長い時間が経過した後に合併症を生じるのでしょうか?

小児がんに対する治療はがん細胞だけでなく健康な細胞にも影響を与えます。化学療法や放射線照射による健康な細胞へのダメージが、症状につながり、合併症を生じる時期は治療中、治療直後だけでなく、長い時間の経過後であることもあります。晩期合併症の種類、リスクは、治療内容(薬剤などの種類、量、投与方法)、治療が行われた年齢などにより異なります。


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記者会見の内容を文字おこしし、記録を残しておく。


※文字おこしをするにあたり、薬害オンブズパースン会議の意見書「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)に関する厚生労働省の審議結果批判-接種の積極的勧奨の再開に強く反対する-」を参考にさせていただいた。


こちらは記者会見を中継したWJのオープンコンテンツ。


2014/02/24 子宮頸がんワクチン「いまだ有用だと判断できる情報が存在しない」~厚労省検討部会の判断を弁護士らが厳しく批判


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子宮頸がんワクチンは勧奨を再開すべきでない。医薬品には、有用性を示す科学的根拠が必要。安全性は予防原則によって判断しなければならない。有効性は科学的根拠が必要であるが、有効性を判断できるほどの証拠が存在しない。これでは患者の自己決定権を保障できるはずがない。定期接種にすべきでないワクチンだ。ごく一部の使いたい人のため、中止ではなく定期接種からはずせばいい。


氷山の一角というべき情報をもとに全体を論じ、疫学調査せず、接種との因果関係を否定したり、仮説を検討したりしている。


被害者が「こうなったのはワクチンのせいでなく、もともと精神病だったから」というように(医師から)言われている。しかし(6か月間で被害者49人の診察し、CRPSとの関連などを報告した)信州大学の池田修一氏も、「さすがに全部を心身のせいというのはおかしいんじゃないか」と言っていた。


スモンが「(整腸剤キノホルムによる)薬害である」というメカニズムを証明するには、被害がではじめた時点では難しかった。しかし、薬をやめたら症状がなくなった。薬害とは、薬を使われなくなると、立証されるということがほとんどだ。(被害者の訴えを)「心身の反応」とまとめるのは乱暴だ。


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朝日新聞掲載「キーワード」の解説 スモン

整腸剤のキノホルムが原因の薬害病で、足のしびれなどの症状から始まり、重症になると両足が完全にまひし、視力障害なども引き起こす。当時の厚生省は70年9月、キノホルムの製造販売と使用の中止を決定したが、72年までに全国で1万1127人のスモン患者が確認された。原因究明までに、感染説やウイルス説も流布し、患者は差別に苦しんだ。06年11月末現在の生存患者は全国で2430人で、県内では今年5月現在、患者約20人に特定疾患医療受給者証が交付されている。

( 2007-06-27 朝日新聞 朝刊 岩手全県 1地方 )


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「痛み研究班」について。被害を「痛み」に起点としてまとめてしまう。(被害者のためではなく、再開するために)安心して接種を受けるために、「「痛み研究班」があるから大丈夫」とつくっただけじゃないのか。国が本来すべきは、そうではなくきちんとした疫学調査だ。


公費負担、定期接種になっているんだから、すべての調査、疫学調査ができるじゃないか。厚労省は科学者として本来すべきことをしないでどうしてこんなに早く接種の再開をしたのか。何か特別な理由があるんですか?


(検討部会は)自己免疫疾患としてすでに診断されている症例を、大規模な外国の疫学調査で否定されているからとはずして検討している。しかし、因果関係を認めるための研究は、接種群と非接種群を比較しないと比較できない。それを(きちんとした疫学調査を)しないで、自己免疫疾患と接種との因果関係を否定するのは非科学的。


各学会は自分たちがワクチンメーカーから貰っているお金や、それから学会のコメントを出している先生方の利益相反関係をオープンにしてからモノを言っていただきたい。HPVワクチンが子宮頸がんを予防すると証明されかのごとく勧奨をしようとするのが、一番問題。


スモンでは、ウイルス説を大きく報道し、キノホルム説を小さく報道した。マスメディアは反省すべき点があるのではないか。


費用対効果

厚労省が定期接種にあたり検討した。作業チームが根拠とした論文は、研究班の中のグラクソの社員が身分を隠して書いたもの。効果は9年分しかデータがない。13歳に接種して生涯有効として分析した。ワクチンの接種費用もゼロとして計算している。分析の基礎がなっていない。費用対効果が良好でない。


過去の薬害から学ぶ 徹底敵な疫学調査を

あらかじめ接種する群と、しない群を分けて、2年間ぐらい調査するのが理想。しかし今から打ってもらうのでは非倫理的。だから、地域を絞ってもいいから、接種していない人を調査したらいいのでは。地方自治体でやっているところもあるが接種していない人には調査をしていない。これは科学的な議論に耐えうるものではないので、少し残念だ。


インフルエンザに感染した時に、アスピリンを使用するとライ症候群を引き起こすことがある。


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ライ症候群 wikipediaから一部引用

インフルエンザや水痘などの感染後、特にアスピリンを服用している小児に、急性脳症、肝臓の脂肪浸潤を引き起こし、生命にもかかわる原因不明で稀な病気である。


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これは当時のアメリカのCDCが徹底敵な疫学調査をして「ライ症候群」を見つけ出した。「公衆衛生の勝利」という題の論文がニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに出ている。


なぜ、日本の厚労省は徹底敵な疫学調査をしようとしない。疫学調査を軽視している。子宮頸がんワクチンの場合、被害者を日本の公衆衛生のやむを得ない犠牲だとは言えない。あまりにも理不尽だ。科学的な分析をするための疫学調査をする、これが厚労省がすべきこと。積極的勧奨を再開するのが厚労省の仕事なのか。最近話題の津田敏秀さんが書いた本では、こうした問題に触れている。



医学的根拠とは何か (岩波新書)医学的根拠とは何か (岩波新書)
(2013/11/21)
津田 敏秀

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「痛み研究班」について

慢性疼痛の治療が日本は遅れているので、研究班をつくったんじゃないか。それ自体は良いこと。しかし、痛み研究班をつくったのは、再開するため。普段から作っておくべきだった。このワクチンに特化してつくるのはおかしい。


海外で報道されていないのは

本当に報道されていないからなのかわからない。すべてを網羅していないので入ってきていないだけかもしれない


日本だけで問題になっているのか

インドは接種勧奨を中止した。しかし、サーバリックスの比率が圧倒的に多いのは日本。こんなに特殊なアジュバント(新しいアジュバントであるAS04アジュバント複合体が添加されている)が入ったワクチンを使うのははじめてじゃないか。(ガーダシルにも、DNAの断片が残留していることが確認されている)


副反応の収集システムがない

日本では医薬品の使用者本人による副作用報告制度はないが、欧米等一部の国では使用者本人からの副作用報告の制度がある。そもそも、日本では副反応の収集システムがない。日本では疫学を非常に軽視してきた。厚労省にしっかりやって欲しい。


臨床試験の問題

サーバリックス、ガーダシルともに子宮頸がんを防いだ、というデータはない。異形成(前がん病変)が少なかったという臨床試験のデータだけ。


臨床試験の問題

前がん状態、粘膜の異形成が出た時点で治療するので、代替エンドポイントでよしとする。もし治療せず放置すると倫理的に問われるからだ。しかし代替エンドポイントで効果を上げたことが、本当に(がんを防ぐという)効果があるといえるのかわかっていない。それでも(定期接種にして)良いとするかどうかは価値観の問題だと思う。


効果の問題

子宮頸がんの原因ウイルスのうち、16型、18型を防ぐとされているが、ほかのハイリスクウイルスに感染しがんになる人もいる。ハイリスクウイルスに感染する人のうち、誰ががんになるのかまだわかっていない。(感染して)がんになるメカニズムがよくわかっていない。


「異形成を防止する」といって認可したり、接種をするのはOK。しかし(そのようなワクチン)を公衆衛生の観点から、すべての人に勧奨するのはおかしいのではないか。「異形成を防ぐ」といっても、いつまで続くのかがわからない。







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