2017/07/25

超低出生体重児の退院後の支援 強すぎる主治医と患者家族との信頼関係 時代は『移行期医療(トランジション)』へ 前編

●強すぎる主治医と患者家族との信頼関係が、子どもの行き場をなくす

先日、小児がんの専門医のA先生に声をかけていただき、新生児科医のB先生に私の意見を届けていただいた。


小児がんの晩期合併症と、超低出生体重児の長期予後 病気でも〝子供らしく″生きられる社会に


以前、転送メールを送ってきた新生児科の医師とは、話が噛み合わなかったけれど不思議だ。A先生とは初対面にも関わらず、古くからの友人のようにスッと心が通じたからだ。


おそらく、A先生は小児がんだけでなく、我が国の小児医療のあり方をずっと考えていらしたからなんだろう。


今日は昨年、国立成育医療研究センターのワークショップに参加した時の講演会で使用されたスライドを紹介しようと思う。


最後に登壇された総合診療部部長窪田滿先生のもので、講演のテーマは『移行期医療(トランジション)』について。


ご覧いただくとわかるように、窪田先生のスライドには、「(小児科医の)奢り」に代表されるように、少々過激な言葉が並んでいる。真剣に子どもの未来を考えてくれていたんだろう。窪田先生は我が国のナショナルセンター、成育の総合診療部部長だ。実は私がブログに書いてきたようなことは、厚生労働省も考えていて、今、『移行期医療(トランジション)』という事業をすすめている。これまでのように、医療がなんでも抱え込む時代は終わろうとしているようだ。


●小児がんの患者会 成長した当事者が活発に活動し、医師が支えている

ちなみにA先生は『移行期医療(トランジション)』も、よくご存知だった。私が牧本敦医師の講演をみて一番驚いたのは、成長した患者さんの活動も支援していたことだった。それも牧本医師は裏方として支えていた。小児がんではすでに当たり前の考え方なのだろう。

◇  ◇  ◇
『牧本事件』を追う その2 牧本敦医師の講演「すべては小児がんの子ども達のために」⑤
●がん患者には夢がある 悪性リンパ腫を乗り越え、小児がんを治す医師に!


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彼は今、生きて医者になってますけれども、悪性リンパ腫という病気を乗り越えて、医者になって、将来は小児がんを治す医者になりたいとがんばっています。皆、それぞれがんになって、辛い治療を乗り越えたという、一種のトラウマがあるけれども、それを乗り越えて、同じ苦しむ人のために、何とかしたいと思うようになるということなんですね。
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●親も子離れをしなくてはいけない

私はこの『トランジション』で、超低出生体重児の教育問題もすすめて欲しい。教育の専門家にアイデアを出してもらえば、超低出生体重児用の教材の開発などもできると思うからだ。今よりも楽しく学ぶことができるかもしれない。超低出生体重児の教育問題が前進しなかったのは、医療者が抱え込みすぎてきたから、ともいえるだろう。


最後にもう一つ大切なこと。我が国の小児医療の患者会の活動は、 これまで、どうしても「親」が中心だった。だからメディアが伝えてきたのも多くの場合、「親」を通した子どもの患者の姿だったと思う。


何が子どもの行き場をなくすのかーーーーーー


窪田先生がおっしゃるように親も小児科医も、真剣に考えなくてはならない時期にさしかかっているようだ。



続く

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