2014/03/09

こころの専門家に伝えたいこと 向精神薬の多剤大量処方 一人の女性の死が世の中を大きく変えた

向精神薬の多剤大量処方にようやくブレーキがかかるようだ。私にとって感慨深いニュースだ。一人の人の死を無駄にしない、ということはこういうことなんじゃないのかな。


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向精神薬の大量処方を制限へ、診療報酬を認めず 読売新聞 3月7日(金)17時35分配信


 厚生労働省は新年度から、抗不安薬や睡眠薬などの向精神薬を数多く処方した場合、診療報酬を原則認めない仕組みを導入することを決めた。

 薬物依存や重篤な副作用を防ぐ狙いがある。

 新ルールでは、外来診療で服薬管理などをする際、抗不安薬か睡眠薬を3種類以上、または、統合失調症の治療に使われる抗精神病薬か、抗うつ薬を4種類以上、1回で処方した場合、診療報酬を請求できなくし、処方箋料も減額する。

 また、入院患者に、副作用が少ないとされるタイプの抗精神病薬を処方する場合も、2種類までしか加算できないように改める。

 抗不安薬や睡眠薬としてよく使われるベンゾジアゼピン系の薬剤は、使用し続けると薬物依存になる危険性がある。



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もう一度、過去記事を掲載する。流れがかわったカゲには、一人の女性の死があったということを私達は忘れてはいけないと思う。もちろんその後ろにはもっと多くの犠牲があるんだろうけれど。


裁判というものには負の側面もあるが「報道され世の中に伝わる」というプラスの側面もある。だから私は「裁判=悪」とは思っていない。悲劇が伝わらなければ被害者がどんどん増える。「裁判が悪い」と批判する前に医療側にはしなければならないことがあるのではないだろうか。


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命日 2014.1.19


今日はある方のご命日だ。


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(2013/12/10)
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2010年、私はある本のインタビューに答えた。ところが前回書いたような事態になり・・・落ち込んでしまった。そんな時、ある男性が裁判を起こしたというニュースを目にした。その方の奥様は軽い不眠をきっかけに心療内科を訪れ、数年間かけて多剤大量処方に陥り、最後は「薬物中毒」で亡くなったのだ。


これはやっぱり社会問題化しないといけないんじゃないか、そう思いコンタクトをとってみた。話はとんとん拍子にすすみ、ある医療系メルマガがその男性の手記を流してくれることになった。


反響は大きかった。あるジャーナリストの目にとまり、週刊誌の記事になったのだ。センセーショナルな見出しだったので、はじめは医療者から猛反発を受けた。


でも、今から思うとそれが狙いだったのかもしれない。その記事がきっかけとなり、少しずつ前進したからだ。学会でも多剤大量処方が議論されガイドラインもできた。大学病院に勤務しながら学会や御用学者を公然と批判する精神科医も現れた。私が訴えはじめた頃には考えられなかったことだ。


けれどつい最近知った。一審は残念な結果に終わってしまったそうだ。大きな目でみれば流れは変わっていったけれど、ご遺族の無念な気持ちにかわりはない。私はかえって残酷なことをしてしまったんだろうか、と思う気持ちもある。


天国の女性は私のことをどう思っているんだろう?


もともとご主人の気持ちが自分から離れていくのではないか、という不安から心療内科の門をたたいたようだ。だから「ご主人が悪い」という感想はとても多かった。


そのたびに私は反発した。考えて欲しいのだ。本来であれば必要なのは、薬よりもご主人との話し合いだろう。そういうことを女性に覚悟させる人が周りにいなかっただけじゃないかと思うのだ。もしその主治医が「あなたはここに来るよりも、ご主人と話し合うべきですよ」そう背中を押してくれれば・・・。


当然、薬を飲んでも不安は解消されない。精神薬には依存性と耐性がある。あっという間に多剤大量処方に陥ってしまう。こうなると自力で立ち直るのは困難だ。多剤大量処方に陥った患者に、「自己責任」「個人でなんとかしろ」というのはどうなんだろうか。


私が今でもその女性を忘れないのは理由がある。


処方された薬の中には「攻撃性や衝動性」という副作用がある薬があった。私がこころを打たれたのは、薬で自分を見失っていっても、衝動性をご主人に向けることがなかったからだ。


これが私だったら、絶対に夫に向かっていただろうと思うのだ。女性はどこかにちゃんとブレーキがあって、最後の最後までご主人を傷つけまい、と必死に抵抗していたんじゃないか。ブレーキになったのはご主人への愛情じゃないかーーー。そう思うと、同じ女性としてその優しさに惹きつけられるのだ。


今年もまた命日がやってきた。こころよりご冥福をお祈りいたします。







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