2014/03/12

小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その12」  どうして当事者の声は届かなかったの?

小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その11」 子どもの生きる力を引き出すのは医療なの?教育なの? の続き


同様に「体を丈夫にする」というのは、体の弱い子どもには一番大切ではないだろうか。なぜなら息子は小児病棟に入院した時の、「置き去りにされた恐怖」をいつまでも引きずっていたからだ。


病院は親には有り難い場所でも、息子には全く違う場所のようだ。「救急車で運ばれ、一人入院させられた」「注射で痛い思いをする」「狭くて暗い機械に入れられる」そういった怖い思いをする場所なのだ。恐怖を克服するには、体を丈夫にするのが一番の近道だろう。


しかし、発達検診医は子どもの不安な気持ちには関心がないようだ。まるで実験動物のマウスを観察するように子どもと接する。もし、かかりつけの先生なら、こんな時には、「僕は悲しいなあ。先生は、いじめているわけではないんだよ」などと子供の目線で話しかけるはずだ。


いつしか息子は病院に行くのを泣いて嫌がるようになり、発達検診医の顔を見るたびに怯えるようになってしまった。


〜ここまでは2012年に書いた手記。ここから先は今回私がつけたしたもの〜


今回書いたようなことは、私が訴えるようになったきっかけ にも書いたことでもある。病院からアンケートが送られてきた時にも、添付文書を作って書いた。


超低出生体重児の親は子どもの発達に悩むものだ。不安を解消するには子どもの発達を促すような具体的な方法がわかればいいのではないか。


夫も専門家だから、息子には遊びを通して療育になるような刺激を与えていた。病院で検診を受けても障害があるかどうかは、ある程度時間がたつまでわからない。療育は診断が確定しないと受けられない。しかし息子のように遅れがわずかな場合、受け皿が用意されていない。ならば夫が息子にしているような遊びを教えてくれればいいのではないのか、そういう内容だった。


アンケートは新生児科の主治医の名前で送られてきた。その頃主治医は長期出張で病院にいないことを私は知っていた。だからなのか担当者は違っていた。それでもお世話になった主治医の名前で送られてきたから私は一生懸命回答を書いたのだ。一生懸命書けば、取り上げてもらえるかもしれない。そんな淡い期待があったけれど・・・。


私の声をきいて学会発表して下さった社会学者の方は、学会発表直前に放送されたクローズアップ現代「幼い命を守れ~小児在宅ケア・地域の挑戦~」を見て驚いたそうだ。私が繰り返し訴えてきたようなことが放送されていたからだ。私への返信のメールを書きながら涙ぐんでしまったそうだ。

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今以上の回復は望めない


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ほのかのおひさま 浅井英子看護師
「あの子がやっているから自分もやれるだろうということなんですよね。あの子がとんでいるから自分もとべるだろうって。大人が教えているわけでは全くなく、子どもは子ども同士で覚える。だからこういうところに集まるってすごく大事かなって」

音羽ちゃんは今、近所の小学生と同じ小学校に通うことを目指せるほど回復しています。

お母さん
「あそこまで脳梗塞にまでなって、ここまで回復する子は見たことがないっている感じで( 医療者は)びっくりしていますね。やっぱり出会った人達、いろいろな人の協力があってここまで元気になれたんじゃないかと思います」

◇  ◇  ◇

私も同じだ。番組の中で元気に飛び回る女の子をみた時私も泣いてしまった。しばらく何も手につかなかったよ。どうして退院後の支援の不足が「こころの問題」にされていたの。


「人」という漢字は支え合って出来ているでしょう。子どもは子ども同士で学び合い、成長するものなんだよ。教育者だったら当たり前のことで皆知っている。だから私はショックを受けたんだよ。


もっと早く届いていたら、もっと多くの子ども達があんな風にとびまわれたかもしれないから・・・。いや、今からでも遅くない。元気にジャンプできるお友達が増えるといいよね。


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番組には寝たきりのお友達も出ていた。三歳になるのに、病気があるからいつもお母さんと家にいないといけないんだね。少しでもいいからお外に出られたらいいね。今度こそ、変わりますように。変わらないといけないね。


続きはこちら↓

小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その13」 退院後の子どもの支援を通して考える 真の国際化とは


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