2017
Aug
18
0
あと5年も待てない
●知りたいのは一般的論ではなく、我が子を伸ばす方法
最近ブログへのアクセスが増えているのは、超低出生体重児の長期的な予後に関心が高まっているからだろう。今まで出された論文などをいくつか読んでみたが、思春期の発達について触れているものがほとんどない。
当事者の一人として正直な意見を言わせていただくと、論文や報告書には、私たちの一番知りたいことがすっぽりと抜け落ちていると思う。
私たちが知りたいのは、一般的論ではない。
論文に書いてあることじゃなくて、このブログに書いてあるようなことだ。
例えば「当事者がどんな日常生活を送っているか」だ。
もっと具体的に言うと「どうしたら数学の成績が向上するのか」「どうしたら、作文が上手く書けるようになるのか」などの「方法」だ。論文や報告書では、具体的に「誰が」「いつ」「どんな」働きかけをしたからキャッチアップしたのかがよくわからない。このギャップはつまり、医療者が良いと考えていることと、私たちが求めていることの間には、大きな隔たりがあるということなんだと思う。
だから私はこんなバカバカしいブログを作ることにしたのだ。
アクセス数も徐々に増えた今振り返ってみると、意外と私の狙いは当たっていたんだと思う。
●「勉強ができない子供を伸ばす方法」に需要がある
アクセス数が増えている理由はもう一つあるだろう。
私は超低出生体重児の親なので超低出生体重児の育児や教育について書いてきたが、ブログの足跡機能を調べると、訪問者してくださるのは学習塾や教育関係のお仕事をしている方が多いことに気づく。
累計で370万部を突破した「英検3級をひとつひとつわかりやすく」の解説をする、人気講師の山田暢彦先生
初めはアフィリエイトのためなのかと思っていたら、どうやらそうではないみたいだ。少子化の影響なのか、超低出生体重児などとは関係なく、勉強ができない子供を伸ばす方法に世間の関心が集まっているようだ。
例えば、書店に行くと今は2通りの参考書が山積みされている。1つは、私が学生時代から変わらない、授業が物足りない学生向けの参考書だ。私が注目したのはもう1つの参考書だった。私が学生時代にはあまり見かけなかった「できない子供の成績を伸ばす」ための参考書が売れていることだ。例えば、今日ブログで紹介した『英検3級をひとつひとつわかりやすく』という参考書。どこの書店でも山積みされていて良く売れている。
私が知りたいのはこうした「実践的なノウハウ」なのだ。
●根拠は「かもしれない」「だとされている」
私には危機感がある。今は、「超低出生体重児」で生まれたというと、「発達障害かもしれない」という疑いの眼差しでみられることだ。勉強ができないからイコール「発達障害」という訳ではないのに、なぜか年々そういう流れが強くなっているようだ。そうされていく理由の一つは、専門家の書いた論文や報告書に、「発達障害が多い」と書かれているからだと思う。
だから転送メールのようなことが起きてしまうんだろう。
今から10年ぐらい前だった。初めて長期予後の論文を読んだ時に私は暗い気持ちになった。「いじめられる」「成績が悪い」「中退」などの文字が並んでいるからだ。その他の報告書などを読んでみたけれど、内容は似たり寄ったり。
その時に私は誓った。
「よ〜し!こんなに悪い、悪い、と書いてあるなら頑張って、変えてみよう!」
私がどうしても納得できなかったのは、友人の医師が、「この子は発達障害ではない」と言い続けてきたからだ。
●私の「嫌悪感」なのか?
そうそう、ある「ジャーナリスト」が、私のブログを読んで以前、意見を送ってきたことがあった。
「あなたの中には、精神医療に対する強い嫌悪感があるんじゃないですか?」
その方は精神障害者の方々の支援活動をしているそうで、「(私の知っている精神障害者の方々が)精神医療の誤診や薬害で精神の病が悪化し混乱した末に、意に反して精神障害者というカテゴリーに入った人々だとしても、その多くは今は、精神障害者であることを受け入れ自分に誇りを持って生きている」と、私の姿勢を批判するメールを送ってきた。
何を言いたいのかぜ〜んぜんわからなかった。私が問題にしているのは病気や障害とする、明確な根拠が「ある」か「ない」かだから。
そこで私が「それではもしも『精神障害』ではなく、『心臓病』ならどうですか?同じことが言えますか?病気じゃないのに、もしも手術をされたらどうですか?誇りを持てるはずなどないでしょう」と言うと沈黙してしまった。
この「発達障害」がもしも「心臓病」や「小児がん」だったら、こんなことは起こらないだろう。
実はある研究者が、息子の症例を英語の論文にまとめると言ってくれている。
超低出生体重児の長期的予後に関しての論文には、キャッチアップについて深く掘り下げたものが見当たらないからだ。その研究者はたとえ1例でも、そこそこのインパクトがあるんじゃないかと言っていた。
でも、書いてくれるのは息子が成人した後…。そうするとあと5年はかかる。
先日、A先生にはそのことを伝えた。
息子はなんとかメドがたってきたけれど、それでいいとはとても思えないからだ。後に続く方々のことを考えると、小児がんの議論のように法律の専門家を交えて子供の人権についても話し合って欲しい。
最近ブログへのアクセスが増えているのは、超低出生体重児の長期的な予後に関心が高まっているからだろう。今まで出された論文などをいくつか読んでみたが、思春期の発達について触れているものがほとんどない。
当事者の一人として正直な意見を言わせていただくと、論文や報告書には、私たちの一番知りたいことがすっぽりと抜け落ちていると思う。
私たちが知りたいのは、一般的論ではない。
論文に書いてあることじゃなくて、このブログに書いてあるようなことだ。
例えば「当事者がどんな日常生活を送っているか」だ。
もっと具体的に言うと「どうしたら数学の成績が向上するのか」「どうしたら、作文が上手く書けるようになるのか」などの「方法」だ。論文や報告書では、具体的に「誰が」「いつ」「どんな」働きかけをしたからキャッチアップしたのかがよくわからない。このギャップはつまり、医療者が良いと考えていることと、私たちが求めていることの間には、大きな隔たりがあるということなんだと思う。
だから私はこんなバカバカしいブログを作ることにしたのだ。
アクセス数も徐々に増えた今振り返ってみると、意外と私の狙いは当たっていたんだと思う。
●「勉強ができない子供を伸ばす方法」に需要がある
アクセス数が増えている理由はもう一つあるだろう。
私は超低出生体重児の親なので超低出生体重児の育児や教育について書いてきたが、ブログの足跡機能を調べると、訪問者してくださるのは学習塾や教育関係のお仕事をしている方が多いことに気づく。
累計で370万部を突破した「英検3級をひとつひとつわかりやすく」の解説をする、人気講師の山田暢彦先生
初めはアフィリエイトのためなのかと思っていたら、どうやらそうではないみたいだ。少子化の影響なのか、超低出生体重児などとは関係なく、勉強ができない子供を伸ばす方法に世間の関心が集まっているようだ。
例えば、書店に行くと今は2通りの参考書が山積みされている。1つは、私が学生時代から変わらない、授業が物足りない学生向けの参考書だ。私が注目したのはもう1つの参考書だった。私が学生時代にはあまり見かけなかった「できない子供の成績を伸ばす」ための参考書が売れていることだ。例えば、今日ブログで紹介した『英検3級をひとつひとつわかりやすく』という参考書。どこの書店でも山積みされていて良く売れている。
私が知りたいのはこうした「実践的なノウハウ」なのだ。
●根拠は「かもしれない」「だとされている」
私には危機感がある。今は、「超低出生体重児」で生まれたというと、「発達障害かもしれない」という疑いの眼差しでみられることだ。勉強ができないからイコール「発達障害」という訳ではないのに、なぜか年々そういう流れが強くなっているようだ。そうされていく理由の一つは、専門家の書いた論文や報告書に、「発達障害が多い」と書かれているからだと思う。
だから転送メールのようなことが起きてしまうんだろう。
今から10年ぐらい前だった。初めて長期予後の論文を読んだ時に私は暗い気持ちになった。「いじめられる」「成績が悪い」「中退」などの文字が並んでいるからだ。その他の報告書などを読んでみたけれど、内容は似たり寄ったり。
その時に私は誓った。
「よ〜し!こんなに悪い、悪い、と書いてあるなら頑張って、変えてみよう!」
私がどうしても納得できなかったのは、友人の医師が、「この子は発達障害ではない」と言い続けてきたからだ。
●私の「嫌悪感」なのか?
そうそう、ある「ジャーナリスト」が、私のブログを読んで以前、意見を送ってきたことがあった。
「あなたの中には、精神医療に対する強い嫌悪感があるんじゃないですか?」
その方は精神障害者の方々の支援活動をしているそうで、「(私の知っている精神障害者の方々が)精神医療の誤診や薬害で精神の病が悪化し混乱した末に、意に反して精神障害者というカテゴリーに入った人々だとしても、その多くは今は、精神障害者であることを受け入れ自分に誇りを持って生きている」と、私の姿勢を批判するメールを送ってきた。
何を言いたいのかぜ〜んぜんわからなかった。私が問題にしているのは病気や障害とする、明確な根拠が「ある」か「ない」かだから。
そこで私が「それではもしも『精神障害』ではなく、『心臓病』ならどうですか?同じことが言えますか?病気じゃないのに、もしも手術をされたらどうですか?誇りを持てるはずなどないでしょう」と言うと沈黙してしまった。
この「発達障害」がもしも「心臓病」や「小児がん」だったら、こんなことは起こらないだろう。
実はある研究者が、息子の症例を英語の論文にまとめると言ってくれている。
超低出生体重児の長期的予後に関しての論文には、キャッチアップについて深く掘り下げたものが見当たらないからだ。その研究者はたとえ1例でも、そこそこのインパクトがあるんじゃないかと言っていた。
でも、書いてくれるのは息子が成人した後…。そうするとあと5年はかかる。
先日、A先生にはそのことを伝えた。
息子はなんとかメドがたってきたけれど、それでいいとはとても思えないからだ。後に続く方々のことを考えると、小児がんの議論のように法律の専門家を交えて子供の人権についても話し合って欲しい。